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[Vintage]ドレッジはゆりかごの夢を見るのか?(構築編)

みなさん、こんにちは。でんちゅうと申します。
ここでは、Discordのヴィンテ愛好家の集いサーバーの支配者である添削さんに、「デッキ紹介記事一人一本書かないと追放するよ」と《強迫/Duress》されたため、ヴィンテージの僕が使うドレッジについて書いていこうと思います。

1.はじめに

おそらく95%くらいの方は初めましてだと思いますので、少しだけ自己紹介をします。読むのめんどくさい方は読み飛ばしてください。

MtGを始めたのが小学生のころINV~ODSブロックのあたりで、神河ブロックで一旦引退し、4年ほど前からモダンで復帰し、レガシーとどんどん下環境にハマっていき、今年ひょんなことからついにヴィンテージの沼にはまり込んでしまいました。ヴィンテージ楽しい。

その中でも僕が使っているデッキが「ドレッジ」というデッキです。

ヴィンテージでの「ドレッジ」、中でも主流である「ピッチドレッジ(マナレスドレッジ)」については先人が解説されているので割愛します。

2.「ドレッジ」に対する脅威

ドレッジはデッキがかなり特殊な構成になっています。そのため対策されやすく、特にサイド後は多くの脅威に直面することになり、厳しい戦いが余儀なくされます。いくつか代表的な例を挙げてみます。

2.1.墓地を対策する

例:《虚空の力線/Leyline of the Void》、《貪欲な罠/Ravenous Trap》、《トーモッドの墓所/Tormod's Crypt》、《外科的摘出/Surgical Extraction》

ドレッジは墓地からカードを戻す、墓地から唱えるといったギミックが中心となっています。そのため、墓地のカードを追放するカードが主な対抗策となります。初手にあればゲーム開始時から戦場に出せる《虚空の力線》、そのターンに自分の墓地に3枚以上のカードが落ちていると0マナで唱えることができる《貪欲な罠》、0マナアーティファクトである《トーモッドの墓所》が主な対策カードになりますが、《活性の力/Force of Vigor》の登場により置物の重要度が下がり、今は《貪欲な罠》が主流となっています。
また、《外科的摘出》によって《イチョリッド/Ichorid》や《黄泉からの橋/Bridge from Below》といったキーカードを追放するのも効果的な対策となります。

2.2.クリーチャーの着地を妨害する

例:《封じ込める僧侶/Containment Priest》、《アゾリウスの造反者、ラヴィニア/Lavinia, Azorius Renegade》

《イチョリッド》や《ナルコメーバ/Narcomoeba》といったクリーチャーを妨害する《封じ込める僧侶》、《甦る死滅都市、ホガーク/Hogaak, Arisen Necropolis》や《陰謀団式療法/Cabal Therapy》、《戦慄の復活/Dread Return》のフラッシュバックを妨害する《アゾリウスの造反者、ラヴィニア》がこれに当てはまります。

2.3.クリーチャーを場から除去する

例:《The Tabernacle at Pendrell Vale》

クリーチャーを展開してもこの土地があるだけで場のクリーチャーは次のターンのアップキープにはコストが払えずに場がすっからかんになります。そのため、展開されると速攻持ちの《イチョリッド》のみで殴りきる必要が生じます。

2.4.《Bazaar of Baghdad》を止める

例:《真髄の針/Pithing Needle》、《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》、《不毛の大地/Wasteland》、《露天鉱床/Strip Mine》

ドレッジの基本的な動きは《Bazaar of Baghdad》のディスカードから動き始める場合がほとんどです。そのため、《Bazaar of Baghdad》の起動型能力を封じ込められると機能不全に陥ります。
また、《不毛の大地》や《露天鉱床》で《Bazaar of Baghdad》を破壊することも大変有効です。

2.5.呪文を妨害する

例:《防御の光網/Defense Grid》、《三なる宝球/Trinisphere》、《抵抗の宝球/Sphere of Resistance》

マナレスドレッジの場合、マナを支払う手段がないため、これらのアーティファクトを置かれると《活性の力/Force of Vigor》も唱えることができず、ピッチスペルが全て使えない中で展開する必要があります。

といったように、デッキによってサイド後(たまにメイン戦)からこれらの対策がほぼ間違いなく展開されるので、それらの妨害をなんとかする構築・プレイングが求められます。

3.「マナドレッジ」

「マナドレッジ」は《Bazaar of Baghdad》に加えて《マナの合流点/Mana Confluence》や《真鍮の都/City of Brass》、《ダクムーアの回収場/Dakmor Salvage》といった土地を多めに取り、《恐血鬼/Bloodghast》や《壌土からの生命/Life from the Loam》といったカードを活用したデッキになっています。

ぶっちゃけあまり多くはありません。というのもピッチスペルの枠が取れないので序盤のケアが難しいので、速いデッキにはおいつけないことがあり、さらにドレッジミラーだとマナレスドレッジが主流なので場の展開が追いつく前に取り返しがつかない状況になっている可能性があるからです。

一方で、多少なりマナを出すことができるようになるため、《防御の光網》をはじめとしたマナ要求系アーティファクトや《The Tabernacle at Pendrell Vale》に対して有効です。

ただ、5色出るとはいえ1マナしか出ない《マナの合流点》・《真鍮の都》や発掘持ちとはいえ1マナしか出ない《ダクムーアの回収場》といったマナ基盤では焼け石に水感が否めないため、あまり使用されていないのが現状です。

4.《ガイアの揺籃の地/Gaea's Cradle》という可能性

「タバナクル対策でクレイドルとかって入らないんすか?」
               ―ある飲み会での一幕

それを聞いた瞬間は頭の中に「クレイドル?タバナクル対策なら不毛か露天じゃね?」と全く気にも留めませんでした。
ただ、翌日ゆっくりと考えてみると頭の中でパズルのかけらがぴったりとはまりました。

《ガイアの揺籃の地/Gaea's Cradle》はクリーチャーの数だけ緑マナを出すことができるので《The Tabernacle at Pendrell Vale》のコストを支払うことができますし、《防御の光網》などのマナも支払うことができます。
さらに緑マナが出せるので《壌土からの生命》やエルドレインの王権で登場し、ゲーム中で最初の呪文であればタダ撃ちできるユーティリティカード《むかしむかし/Once Upon a Time》の2回目以降の支払い、といったこともできるようになり《Bazaar of Baghdad》の基盤安定にも一役買います。展開によっては《活性の力/Force of Vigor》の素撃ちも見えてきます。

ヴィンテージ界では対ドレッジサイドは基本とされている中、その環境で生き抜いていくための対抗策を見つけて、組み換えしたサンプルリストが以下のようになります。

5.サンプルリスト

クリーチャー(27)
3 《恐血鬼/Bloodghast》
1 《ゴルガリの墓トロール/Golgari Grave-Troll》
3 《ゴルガリの凶漢/Golgari Thug》
1 《甦る死滅都市、ホガーク/Hogaak, Arisen Necropolis》
4 《虚ろな者/Hollow One》
3 《イチョリッド/Ichorid》
4 《ナルコメーバ/Narcomoeba》
4 《秘蔵の縫合体/Prized Amalgam》
4 《臭い草のインプ/Stinkweed Imp》

インスタント(9)
4 《意志の力/Force of Will》
1 《精神的つまづき/Mental Misstep》
4 《むかしむかし/Once Upon a Time》

ソーサリー(6)
4 《陰謀団式療法/Cabal Therapy》
2 《壌土からの生命/Life from the Loam》

エンチャント(4)
4 《黄泉からの橋/Bridge from Below》

アーティファクト(4)
4 《血清の粉末/Serum Powder》

土地(10)
4 《Bazaar of Baghdad》
2 《ダクムーアの回収場/Dakmor Salvage》
2 《ガイアの揺籃の地/Gaea's Cradle》
1 《裂け岩の扉/Riftstone Portal》
1 《露天鉱床/Strip Mine》

サイドボード(15)
《Contagion》
4 《活性の力/Force of Vigor》
4 《虚空の力線/Leyline of the Void》
2 《精神壊しの罠/Mindbreak Trap》
2 《貪欲な罠/Ravenous Trap》

ドレッジの基本的なカードに関しては他の方にお任せするとして、マナドレッジの特徴となるカードやあまり採用されていないカードについて解説します。

6.特徴的なカードの紹介

・《恐血鬼/Bloodghast》
マナドレッジの場合は土地を置くタイミングが増えるので採用。
土地を置くだけで場に戻ってくるので安定したクロック供給源となり、《秘蔵の縫合体》が墓地にいたらターン終了時にさらにクロックが増えるおまけ付き。
《外科的摘出》によって《イチョリッド》が追放された後でも少し細くなりながらもクロックとしての選択肢を残せるのは大きなアドバンテージ。
また、黒いので《Contagion》のピッチコストや《イチョリッド/Ichorid》のコストにも充てることができます。

・《むかしむかし/Once Upon a Time》
《Bazaar of Baghdad》と一緒に初手にあると、マナコストなしに唱えることができて《Bazaar of Baghdad》を探したり、《虚ろな者》を引っ張てきたり、発掘持ちを引っ張ってきたりと万能衝動効果持ちカードになります。
また、2枚目以降はマナを支払ってキャストする以外にも、《活性の力》のピッチコストに充てることができるためマナレスドレッジでは緑コスト用に採用していた《よろめく殻/Shambling Shell》は採用しませんでした。
ただ、マリガンでのキープ基準とするのは、リスクが高すぎるのでその点は要注意。

・《壌土からの生命/Life from the Loam》
墓地にある土地を手札に戻すことができる発掘持ちカード。
発掘3と少しこころもとありませんが、墓地に落ちたマナを出すことができる土地だけではなく、《露天鉱床》を戻せることは相手のマナ基盤や対ドレッジでの《Bazaar of Baghdad》を壊すことにおいて大変有効です。
加えて、緑色なのでやはり《活性の力/Force of Vigor》のコストとしても有効。

・《ダクムーアの回収場/Dakmor Salvage》
発掘持ちのタップインランド。
ただ、発掘で掘り下げるというよりは墓地から吊り上げることができる土地という認識でいましょう。

・《ガイアの揺籃の地/Gaea's Cradle》
上の通りです。
4枚積む枠はないのと、《むかしむかし》で引っ張ってこれる可能性を考慮して2枚採用です。

・《裂け岩の扉/Riftstone Portal》
墓地にあると場にある土地が《Savannah》になるカード。
《Bazaar of Baghdad》や《ダクムーアの回収場》から《むかしむかし》、《壌土からの生命》にアクセスできるようになるので採用。

・《Contagion》
《不快な群れ/Sickening Shoal》との選択肢になりますが、除去すべき相手が《封じ込める僧侶》、《アゾリウスの造反者、ラヴィニア》なので十分であること、《陰謀団式療法》でもその2枚を除去できるためこちらを採用しました。

7.おわりに

ここまで新たなマナドレッジの可能性として書いてきましたが、まだ実践回数があまり多くなくもしかすると、元のマナレスドレッジの方がつよいかもしれません。(そのため、タイトルもぼんやりした形になりました。)
ただ、せっかくヴィンテージ始めたのでこれぐらいのアレンジしてみるのもありかなと思い今回筆を執りました。

今後使ってみて気が付いた点やプレイングなどで記事を書きたいと思いますので気長にお待ちいただけたらと思います。

最後にここまで読んでいただきありがとうございました。
感想やご意見、苦情等ありましたら僕のTwitter(@den0120)までください。

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