届け!日本標準時!
こんにちは!電気興業公式noteです。
さて、電気興業がお届けしている、私たちの生活に関わる電波のお話。
今回は「時計」にまつわるお話です。
電波時計の仕組み
時計合わせの手間がかからない電波時計、皆様のまわりにもありますか?
電波時計は、標準電波と呼ばれる標準時刻の電波を受信して自動的に時刻を調整する時計です。
これにより、手動での時刻合わせが不要になり、常に正確な時刻を表示することができるんですね。
JJYとはなんだ?
前述の標準電波を送信している送信所が日本には2か所あります。
福島県田村市・双葉郡川内村境の「おおたかどや山標準電波送信所」と
佐賀県佐賀市・福岡県糸島市境の「はがね山標準電波送信所」です。
送信施設である無線局の呼出符号が「JJY」なんです。
note読者の皆様はもうお分かりですね、このJJYに電気興業が関わっているのです。
JJYの運用は総務省所管の国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が行っているのですが、建設から施設の維持監視を運用開始から現在まで当社が手掛けています。
日本標準時はどうやって作る?
さて、JJYが日本の標準電波を送信していますが、その日本の標準時刻はどうやって決められているのでしょうか?
簡単に説明すると、原子時計で生成した協定世界時に時差の9時間を足して、日本の標準時にしているってことのようです。
この生成する時間と、協定世界時との差は10ナノ秒以下。
10ナノ秒って?と調べてみたら、
10ナノ秒=0.00000001秒=1億分の1秒!!
しかも、”1億分の1秒以下”の精度!!!
一般の感覚からするとものすごい精度ですね。
標準時を届ける電波送信所
つづいて標準時を届ける送信所の説明をさせていただきますね。
2つの無線局JJYから標準時の情報を含む標準電波が長波(LF)帯の電波として送信されます。
まず「おおたかどや山標準電波送信所」
福島県田村市・双葉郡川内村境にある大鷹鳥谷山(標高794m)の山頂付近にあり、地上高250mの傘型のアンテナが設置されています。
電気興業製のアンテナです!
ここから送信される電波は周波数40kHz。良好な電波環境ならば、半径約1,000kmの範囲で、多くの電波時計が標準電波を受信できます。
1,000kmの範囲は北海道が全域入る円になります。
つづいて「はがね山標準電波送信所」
佐賀県佐賀市・福岡県糸島市境の羽金山(標高900m)のこちらも山頂付近にあり、地上高200mの傘型アンテナが設置されています。
こちらのアンテナも、電気興業製です!
こちらか送信される電波は60kHz。こちらも良好な電波環境ならば、半径約1,000kmの範囲、沖縄本島が入る範囲で多くの電波時計が標準電波を受信できます!
2つの電波が重なる場所で、周波数が干渉し合わないように、40kHzと60kHzに周波数を分けているのですね。
電波は強度を弱めながらどこまでも届き、大型アンテナを持つ高感度受信機であれば、ヨーロッパ等地球の反対側でも日本の標準電波が受信できるとの事!
標準電波で何を送っているの?
さて、2か所の送信所から送られる標準電波には、秒を表す信号とタイムコードという時刻情報が乗せられています。
タイムコードには、時、分、通算日、年、曜日、うるう秒の情報、時と分の受信の間違いを知らせる信号、予備情報、停波予告情報があります。
電波時計は、この電波を電波時計に内蔵されたアンテナで受信し、時刻情報を取り出して表示しているそう。
まとめ
当社は通信インフラを支える企業という自負がありましたが、
改めてJJYについて調べていると、責任重大なシステムの整備に携わっていたのですね。。。我ながらビックリです。
これまでのあたり前を支えつつ、次の時代のあたり前も支える企業であるべく、これからも技術の研究と広く社会への貢献に努めてまいります!
by.kissy