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思い出の珍獣図鑑#2 タヌキ

タヌキが珍獣?、と驚かれた人もいると思います。日本では昔話にも出てくるタヌキは、日本人には古くから馴染みのある動物です。タヌキの学名はNyctereutes procyonoides で、哺乳綱食肉目イヌ科タヌキ属に分類される動物です。このタヌキの属名である Nyctereutes には、”夜行性”という意味があります。このタヌキに分類される現生種は、1種だけなのです。しかし最近の遺伝子解析の結果では、大陸産のタヌキと日本産のタヌキは異なるという説が有力になっています。そうなると、日本産のタヌキは益々貴重です。

タヌキは、極東にのみ生息する世界的に見れば珍しい動物で、元々は朝鮮半島、中国、ロシア東部などに分布していました。日本にいるタヌキは、日本列島が大陸から分離した時に取り残されて、日本で独自の進化を遂げたのかもしれません。たしか、日本のタヌキはレッサーパンダと交換してもらえるくらい貴重な珍獣らしいです。

タヌキには、”ため糞”という”複数の個体が特定の場所に糞をする”習性があります。ため糞は、ニオイで地域の個体同士の情報交換?を行なっているのだそうです。また、タヌキには”狸寝入り”という言葉があるように、寝たふり/死んだふりをします。これは『擬死』と言われる状態で、猟師の猟銃の銃声などが刺激となって起こると考えられています。しかしタヌキは、猟師が獲物を仕留めたと思って持ち去ろうと油断すると、擬死を解いて素早く逃げ去ってしまいます。

この記事を書こうと思ったのは、朝の通勤時に、車に轢かれたタヌキを見たからでした。車に轢かれたタヌキは原型をとどめない場合が多いのですが、今日のタヌキはあまり損傷が無かったので、はっきりとタヌキとわかりました。”狸寝入り”ではないタヌキを、これまで何度も見ています。珍獣・タヌキのご冥福をお祈りいたします。

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