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今昔物語 宇治拾遺物語 三省堂 新明解古典

読書メーターのリンクには上がってこないのだが、参考書あるいは教科書の扱いなので仕方がない。だが、内容的には非常のよくできており、このシリーズ関連本を数冊はアップしていこうと思っている。今昔物語集は非常に分厚く全31巻1059話。成立年代は1120年代と思われる。保安年間、鳥羽天皇崇徳天皇時代。宇治拾遺物語集はその後の1190年代の12世紀前半。全197話。一般的に世間に流布していた説話や伝承などを集めたのかと思われる。内容はどちらも非常に面白い。この三省堂の本には抜粋数話が掲載されているが、その数話でさえ格別面白い。中には明治以降の小説家も惹きつけられた話も含まれており、「今昔物語集」からは芥川龍之介「羅生門・鼻」。海音寺潮五郎「有為の奥山」そして「芦刈」は菊池寛、海音寺潮五郎、杉本苑子、谷崎潤一郎、加藤一雄などが同作品から題材をとっている。「姥捨」は堀辰雄、井上靖、深沢七郎。これだけ書き抜いてみただけでも大した作品だと言わざるを得ない。「宇治拾遺物語集」からは「わらしべ長者」「こぶとりじいさん」「ひょうたんすずめ」などが民間に伝わっている。まだ、お読みでない方はこの学校参考書などで勉強しながら読まれては如何?