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見えていたのに見えなかったもの

人間は視・聴・嗅・味・触の五つの感覚から、外界(体外)の情報を得ています。中でも視覚器官である目からは、全体の87%もの多くの情報を得ていることが知られています。目は約90%もの情報に関与しているので、脳もこの視覚情報を重要視しています。

1971年にアメリカのカリフォルニア大学の心理学教授のアルバート・メラビアンが提唱した『メラビアンの法則』というのがあります。これは、話し手が聞き手に与える影響について、言語情報・聴覚情報・視覚情報の割合を数値化したものです。メラビアンの法則は、”7・38・55ルール”とも呼ばれ、この数字がそれぞれの影響度の割合です。つまり、視覚情報が影響度の半分以上(55%)を占めることを表わしています。

良い例ではありませんが、怒った顔で褒めても、褒められている感覚は薄く、逆に怒られているようにさえ感じます。メラビアンの法則は、プレゼンの教科書などに載っていて、プレゼンをする時に何にフォーカスすればよいかのヒントを与えています。

しかし、視覚情報は大量に入ってくるため、脳は全ての情報を処理することは出来ません。外部の視覚情報は光(電磁波)の形で目に入ってきます。この光を目の内部にある網膜の細胞が受け取ります。この情報は脳(後頭葉)に伝えられて”見た”ことになります。ただし、多くの情報は捨てられて”大事な情報”だけが選択されます。

つまり、実際には脳まで届いた情報でも、脳に認識されなければ”見た”ことにはなりません。人は都合の良いものだけを”見て”、都合の悪いものは”見ない”、そんな都合の良い情報の取捨選択を行なっています。

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