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科学エッセイ分冊 考古学編

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2021年4月の記事一覧

前方後円墳は、英語でなんて言うの?

 前方後円墳の"前方後円”の語は、江戸時代の国学者蒲生君平(がもうくんぺい)が19世紀初めに著した『山陵志』で初めて使われました。寛政の三奇人・蒲生君平は、各地に残る「車塚」という名称から、前方後円墳は宮車の形を模倣したものだと考え、方形(四角)部分が車の前だと考えました。しかし現在では、古墳時代にそのような車は、日本には存在しなかったと考えられています。  このような「四角が前で、丸が後ろ」の話は、蒲生君平までは覚えていなくても、社会や日本史の授業で聞いたことがあると思い

大発見!? 巨大な前方後円墳!!

 グーグルマップを眺めていたら、偶然、前方後円墳に見える地形を発見しました。場所は福岡県朝倉市です。前方後円墳に見えるこの山は、前方部が北側、後円部が南側を向いています。また、後円部の中心には秋月小学校の校舎とグラウンドがすっぽりと収まっています。この山地形が前方後円墳だと仮定すると、墳丘長は約750 mにもなります。これが本当に古墳なら、歴史的な大発見です。  日本最大の前方後円墳は、仁徳天皇陵と呼ばれている大山古墳(だいせんこふん)です。大阪府堺市堺区大仙町にあるこの古