メタバースにおける“親友”という関係と、私にとってかけがえのない存在について
メタバースにはフレンドという概念があります。解釈や使い方は様々だと思いますが、現実世界で言う友達、ないしは知り合い程度の関係に相当するでしょうか。
それでは、メタバースで“親友”という関係は生まれるのでしょうか。それは、友達よりもさらに親密な関係で、お互いを信頼し、頼りにできる存在。あるいはもっともっと深い関係なのかもしれません。
この点についてみなさんはどう思われますか?
確かに、メタバースは現実世界とは違うところが多数あります。物理的な接触もないし、相手のことを知っている情報量も圧倒的に少ないです。むしろ、相手のことについてわかっていることの方が少ないでしょう。
そういった点が多数あり、現実よりも深い人間関係を気づくことは難しいとも言えるかもしれません。ただ、私はこの世界に親友という概念があると思いますし、親友と呼びたい人物がいます。
それが、私が日々長い時間を過ごすメタバース空間clusterにいるuMe店長という人物です。彼とは長い時間をともに過ごし、一緒に遊び、一緒に笑ってきました。
私がuMe店長(以下、店長)と出会ったのは2年と少し前、NeosVRというメタバース空間でのことでした。それは、私がNeosVRで初めてDJとしてプレイさせていただいたイベントで、その会場に訪れていたのが店長でした。
イベントが終わった後、会場に残ったメンバーで軽く雑談をしていました。何を話したか正直あんまり覚えていないのですが、店長が昔DJをやっていたことや、私は普段clusterというメタバースで遊んでいて、clusterにも遊びにきてくださいよ、とか多分そんなことを言っていたのだと思います。
そこから店長と仲良くなって、私がNeosVRに行ったときは遊んでもらったりとゆるーく繋がっていました。ただ、その時はまだNeosVRの人というイメージでしたね。
店長がcluster初めて出演したイベントは「ワレシラズオドル2」というイベントのはずです。
私は店長と面識があったのと、たまたまそのイベントに出ることになっていて、clusterについての案内をした記憶があります。
アバターの入れ方の話をしていたのですが、その時はclusterで使用するアバターのポリゴン数などの制限が解除されたかされていないか、そんな時期だったと思います。「どちらにせよ、VRoidStudioを使えばソフト側で軽量化をすれば確実に入れられるはず」という話をしてましたね。懐かしい。
そして迎えたイベント当日。当時の店長にはclusterにおける知名度は全くありませんでした。そりゃそうですよね、clusterで活動どころか、まだほとんどログインもしていないような状況だったんですから。
ある意味で無名DJとしてイベントに登場した店長ですが、今、この記事を読んでいる皆さんの想像通り、当日のプレイは本当に素晴らしく、多くの観客の心を奪っていきました。特に最後の「We Are The World」には私も心を打たれましたね。
その後も、なんのかんの店長とは一緒に遊ぶことが多かったです。clusterに音楽好きが集まるワールドがあり、そこで冗談半分に「でんこさん、キラキラハウスやってよ」みたいな話をされて、実際にやることになったのが、店長に呼んでもらった最初のイベントで、mxizmという名前を冠した最初のイベントでもあったはずです。
ハウスもそうですし、キラキラハウスの知識も経験も何もない状況で、頑張ったら、意外と褒めてもらえて嬉しかったことを今でも覚えています。
店長が始めたmxizmというイベントは、毎週水曜日の恒例行事になり、1つのコミュニティにもなっていました。そこから、新しいDJの誕生や新イベントの開催に繋がるなど、様々なことのきっかけになっていきました。
そのイベント以外にも、たまに私がイベントにお呼びしたり、店長に呼んでもらったりして、何度か一緒にイベントをしたこともあります。
私の誕生日前日のイベントに無理して呼んで、無理矢理場をつないでもらったりしたのは鮮明な記憶です、本当に感謝しています。特に、その時に店長が流してくれた曲は、私にとって本当に感動的な楽曲で、この先の人生でもずっと覚えている楽曲なんだろうなとも思います。
今でも、店長とは一緒に遊んだり、無限に雑談したりしています。というかほぼ雑談をしてますね(笑)。最近では、店長がゲーム実況を始めたので、面白いゲームを勧める役割をしています。役割……?
私が出るイベントに遊びにきてくれて、「めっちゃミスってたね(笑)」って言われたこともありました。「やっぱり店長にはバレますよねー(笑)」って。
ほかにも、店長には悩みを聞いてもらったり、暴走しかけている私を止めてもらったりと、支えてもらったことが多くありました。一方で、私もなにか少しくらい店長を支えることができたのかな。アバターの入れ方を教えるくらいしかできていないかもしれません(笑)
そうやってメタバースという空間で、一緒に遊び、そして頼りにしているのが店長なのです。
メタバースと現実世界は確かに違います。ですが、私はそれほど特別なものだとは思っていません。家庭や会社、学校などの社会と同じように、メタバースもまた、私にとっての社会の1つなのです。
私は、メタバースで共に過ごす多くの人々には実際に会ったことはありませんし、お互いのことを完全には知りません。実際に私が店長について知っていることはかなり限られています。
ハウスのDJであること、札幌で定期的にDJをやっていること、最近はリアルの色んなイベントに呼ばれていて、遠征をすることもある。イベントでは大量のテキーラを飲んでいて、ビールではすぐ酔うのにテキーラでは酔わないこと……細かいことを知っている部分があれば、大枠すらわからない部分もあります。それは店長から見た私もまたそうでしょう。
お互いに知らないことは本当にたくさんあります。それでも、メタバースにおいて友情は存在すると私は思います。お互いに物理的に触れ合うことはできないかもしれませんが、精神的に支え合うことはできるのです。
そうやって色々な出来事を乗り越えながら2年と少し縁が続き、一緒に笑ったり、喜んだり、時にはネガティブなことを乗り越えてくることができたのはとても貴重な関係なのだと思います。
共に過ごしてきた時間、そしてそこから生まれた多数のエピソード、多くのの感情を共有しながら過ごしてきた私と店長の関係。私はこれを“親友”と呼びたいです。
メタバースには、現実世界にはないチャレンジができる面白さがあります。そんな世界でチャレンジに成功したり、失敗したり、フォローしあったりすることは、メタバースならではの人間関係の築き方なのだと思います。
そして、メタバースで私と店長という新しい縁が生まれたように、mxizmからも多くの縁が生まれました。そこから別の親友が生まれたかもしれませんし、そこから新しいチャレンジや新しいイベント、さらに派生した色々なものが生まれたと私は思います。そうして発展していく可能性がまたメタバースならではの魅力ですよね。
clusterにおける、そしてメタバースにおけるたくさんの可能性の種を蒔いてくれたのがmxizmであり、店長だと思います。
どうせ、店長のことですから、これからも新しいことにチャレンジしていくのでしょう。でも、そのコアな部分は変わらないはずだと信じています。
文末ですが、改めて、mxizmの2周年をお祝いさせてください、本当におめでとうございます。
イベントを継続することは難しく、色々な困難もあったと思います。それでも、2年間という長い間続けられたのはシンプルにすごいと思います。
そんな、mxizmの2周年を記念するイベントに呼んでいただいたのは、ただただ光栄という言葉に尽きます。この2周年をみんなと一緒にお祝いし、楽しめたら嬉しいです。
ライター:咲文でんこ
いただいたサポートで何かゲーム買います