どうして ReGLOSS はホロライブJP7期生ではなく DEV_IS なのか?

新しくホロライブから ReGLOSS がデビューした時、ホロライブJPからではなく新設された DEV_IS の所属になった。(実質 DEV_IS 1期生)
一応ホロライブからは「音楽に特化したユニット」として既存のホロJPと区分されているといった説明があったが、どうもしっくりこない部分が感じられた。この点を考えてみたが、探したところそれに類する考察等はネット上では見つからなかったので自分で書いてみる。尚、同意趣の考察が事前にあった場合は私の確認不足ということで、大目に見てもらえると有難い。
また、本文中では敬称略で書かせて頂くのでご了承の程を。

ホロライブJP、ホロライブ DEV_IS とは

ホロライブは(株)カバーが運営するVtuberを擁する事務所で、現在国内では「にじさんじ」と共に二大勢力となる最大手事務所である。ホロライブは「ホロライブJP」「ホロライブEN」「ホロライブID」「ホロスターズ(男性タレントのみ所属)」、そして「ホロライブ DEV_IS」といったグループで分けられている。以前は中国向けのグループもあったが諸般の事情で現存していない。
タレントのJP・EN・IDの所属分けについてはそれ程厳密ではく、ENが作られる以前は日系米国人の桐生ココが(当時はそういう区分は無かったが)JP所属だったり、英語が母国語ではない小鳥遊キアラがEN所属だったりする。もしENが作られなければ日本語が達者な小鳥遊キアラやIRySはJPからデビューしていたかもしれない。
同じ日本語を主体とした「ホロライブJP」と「ホロライブ DEV_IS」の区分については現在明確に語られてはいない。

ホロライブJPの変化

ホロライブ最初のタレントはときのそらで、当初はホロライブという事務所名は公表されていなかったと記憶している。当時は「3Dだからバーチャルであって、2Dはバーチャルとは言えない」と考える視聴者も多かったが、この概念を変えたのがにじさんじだった。最初から企業勢であることを前面に出し(所謂「箱」の原型になる)、タレントはLive2Dのみ。「どこがバーチャルなんだ」といった批判もあったが、これが大成功した。個人的にはやはり月ノ美兎の功績が大きかったと思う。
3Dの場合、スタジオを押さえ、スタッフを揃え、結構な準備をし、動画を撮影する。当時3Dタレントの場合殆どが動画勢だった。(定期的にライブ配信をしていたのはときのそらくらいだったと思う)
それに比べて2Dの場合、タレントが配信したい時間に自宅で手軽に配信出来る。この費用対効果の差は物凄く大きい。そこでホロライブも2Dを主軸にしたタレントを増やしていく。〇期生が続々デビューし始める。(さくらみこは一旦外して考える)

〇期生、先輩・後輩の概念

ホロライブから1期生、ゲーマーズ、2期生、とデビューが続き、EN・IDが派生し、今までのホロライブをホロライブJPと規定し、5期生の頃には最大手のVtuber事務所になった。にじさんじでは早々に〇期生といった概念は省略しグループ統一化があったが、ホロライブでは5期生までは継続している。
しかし、実質6期生である「秘密結社holoX」は明確に6期生と表現されていない。この〇期生という表現は「同期」が明確であること、誰が先輩で誰が後輩か分かりやすい点が利点とも言える(特殊な0期生を除く)。特にホロライブの場合、一緒に苦楽を共にした同期のてぇてぇは視聴者も素直に受け止めていると思う。
また、本来個人事業主であるタレントだがホロライブでは「先輩に敬意を払う(少なくとも個人的に親しくなるまでは)」が徹底されている様である。基本的に先輩・後輩の関係性が希薄と言われる海外勢にも浸透していることから、この概念はデビュー前に事務所から充分にレクチャーされていると考える。「あなたの登録者数が他のタレントより多いのは、あなたの活躍・実績であるものである以前に、先輩達が努力して『ホロライブ』を大きくした功績に寄るものであることが大きい」と伝えられているのだろう。
同様に先輩たちも後輩のデビューに期待し、後輩を(手法は様々だが)可愛がる、といった形のてぇてぇに繋がっている。有難ぇ。

欠員問題

さて、ここまでは上手くいっている様に感じるが、大きな問題としてタレントの卒業・契約解除等による欠員が問題になってくる。先日も夜空メルの契約解除が発表された。現在、5人→4人の期生は何組かあるが、これが3人になると結構大きなデメリットになり得る。しかし、〇期生が同期という前提なので人員は増やせない。そこでやっと DEV_IS の話に繋がる。

DEV_IS というグループの今後

DEV_IS の場合、1期生に当たる ReGLOSS から〇期生という表現が無い。今後チーム数が増えても同様にその表現は無いと推測する。自分が考える結論から書くと、もし ReGLOSS に欠員が出た場合、後からタレントを補充するのではないか、と考えている。チーム内に先輩・後輩の差は出るが、現状ホロライブのタレント間の関係性を考えると比較的柔軟な対応が可能ではないかと思う。同期生という関係性に縛られなければ、チーム編成も変更可能である。
また、ReGLOSS で異彩を放っている儒烏風亭らでんであるが、これまで特化型Vtuberというと「歌特化型」か「ゲーム特化型」くらいしかいなかった大手の箱で、全く新しい「美術系特化型」として人気を集めている。単に美術に関して知識があるというだけでなく、門外漢にも分かりやすい解説をして興味を持たせるといった優れた話術が人気の理由であろう。デビュー以前は事務所から「最初は苦労するかも…」と言われていたらしいが、実際にやってみると大ウケした。これを見たにじさんじも特殊特化型タレント募集を開始した様だが、もしそういうタレントがいたら、やはり儒烏風亭らでんと同じホロライブからのデビューを希望するかもしれない。個人勢Vtuberにはそういう特殊特化型も少なからずいると思うので、転生し活躍の場が広がる可能性はある。そういう特殊特化型のタレントが増えたら新しいチームが出来て、儒烏風亭らでんは ReGLOSS と兼任で参加する可能性もある。
今後は同期主体のJPとチーム主体の DEV_IS の二本立てでタレントが増えていくかもしれない。本来は「秘密結社holoX」の時点で欠員補充・増員といった趣旨があったのかもしれないが、JPの枠内だとどうしても違和感があるという観点から、新しく DEV_IS が作られたのではないか、と考えている。

今後のホロライブに期待

Vtuber自体が成立して間もないコンテンツなので、筆頭と言えるホロライブも試行錯誤の連続だと思う。しかし、数年でカバーをここまで大きくした谷郷社長の手腕は素直に称賛したい。恐らく成功には谷郷社長の人柄に寄るものも多いと考えている。彼がトップである限り、今後もホロライブには期待したい。

長文で申し訳ありませんが、読んで頂いて感謝します。


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