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推しが解散するということ

10年応援していたコンビが解散した女の翌日の感想文です。
しばらく非公開にして埋もれさせていたけど、やっぱり記録のためにちゃんと残しておこうと思った。自分の人生史みたいなものだし。




最後の方はコンビのライブなんて寄席抜いたら月に1回ぐらい。殆どコンビの活動なんて無かった。
私はその月に1回のライブが好きだった。

アイロンさんを好きになって、圧倒的にアイロンさんのライブの方が増えた。囲碁将棋さんも、スカチャンさんも観にいっている。連れられてカゲヤマさんだって観るし、単独だったらゆったり感さんも、サンシャインさんも、ななまがりさんも、インディアンスさんも行く。月のライブ数は20強。
それでも、犬さんのライブ1本は特別な気持ちだった。例えるなら、家、みたいな感じだろうか。安心感がある。だから、大好きだった。

そんなコンビが解散した。

2人共芸人は続けるらしい

あまりにしんどいので少しだけ自分の人生と共に犬さんの思い出を振り返って心を整理したいと思う。
(私はどちらかといえば池谷派です)





好きになったのは中学1年生。ラフコントロールさんが好きでその流れで動画を探していたらTHE MOMOTAROの動画を見つけて、観てハマった。
そこまでもお笑いが好きだったけれどさらにのめり込むきっかけになった。普通の中学生の人生変わった瞬間だった。

2人とも演技が上手い。それが第一印象。

次第に押見さんの文章力とからお笑いが大好きなところとか不器用さとか池谷さんのあっけんからんとしたところとか、器用なところとか全部好きになった。

中学時代は私は高校生になってライブに沢山行くという夢だけで生きていた。
2年生の冬。月千円のお小遣い溜めて初めて犬さんを観た。神保町花月の『オヤジ』犬さんの演技力の凄さと内容と初めて生で見れたことに感動してボロボロ泣いた。あの日お見送りして下さった時の池谷さんの顔は一生忘れないと思う。

(初めてここでサンシャインさん観て、演技力高すぎて一年目だということを知って引いた記憶がある。8年経った今、コント界で最前線で戦っていて本当にかっこいいと思う。)

3年生に上がる頃にはライブに行く技術も上がっていたので月に1本ぐらいはライブにいけるようになった。どのライブなら時間的に、金銭的に行けるか毎月熟考して行っていた。1本のライブに全力だった。もうすぐお年玉が入るから、という理由でデンコレからメリークリスマス4ユーを梯子した時あまりの贅沢具合に感動したなぁ。

日常が辛くても、◯週間後のあのライブまで頑張ろう。ということで誤魔化していた。
3年生の冬、初めて押見さんの出待ちに成功してバインダーにサインしてもらった。今でも大切に取ってある。

高校入ってからも辛い日々は続いていたけれど、週1〜2でライブあったからどうでも良くなっていた。自分のことを悪くいう奴は勝手に生きておけ。と思えるほど強くなっていたし、そいつらのこと考えるぐらいなら犬さんのことを考えていたかった。演習終わりダッシュして制服でシアターDに通うのが楽しかった。池谷さんの影響で料理を始めて、弟のご飯を作るようになっていたから一瞬だけ家に帰ってご飯作って出て行く。なんてことよくやっていた。割とパワフルだったなぁと思う。
毎回ノルマのEXPのチケット買っていたから池谷さんに認知されたのはこの辺の頃だと思う。毎回おお、って言ってくれるのすごく嬉しかった。
浅草花月も楽しかったなぁ。押見vs関町眼鏡頂上決戦とか、上半身裸祭りとか、60分ジャンケンライブとか。やばいタイトルの公演ばっかりだ笑 元祖大宮、みたいな感じ。
あとできる7人は思い出。毎回このネタ誰が作ったのかなぁって予測するのが楽しかった。あとオシャレなポスターも好きだった。誰も解散、なんていわなかったから昨日までまた復活すること信じていたよ。DVDまで販売するぐらい人気だったのになぁ(あれ、グランジさんの1万枚のご褒美だっけ?)

高校2年生。2014年は1番良い思い出。コロコロ変わる吉本のランキングシステム。今度は毎月2枚5じ6じのチケット買っていた。週に3回ある演習が5時までで被ったら行けないから、被らないかドキドキしていた。見事1回も被らなかった。奇跡だと思う。今大人気のすゑひろがりず(当時みなみのしま)が5じ6じの中ではお気に入りだった私は先見の明があったのかしら、と思っている笑
7月に地元に劇場ができた。大宮ラクーンよしもと劇場。多分全お笑いオタクの中で5本の指に入るほど家が近い自信がある。それだけでも嬉しいのに犬さんは大宮セブンになった。こんな幸せなことってあるんだ、と思った。そして急激にひとつきあたりに通うライブ数が増えた。交通費無くなったから。

そして、犬さんが、KOCの決勝に行った。

これはもう、本当に嬉しかった。学校があって準決勝は観に行けなかったものの、授業の合間にこっそりケータイをいじって(休み時間でもケータイ禁止だった)評判を調べてはギャーギャー友達に言っていた。決勝に進出が決まったときはもう、胸がいっぱいで。号泣している池谷さんに胸が熱くなった。あれよりも嬉しかったこと、今のところまだ起こっていない。
その日は丁度任侠デイドリーム、という舞台の最中だった。そのお芝居が《鳴かず飛ばずの劇団やっている押見さんが劇団やめようと思っている時池谷さんが唯一そのお芝居に食いついてくれる》って話ですごく犬の心にリンクして違う意味で泣きそうになった。
後々、その舞台の稽古の帰り道元御茶ノ水男子の佐藤さんに「俺はな、二人で頑張ってきて本当良かったって思えるんだよ」って言ってたって話聞いて泣いた。
↑絶対伝わらないけど自分の中で印象深い出来事だったから書いておく。
決勝1本目はそれはそれはうけた。優勝するんじゃないかと思った。でも結局2本目で信じられないぐらい滑って優勝できなかった。
ここで優勝してたらきっとこんな未来じゃなかったんだろうなぁと思うと悔やんでも悔みきれない。
次の日散々学校で「1本目“は”面白かったよ」っていわれたの忘れない。

それでも次の1年間は仕事多くて応援していて楽しかった。500円ライブとか、訳わからないライブは沢山あったけれどそんなライブも楽しかった(ライブ数が増えたことによってたまに大外れもあったけど笑)
池谷と白井の遊びを作ろうは私にとってすごく印象的なライブだった。お客さんも一緒にゲストの芸人さんで遊ぶ、というライブだったのだけども、鈴鳴らす役を任されてもらって毎回鳴らしていた。池谷さんに舞台上から「◯◯ちゃんいるー?」っていわれるのすごく嬉しかったなぁ。
絶対にこのライブだけは外せない、と通っていた。本当楽しかった。

自分が大学に上がると、急激にライブ数が減った。まあ、側から見て、だいぶ状況が変わっているんだろうなぁと思った。

そして、段々自分の気持ちが変わり始めた。

ライブ出たら当たり前のように行く。新ネタライブは楽しみ。でも、ちょっとだけ勝手だけど押見さんに腹立ったりした。他の方達は純粋な新ネタやってるのに犬さんだけ何回もやってるアリネタぶつけてきたり。新ネタでもギリギリで書いたネタだったり。高望みしていているのかもしれないけど。全力で新ネタ作っている芸人さん達を観ているとなんとも言えない気持ちになった。池谷さんは頑張って新たな場所広げてるのに。なんで。と。
自分の心が荒れてたにしてもだいぶ酷いこと考えていたなぁと思う。というか、そんなんならファン辞めればいいのに。でも、ネタも、人間性も、大好きで、やめられなくて。半年ぐらい変な状態だった。多分好きな人が早く世間に認めてもらって欲しい!という気持ちが歪んでしまったのだと思う。

そんな中でよしログきっかけで新しくアイロンさんにハマった。その結果色んな芸人さんを見る楽しさを知った。

そしたら気楽に犬さんを見られるようになった。自分が好きなら売れなくても、KOCで良い成績残さなくてもいいや、と思えるようになった。月に1回のライブもまた楽しめるようになった。
自分の中で犬さんは更に特別な存在になった。

大学3年生の冬に見た『愛ない逢いたい大晦日2018』はすごく印象に残っている。押見さんの人間臭い役と池谷さんの虚勢貼っている悪役(オコチャさんが本当にいい人しか悪役は任せられないと言っていた)が最高すぎてやっぱりこの人達は良いなと思った。これからもずっと、定期的に見ていければいいなと思った。





最後のライブは2020年2月13日だった。新ネタライブ サイダー。長い間新ネタライブがなくて、やっと動き出したか、と思った。
今思い返しても、何も変わらない、いつも通りの新ネタライブだった。モダンタイムズさんがいたから粗くて面白かったなぁ。その日は優勝もあってコントが沢山見れた凄く良い1日だった。
押見さんがYouTube始めた頃はまだ解散なんて決まってなかったっぽいから、きっと最後のライブは最後のライブだって思わないでやったんだろうなぁ。

コロナ無かったらなんか変わっていたのかな。

どうしても、そう考えてしまう。

色々聞いて状況見てちょっとだけ覚悟していたのだけども、でも、やっぱり辛いもんは辛いや。

後輩にいじられて押見さんが怒ってるのを見てケラケラ笑う池谷さんが1番好きでした。
あっち向いてホイ選手権はもうやってくれないのかな。
正反対なのに変なところて意見一致するの面白かったなぁ。

まあ、長々書いてきたけど、別に、芸人やめる訳じゃないからこれからも観るのだろうけど。
でももう二度と新ネタが見れないと思うと悲しい。
KOC優勝して欲しかったな。
池谷さん静岡行っちゃうし。静岡まで観に行くかぁ。偶に東京でライブあるときはちゃんと観に行こう。押見さんは普通にライブ出てくれるかなぁ。関町さんとか大さんとか佐々木さんとか坂本さんにいじり倒されているところ見たい。

10年弱ファンでいれて、良かったです。
犬の心が大好きでした。





押見さんの街録を観て色々思うことはあったし、『解散しない未来』が存在したと思ったら悔しい。
1年経ってもまだ、受け入れられてないみたい。心にずっと穴が空いている。
受け入れられるのは、何年後なんだろうな。