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バーチャルで生きる #1 前編 ~銀鮭さん~。大変でも頑張る理由、それはNeosVRで楽しそうに遊んでくれる姿を見たいから

こんにちは、バーチャルゲームライターのでんこです。

バーチャル世界の住人の皆さんにお話を聞いて、バーチャルでの生活スタイルや、その楽しさなどについて聞いて、バーチャル世界の魅力を見つけていくインタビュー企画です。

↑前回はso1さんにお話を伺いました。

そして、第1回はNeosVRを中心にclusterやVRChatなどプラットフォームを越えて活動されている銀鮭さんにお話を伺いました。

銀鮭さんはNeosVRでイベントをの主催や初心者案内、直近では大規模イベントのNeosFesta3でも運営チームのメンバーとして活躍されています。

イベントを主催したり、初心者案内を継続的に行なうのは決して簡単なことではありません、自分の時間を削って多くのリソースを割くことになりますし、それを続けていくのは想像以上の大変さがあります。

それでも銀鮭さんが献身的に活動される理由はなんなのでしょうか?

そこには銀鮭さんがNeosVRに強い魅力を感じているからこそ、魅力を多くの人に知ってもらいたいという思い、そして魅力を知った人々からのリアクションが原動力にあると話してくれました。

■ NeosVRで送る日々は魅力的で毎日が文化祭のよう

--簡単な自己紹介をお願いします。

銀鮭さん:はじめまして、銀鮭と申します。NeosVRメインで遊びながら、clusterでイベントやったりVRChatで遊んだりしてます。

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銀鮭さん。撮影はNeosVRで行ないました。

--銀鮭さんは普段NeosVRでどんなことをされているのでしょうか。

銀鮭さん:あらためて質問されると難しいですね。初心者さんを案内したり、謎のアイテムをもらってみんなで遊んだり。動画や画像を出して駄弁る事もあれば、DJイベントで酒を飲みながら前後不覚になる事もあります。

イベントを開いたり、みんなでくだらないモノを作って満足したりとあらゆることをやっている気がします。

文字通り「生活」している感じですね。

--銀鮭さんが生活を送るほどNeosVRに感じている魅力はどこにあるのでしょうか。

銀鮭さん:コミュニケーションが苦手でも楽しめる事ですね。実は最初は他のVRSNSをやっていたんですけど、何を話していいのか分からなかったんです。

ワールド巡りとかしていると「最初は綺麗だねー」でいいんですが、そこから会話が続かない。その結果、DJイベント以外にはほぼ行かなくなりました。

クラブだと「音楽」という毎回違うテーマがありますし、困ったときは踊っていればいい。みんなで仲良くゲームとか、わちゃわちゃ雑談とかにも憧れてたんですが、自分には無理でした。

--確かにゲームが楽しめるワールドなどがあるとは言え、VRSNSで雑談が占めるウェイトは大きいですよね。

銀鮭さん:そうなんです。ですが、NeosVRなら話題に尽きる事がありません。

インベントリというシステムがあり、保存したアイテムを好きに出すことが可能です。同じワールドであっても、毎回異なるアイテムをネタにして話が出来ます。どこでも動画や画像を出せるので、好きなゲームを紹介して盛り上がったり。

本当に困ったら一人で黙々とモノを作っていても許されるというか。「あいつ一人ぼっちで寂しそうだぞ」 みたいに思われないのが心地よいです。

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--NeosVRならではのシステムのおかげできっかけも多く生まれるし、無理に雑談をしなくても過ごせるという。

銀鮭さん:はい。とにかく人とコミュニケーションが取りやすいんですよ。
自分は創作が大好きで、趣味で様々なモノを作って来ました。

みんなでゲームを作ったり、リアルで自作キーボードを開発したり、最近は自分用のアバターも作っています。

複数人でモノを作るというのはとにかく大変で、テキストだとうまく情報が伝わりづらいときがあります。

頼んだモノがイメージ通りでない場合は修正を依頼するんですが、コミュニケーションコストだったり色々かかりますよね。修正作業自体もそうですが、相手に不快感を与えないよう文章を練ったりかなり大変です。

NeosVRだと隣に人がいて一緒に開発するので、言いたいことも大体伝わります。まるで毎日が文化祭みたいな感じですね。

--「毎日が文化祭」という表現はすごくいいですね。

銀鮭さん:文化祭に例えると、隣のクラスの人が様子を見に来て、面白そうだったのでそのまま手伝ってくれたみたいな感じです。フレンド目当てで来たが制作を手伝ってくれて、自分だけでは作れない凄い作品が生まれていく。

それだけでなく、例えばBlenderで困った場合は画面を出してその場で伝える事も容易です。

後で話しますが、NeosFesta3の文章校正なんかも中で画像出して相談してペン入れて、みたいなことをやってます。Zoomどころか現実で話すよりさらに便利ですね。相手のモニターを頑張って覗き込まなくても、画像を複製して拡大すればOKですから。

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clusterにアバターがアップ出来ず、フレンドに相談している様子

■ 大変だけどそれ以上に楽しい。リアクションが原動力

--私も銀鮭さんに案内していただいた1人です。すごく時間を割いて初心者案内に力を注ぐ理由を教えて下さい。

銀鮭さん:この世界を知って欲しい、という想いでしょうか。こんなに凄いプラットフォームなのに、全世界で同時接続数100~200人なんです。

痒い所に手が届くような機能がたくさんあるし、面白いオモチャもワールドもある。これを知らないのはあまりにも勿体ないなと。他のVRSNSに比べて確かに知名度も人口もないんですけど、ここには確かに人が住んでいて生活があるんですよね。

案内は確かに大変です。何でも出来るから、相手が何を望んでNeosVRに遊びに来てくれたのか分からない。興味がありそうなことを推測して、そこを重点的に説明するというのはなかなか骨が折れます。

操作説明からアバターセットアップで2時間、そこからワールドツアーまですると4時間くらいかかります。

ただ、それ以上に楽しいんですよね。

--4時間……! 確かに私のときもかなり時間を割いて案内していただきました。その節は本当にありがとうございました……。

銀鮭さん:どういたしまして。本当に楽しそうだったのでこちらもつい気合が入ってしまいました。

でんこさんの場合はゲームライターとの事でしたので、ゲームワールド見せながら、「5日間で企画から制作までVR内でやったんですよー」みたいに説明した後、実際の制作現場に案内した記憶があります。

実際に案内していただいたゲームワールド。これをVRの中で5日間で作り上げてしまうのがすごい……。

NeosVRはみんなでモノを作れるので、1つのワールドにいろんな方が関わっています。直接プログラミングしてたり、小物を提供したりデバッグ作業に関わったり。

だからこそ、目の前で驚かれたり感動されると本当に嬉しい。案内して良かったなぁって思います。

みなさんのリアクションが原動力になっている感じですね。

--銀鮭さんはイベントも積極的に開催されていますよね。イベントを開催するってすごく大変だと思うんです。企画して、段取りをして、実行するまで。その大変さを乗り越えるモチベーションとか、乗り越えた時の喜びを教えて欲しいです。

銀鮭さん:やはり楽しそうに遊んでくれる姿を見ることですね。

「アイテム博覧会」というイベントを月1で開催しています。アイテムを持ち寄ってゆる~く遊ぼうという会なのですが、おかげさまでもうすぐ8回です。

初心者案内までは皆さん凄く良い反応をもらえるのですが、その後が課題なんですよね。「遊びにいったけど、その次に何していいのかわからない」
という声を何度も聞きましたし、私自身最初は苦労しました。

モノ作りとかしなくていいから、とにかく遊びに来て欲しい。NeosVRの凄さを直に体験して欲しい、そういった想いで企画しました。

みなさん本当に楽しそうに遊んでくれるので、「よし。次も頑張って企画するぞ!」となります。

--初心者案内、そしてイベントなどは正直大変な工数や手間がかかっている。普段の生活に加えて、それでも精力的に活動されているのは「NeosVRの世界を知ってもらう嬉しさ/楽しさ」にあるんですね。

銀鮭さん:そうですね、どんなに凄さを説明しても楽しくなければ意味がない。楽しんでもらえることが何よりも大事だと思っていて、まずはいろいろ遊んで欲しいなと。

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過去の「アイテム博覧会」の様子

■ プラットフォームを越えた人と人との繋がりがVRSNS全体の盛り上がりに繋がる

--またプラットフォームの壁を越えて、VRCやclusterでも活動されていますよね。直近でもcluster民との交流イベントなども実施されていました。そういったイベントも開催される理由などを教えていただきたいです。

銀鮭さん:clusterとNeosVRは根本的な空気が似てると感じています。みんなが自分のプラットフォームを心の底から愛していて、盛り上げるために本当に頑張っている。あと初心者に対して本当に優しい。

clusterのワールド制作で困った事があったんですが、呟いたら20分以内に3人の方から返信がありました。運営とも距離が近くて、悩みや要望は真剣に聞いてくれる。NeosVR民とcluster民、絶対相性がいいと思うんです。

clusterも将来性のある、とても魅力的なプラットフォームだと思っています

もちろんNeosVRとclusterでは出来る事が全く違います。でもそれはどっちが優れてるかみたいな話じゃなくて、いうならばTwitterとFacebookみたいな関係でしょうか。

clusterにも様々な魅力があるのでNeosVR民に知ってもらえたらなと思っていて、ライバルとして潰し合うよりは、お互いに盛り上げてVRSNS全体を盛り上げて欲しい。

私のイベントを盛り上げてくれるDJさんは、大半がVRChatのフレンドです。
NeosFesta3の利用規約も、clusterで一緒にイベントをやった弁護士さんにお願いしてます。

人と人の繋がりって、プラットフォームを超えても継続出来ると思うんです。

--銀鮭さんがNeosVRに見ている未来、そしてその未来を実現するために何をやっているかなどを教えて下さい。

銀鮭さん:非クリエイターがもっと増えて欲しいですね。イベントに来て遊ぶだけ、友達と駄弁るだけ、一緒にゲームするだけ--そういう人がもっともっと増えて欲しい。

VRChatやclusterだって、モノを作ってる人は極一部ですよね。別にモノ作りなんてしなくていいと思ってます。楽しそうに遊んでくれるのがクリエイターにとっての一番のご褒美で、原動力だと思ってます。

だからこそ、アイテム博覧会をやったり音楽イベントを開いたりしています。

「VRCなにもしない人」がNeosVRに来てくれたの実は結構嬉しかったんです。恥ずかしいので本人には言ってないですけど。

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銀鮭さんが生活している場所であり、また強い魅力を感じている「NeosVR」というプラットフォーム。魅力的で面白いからこそ多くの人に知ってもらいたい、楽しんでもらいたいというモチベーションで様々な活動をされていることがわかります。

そしてインタビュー後編ではNeosFesta3に見た未来の話や、これからNeosVRでやってみたいことについてもお話を伺うことができました。近日公開予定ですので、こちらもお楽しみに。

それではまた次回お会いしましょう、じゃーね。

バーチャルゲームライター:でんこ

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