誰でも簡単!DiscordでのTCGテーブルトップ配信~添削杯の配信ができるまで~
はじめに
こんにちは。
今更ながら少しばかり自己紹介を。
でんちゅう(@den0120)と申します。
マジック・ザ・ギャザリング(以下:MtG)というカードゲームを少しばかり嗜んでいて、その中でヴィンテージ・オールドスクールというフォーマットで実際にDiscordを用いたイベント「添削杯(ヴィンテージ)」「旧作杯(オールドスクール)」の配信を担当してきました。
すでにいろんなところで話していますが、もっとテーブルトップの配信増えてほしい!ということで、備忘録を兼ねてこれまでどうやって過去6回(添削杯4回・旧作杯2回)の配信を行ってきたのかの試行錯誤に書いていこうかなと思います。
実際に配信を行った大会は以下のリンクからご覧いただけます。どの試合も見ごたえ抜群なので、ぜひご覧いただけたらと思います。
配信についての話をする前に
このような大会が成立しているのも、いつも主催として参加者をかき集めてくださる主催の添削さん、円滑な進行をしてくださるジャッジのみなさま、いつも見ごたえバツグンのカバレッジを書いてくださるライターのみなさま、そして大会を全力で楽しんでくださる参加者のみなさまがあってこその大会だと思っています。改めまして、みなさまいつもありがとうございます。
目標:実際に対面しているような配信にしたい
Covid-19が大流行して、軒並みイベントが中止になる中、MtGのイベントもどんどん中止になっていきました。
MtGは今ではスマホでも配信されている「マジック・ザ・ギャザリングアリーナ(以下:MtGA)」や「マジック・オンライン(以下:MO)」などのデジタルカードゲーム化が進んでいるため、そちらでも対人で遊ぶことができ、少しの工夫で配信等も行うことができます。実際、MtGAでの配信がどんどん増えてきていますしね。
一方で、MtGAは(MtGの歴史の中では)新しいカードが主流となっており、モダン以下の広大なカードプールを使ったフォーマットには対応していないこと、MOは新たにデジタルのカードを買い直す必要があることがあります。
そして、実際に紙を触ることがモチベにつながる!とのことから、ヴィンテージ界隈で有名な「添削」さんが始めたのが「添削杯」です。(主催のいインタビューは以下のリンクからご覧になれます。)
第1回の添削杯は自分も一プレイヤーとして参加していましたが、実際に参加して革新的でめちゃくちゃ楽しくて、「こんな面白いこと配信しない方がもったいない!」といったことからそれ以降は配信を担当させてもらっています。
さて、実際に配信するとなると、どういうような画面で配信したいのかを考える必要がありました。
一つの目標にしたのが、コロナウイルス流行前に実際に対面で配信出来ていた以下のような画面です。
上の画面はMtGのプロツアーでの配信ですが、
・お互いの盤面が見える
・盤面で見づらい・わかりづらい・注目すべきカードがあった時に表示できる
・プレイヤー情報(HN・ライフ・ゲーム・ポイント…)が一目でわかる
これをDiscordテーブルトップでの配信で、何とか再現できないか考え始めました。そして、自分なりに工夫してできたのが以下のような配信画面になります。
今回の記事ではこの配信画面に至るまでの経緯と上のような実際の対面でのテーブルトップ配信に近づけるまでの試行錯誤の過程を書いていこうと思います。
課題①「2人の盤面を固定する」
添削杯の特徴として、
・プレイヤーは各自サーバー内の対戦チャンネルに接続してゲームを行う
・対戦中ジャッジが各対戦チャンネルをフロアリングする
・対戦中他のプレイヤーの出入りが自由
・カバレッジもあるのでカバレッジライターも出入りする。
といったように、サーバー内の人ならだれでも入れる状態になります。
つまりどうなるかというと…
こうなるわけで、数が変動して、どうやって固定するの?ってなるわけです。
Discordのアップデートでビデオ不参加の参加者の表示を消すことはできますが、ビデオを消し忘れた人が入ってくるとどうやってもずれてしまうわけです。(実際にありました)
さて、どうやって固定しようか…?
Discordでは、何人入っている画面でも、1人にクローズアップできる機能があります。
じゃあ、これ2つ用意すればいいわけだ、となりますね。
Discordも2つ(通常版・公開テスト版)の2つ用意すればいいわけですね。
はい、できました。
課題②「カードを表示する」
ヴィンテージでは、P9はもちろんのこと、古今東西様々なカードが出てきます。そうした時に、配信上にカードがあると視聴者のみなさんにもわかりやすいですし、情報の整理もしやすくなります。
さて、どうやって表示しようか…?
MtGのカードデータベースに「Scryfall」というサイトがあります。ここはカードの画像が毎回固定されて表示されます。そこにフォーカスすれば、すぐに調べて表示させることができます。以前はこのように表示していました。
…が、今はもっとスムーズに表示させる手法を使っています。
上のように画面上の同じところに表示させることができて、ブックマークバーよりも検索しやすいツールがあります。
WindowsユーザーならどんなPCにも入っているエクスプローラーですね。
(MacユーザーならFinder)
ここのプレビュー画面なら位置固定で画像を表示することができます。
・・・解決!
※カード画像を貼るときの注意点
MtGの画像を使うときはウィザーズ・オブ・ザ・コーストのファンコンテンツ・ポリシー(https://company.wizards.com/ja/fancontentpolicy)に記載されている通り、
※当コンテンツはファンコンテンツ・ポリシーに沿った非公式のファンコンテンツです。ウィザーズ社の認可/許諾は得ていません。題材の一部に、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の財産を含んでいます。©Wizards of the Coast LLC.
の記載を必ず概要欄に入れるようにしてください。
入れないと配信止められます。
課題③「情報を整理する」
配信画面では以下の情報がラウンドごとに変化します。
・進行状況
・プレイヤー名
・プレイヤーの現時点でのポイント
・プレイヤーのライフ
・ゲームカウント
・テーブル番号(Vol.4以降)
特にプレイヤーのライフは絶えず動き続けます。
(動きが把握しきれずに追いついた時にまとめて動かすときもあります。)
そのため、ライフの管理だけは操作しやすい「Deathcounter and Soundboard」というソフトを使っています。説明みてると、ゲーム実況者がデスカウントを表示させるのに使うソフトらしいですが、管理が楽なので採用しています。
他の5項目は?→メモ帳でいいや。
結果:配信のオモテとウラ
では、実際にどのような配信画面になっているでしょうか?
こちらがYoutubeでライブ配信している画面です。
それでもって、これが実際に配信しているときの我が家のパソコンの画面です。(一部ぼかしています。)
なんだ、これ?(自問)
・・・よし、わかった。一つずつ説明していきましょう。
まず画面を切り分けます。
画面①Youtube Live画面
これがないと配信できません。
コメントや配信状況を確認する用に配置
画面②(左)OBS
これもないと配信できません。
添削杯Vol.4よりメインの配信卓のゲームが終わった後に他の卓のゲームを途中から配信していますが、その時はシーンを切り替えて対応しています。
他卓の配信をするにあたってネックになっていたのは「途中からだとライフとかゲームとかの進行状況わからないからな…」という点だったので、そこを「どうせわからんなら表示しなければええんや!」とバッサリ切った画面構成にすることで対応をしました。(代わりにテーブル番号を表示しました)
待機中はこのような画面になっています。下のコメントもメモ帳で管理してます。
画面②(右上)Deathcounter and Soundboardと大量のメモ帳
問題児。全部OBSに連動しています。課題③で話していた部分を全部ここに詰め込んであります。
画面②(右下)エクスプローラー
プレビューをOBSで画面キャプチャしてカード画像を表示しています。
こんな感じでカテゴリ分けしてあります。
画面③(上)Discord
進行管理の確認やジャッジチャンネルで状況の確認・今の卓が終わった後の配信先の相談などをするためにテキストチャンネルの開いています。
画面③(下)ブラウザ
Scryfallでカードのテキストを確認したり、前もってエクスプローラーに入れるのを忘れていたカードの画像をその場で調達したり、Twitterを確認して運営アカでツイートされていたらそれのRT、されていなかったら自分のアカウントで引用ツイートしてアナウンスをしています。
画面④Discord・DiscordPTB(通話画面)
2つのDiscordでそれぞれ同じ部屋に入室して、一人ずつクローズアップしたものをOBSで画面キャプチャして配信しています。
メインの配信卓が終わった後は、次の配信卓を決めてタイミングがいいときに両プレイヤーに了承を得た上で、サブアカウントを移動、メモ帳の情報の入れかえ、OBSのシーンの入れ替えをして別卓の配信をしています。
・・・とこのようにして添削杯の配信が行われているわけです。
当日は何してるの?
実際配信している時は上の画面で
・ライフの管理(メイン卓)
・ゲームの管理(メイン卓)
・カード画像の表示(メイン卓・サブ卓)
・Twitterのアナウンス(ラウンド開始時)
・テキストチャンネルの確認(随時)
をラウンド中張り付いてなるべくリアルタイムで反映させています。
待機の合間をぬってご飯食べたり、お手洗い行ったりって感じですね。
まとめ:誰でも簡単!Discordでのテーブルトップ配信
ね?カンタンでしょ?
・・・うん、言いたいことはわかります。
僕だって「もっとスッキリした配信できるでしょ??」って思っています。
特に大量のメモ帳のところとかなんとかならんのか?って思ってますし、画像表示もプレビューキャプチャ以外にもなんかいい方法あるんじゃない?って思ってます。
今後どんどんリファインしていきたく思いますので、なんかより簡潔にする方法ありましたら、コメントでもTwitterのリプライでもDMでも何でもいいので教えてください!
逆に言ってしまえば、今自分が使っているソフトって
・Youtube Liveなどの配信先(必須)
・OBSなどの配信ソフト(必須)
・Discord(必須)
といった必須項目以外のものが
・DiscordPTB(Public Test Build)
・Deathcounter and Soundboard
・メモ帳
・エクスプローラー
といったようにほぼどこのご家庭のパソコンにも入っている基本ソフトしか使っていないんですよね。
それでも工夫すれば、それなりの配信を作ることができます。
なので、みんなもっと気軽にテーブルトップ配信しようぜ!いや、ホントに。
また、「こんな大会やってみたいけど配信できる?」や「もっとこここうしたらいいと思うよ」、「わけわからん」などのご相談・アドバイス・苦情・労いの言葉等々ございましたらお気軽にTwitter(@den0120)にリプやDM等でご連絡ください。
おしまい
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