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科学エッセイ分冊 考古学編

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2022年5月の記事一覧

空想考古学・邪馬台国はココだ!#12 長寿の国・邪馬台国

 魏志倭人伝には、『インドネシア・ジャワ島説』でも書いた”南方”をイメージさせる記述が多く出ています。例えば次の部分です。『倭地温暖 冬夏食生菜 皆徒跣』   和訳は次のようになります。「倭地は温暖で、冬でも夏でも生野菜を食べている。みな裸足である」。現在、”標準的な邪馬台国論争”では、邪馬台国の位置は九州または畿内です。しかし、九州がいくら暖かいと言っても、”冬でも裸足”はかなり厳しいと思います。温暖化が叫ばれている昨今でも、冬場の裸足は無理ですから、今よりも寒かったと考

空想考古学・邪馬台国はココだ!#11 ”弥(彌)”という名前

 前回に続いて、名前からの考察です。半島日本語では”弥(彌)”は、水の意味を表わすMiという音の漢字です。この名前が邪馬台帝国の最大の戸数を誇る投馬国と、本国である邪馬台国の役人名に頻繁に出てきます。これは偶然ではない気がします。  南至投馬國水行二十日 官日彌彌 副日彌彌那利 可五萬餘戸 「南、投馬国に至る。水行二十日なり。官は彌彌と曰ひ、副は彌彌那利と曰ふ。五万余戸ばかり。」  上が漢文で、下はその読み下し文です。投馬国は戸数およそ五万余戸の邪馬台国の中でも、最大規模