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タイパだけで良いの?

タイムパフォーマンス(Time Performance)は、かけた時間に対する効果、すなわち「時間対効果」のことです。この言葉は、かけた費用に対する効果(費用対効果)を意味するコストパフォーマンスのコストをタイム(時間)に置き換えた造語(和製英語)です。タイムパフォーマンスは、”最小の労力で最大の成果を得る”ことを重視するZ世代の若者の志向に対して使われています。

このタイフォーマンスの省略形がタイパです。タイパは 2022年の新語大賞に選出された言葉で、なんと商標登録されています。そのため、この言葉を使用するときには権利を侵害しないような配慮が必要です。

確かに、”最小の労力で最大の成果”が挙げられれば、こんな楽なことはありません。しかし、現実にはかなり難しいでしょう。それなりのパフォーマンス(性能/成果)をあげるためには、それなりの時間をかける必要があるからです。ただし、時間は有限です。物事の効率化を考えることは重要な視点です。

このタイパの考え方の対極にあるのが、灘校の伝説教師である橋本武先生の国語授業です。橋本先生の授業では、中学三年間で『銀の匙』という小説を徹底的に読み込みます。総ページ数は150ページくらいだそうですが、これを3年かけて読み込みます。この授業で”自分自身で考える力”を身に付けた卒業生たちの多くは、その後様々な業界で活躍しました。

タイパは必要でしょうが、長い目で見たら”アンチタイパ”のほうが役に立つかもしれません。あなたは、どっち派?。

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