ノベル「爪切り𓏸𓏸支部」

ほとんどの人が分からない、理解できない部類に該当すると思うのだが、ロフト付きの部屋に住んでいる肩身の狭い人間はもしかしたら共感を得られる内容かもしれない。
爪切りはどのタイミングで切りたくなるのか自分でも分からない。
寝室であるロフトなのか、はたまた食事を終えた後のリビングなのか。
ロフトとリビングは近いようでものすごく遠い場所である。それは、一度簡易的な階段を上るというカロリーを消費するからである。また階段を上りきってやっと爪を切るぞというタイミングであるにも関わらず、爪切り作業をすっぽかしてしまう。そのため、最近自分の中でこれが正解だと思ったのが、爪切りの支部を作るということである。

例えば、普段1番使うであろうロフトに東京本部を構え、もしかしたら必要になるかもしれないという事を見越しての大阪支部を立ち上げたのである。
この体制を取ってからというものすごく爪切りの回転率が向上し、自分の中の利益が微力ながら効率的に循環しているように感じる事がある。

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