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#天門211 イベントレポート 〜要は、キラカードってこと!〜

誰も光以外の呪文を唱えることができない。

精霊王アルカディアス

Yakumo氏初主催のイベント『HEAVEN'S GATE』に行ってきた。土曜日にgoodnight fmがあって、その次の日。雨とか降りそうなクソ寒い日(帰り道マジで降ってた)。
幡ヶ谷に向かう時のワクワクと火照りは、帰る頃には違う意味の、いやもっと大きな火照りに変わって。

『HEAVEN'S GATE』イベント情報
202421117:00- @幡ヶ谷forestlimit
出演者:c678924 (Video)、DJ Himesama、FortuneHarbor810、negimiso、RealGal、
h.266 feat.suleiman.jp、PIZZA ENJOYER 、takaryu、Yakumo
VJ:査察
POP UP:refrost07
Flyer:imino
Logo:Uranorms

まず、forestlimitが選択されたことを祝福しよう。
今更だが、forestlimitは音が良すぎる。極上だ。そりゃそれくらい出るよなって言う見た目のスピーカーから発令されるギョッとするくらいのロー、CDJ3000/A9によってさらに引き出された高解像度のハイ。しかも進化を続けている。当日の音の印象は、以前に訪れた時よりも中音域のアタック感が硬い強さを得ていた印象。それがスピーカーの変化なのかPAの手腕なのかはわからないが、とにかくハードテクノやsextranceのキック、アーメンの際立ちとの相性がよかった。
この音の特徴がsextranceの”奥”にあるキックのテクスチャを脳髄に叩き込んでくるのに役立っていたし、DJの一挙手一投足がうねりをあげて天門を創造していく様が目の前に発露していった。
あと、ビットクラッシュは解像し美しくあるということを音から理解できて本当によかった。

コスト6以下の進化ではないクリーチャーを1体、
自分の墓地からバトルゾーンに出す。

復活と激突の呪印

おめでとう。SexTranceは生き返ったのだ。まさに死の淵から。
誤解を恐れずに言うと、2年前にpurity://filterに完成されたジャンルであり、不遇にも注目を集めきれずに邯鄲の枕の如く時が過ぎ去るかと思っていた。第四の道で取り上げた際はビットクラッシュという"手法"に注目しHexDとの関連性を明文化しただけに留まり、実際にどのような"効果"があるのかに関しては未開拓のまま放置がされていたといった印象だった。
もちろん当時からSexTranceの"深淵性"は分かっていたが、そもそも日本でクラブで回せるDJがHimesama氏やTakaryu氏くらいなもんで、ある種イロモノからいまいち抜け出せなかった。
しかし、しかしだ。今回の『HEAVEN'S GATE』。SexTranceの純度の高い結晶群は目を覚ますような現象だった。事象は言葉を得た瞬間、己の光を眩く放つ。それのそれは「天門」だったのだ。
ゲットーも光も全てをフィルターの渦に飲み込んだSexTranceは確かに新しいミックスの在り様を提示していた。
邪推をしておくと、ナードの一般普及、hyperflipのクソデカ波と、ゲットーへの憧れの影響はあるだろうと思った。今で言うと2024年もう誰がhyperflipをピークに持ってきても、ゲットーでドカンと落としても不思議ではない時代に突入している。そんな時代になってきてSexTranceはどっちにも相性が良い。良すぎるのである。ミックス単位でも相性が良いし、DJ間でも相性が良い。
実は最強っちゃ最強だったんだな、これが。

このクリーチャーはブロックされない。

星海の精霊エーテル

各出演者を簡単に振り返っていこう。まずトップバッターのnegimiso氏がこのイベントに与えた影響は大きい。僕だったら最初はsuleiman.jp氏から始めるだろうな、とか考えて安直な自分にめっちゃ反省した。この日の正解はnegimiso氏だったんだ。SexTranceなりが提示するのって手前のビットクラッシュとその奥にある"熱"であって後者を提示したイベントってこれまで無かった(チリではあったかもしれんが)。解法が見つかっていなかった未解決問題がさらっと解かれたようなオープニング。最初にhyperflipでぶち上げたらそれが伝わるって発想は凄いわ。それを意図してたかは知る由もないが、イベント作りってのは意図してないところから生まれる旨味のジューシーさったらないね。
続くh.266 feat. suleiman.jp氏。doomerだった。さっきがサウナならこっちは水風呂。水っつっても紫の煙を巻いた雨水。”表現”が独りよがりにならずに絶妙にあったのは彼の技だと感じた。あと最初の二人で今日のイベントの全体像が見えるような作りが偏差値高えなって思った。この落差でもお客さんが一切離れずに淡々と楽しんでいっている様はリテラシーの高さを感じざるを得ないが、楽しむことを楽しむメタ認知的観客の存在は希望でしか無かった。
PIZZA ENJOYER氏。多様な価値観氏とnerdhispeed in the cockpit i'ma DJ氏のB2Bユニット。もといナイトスコープと I'M A PC TシャツのB2Bユニット。実際ピザ配ってた。僕も食べたかったよ。tellur氏ブチ上がりのゲットーで黒光する雰囲気がマジでカッコよかった。というかこのイベント通じて全員ゲットーを当たり前に武器に持ってるのはDJネイティブ世代の到来を感じざるを得ない。あと実は前演者のdoomerさが前振りとして効いていて、ここでさらに下に潜っていくイメージを連想させていったんだろうな。多分。
takaryu氏。いむ電波.wavパーカー着て出演した人の中で一番激しかったんじゃなかろうか。櫛川鳩子「異能バトルは日常系のなかで」のセリフループから始まる鬼気迫るセット。4deckから繰り広げられるキックの応酬はまさに異能バトルそのもの。うわわわわっていう圧で人を居続けさせるってかなり凄いことで音圧に自我を失いかけてはいたがそんなtakaryu氏の底力を見た気がした。
本日のヒーローRealGal氏。水しか飲んでないけど、完全に天門が開くのが見えた。風の噂でRealGal氏のSexTranceセットを見てYakumo氏がこの日の開催を決意したって話本当か分からないけど、それが真実味を帯びるようなとんでもないセットだった。僕はとんでもないものを見ると踊るのを忘れる瞬間がある。そんなの年一くらいしか起きないけど、この日のRealGal氏のセットでそれが起きた。彼はSexTrance博士であってSexTranceマスターであってSexTranceを愛してるんだろうなって思う。後からきいたらデジオフのHimesama氏を見てSexTranceのDJ始めたそうな。そう考えると、Himesama氏へとつながる流れは心にくるものがあるしイベントやっててよかったなって思ったりもした。
DJ Himesama氏。DJ上手男。単にうまいっていう次元じゃなくて音の流れに身を委ねたくなるDJってそうそういない。それくらい説得力があるミックスを毎夜作り続けている彼の姿には感嘆しかない。これ以上語るのは野暮ってもんよ。
c678924氏。映像出演。奇跡的に同日、チリで現地イベントが開催され彼が出演していたという。17,000km離れた地球の真裏と同じ音楽がかかっている。地球にSexTranceの槍が突き刺された日の事を僕は覚えていたいなと思った。フィルターをマジで全時間の8割かけてた。そこに多量に入れられるbeatslicer。発明感すらありこれが本場ってやつかみたいなことを考えてたけどあまりにも踊りすぎて覚えていることが少ない。記憶の最中にフィルター気持ちええって言うピュアな自分がいた。動かない映像で45分場がもつなんてあり得ないはずなんだけど、ミックスが凄すぎて時間が一瞬に感じた。青く漂う彼の手捌きが、一音一音が、尊く、心に刻まれた。
ここで査察氏のVJにも触れておこう。控えめに言って神。VJの技のひとつに気配を消しているのに場を支配するっていうのがあるんだけどそれが完璧にできていた。ネタ使いも文脈くみ取ってたし、それでいて映像が全然シャバくないし、めちゃくちゃ刺激を受けましたとさ。
続くFortuneHarbor810氏。DJ上手男。テクノがバックボーンなんだろうなと思う。ここまでネタらしいネタは少なめで進んできたから、ネタの濃度に大拍手を送ってしまった。もう途中なんてロリコアなんじゃないかってくらい"やってて"最高だった。後から振り返るとc678924氏とYakumo氏の橋渡しをしていた感もあり、いややりたいことをひたすらやったのか、とも思いいずれにせよ後半戦を後半戦たらしめたプレイだったと思う。ラスボスクリア後、真ボス直前のこいつわしより強くね?みたいなキャラを見た。
ラストYakumo氏。天門を潜った先に、真のクソデカい天門が目の前に現れた。デジオフでも思ったが、この人は大カタルシスに持っていくのが本当にうまいなと思う。天性によるものなのか、環境がそうさせたのか。大団円的ハードコアがラストでそう見えるんだっていう感動を覚えた。SexTranceの先を表現する一つの解答だったと思う。それを真正面から組んでいくなんて普通はできないさ。真っ直ぐにそれができるのがYakumo氏なんだよなって思った。

自分のターンの終わりに、
このクリーチャーをアンタップしてよい。

浄化の精霊ウルス

あー!楽しかった!

ブレイクコア!!