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ニンジャラクシー・ウォーズ

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邪悪なる星間帝国ガバナスの宇宙ニンジャによって家族を皆殺しにされた青年ゲン・ハヤトは、とても速い宇宙船リアベ号に乗って宿敵ニンジャアーミーの陰謀に立ち向かう! 70'sスペースオ…
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#小説

ニンジャラクシー・ウォーズ:総合目次

これは何ですか?「ニンジャラクシー・ウォーズ」は、1978年に日本でオンエアされたスペースオペラ・ニンジャ特撮TVショウ「宇宙からのメッセージ 銀河大戦」に、現在もTwitter(現X)で連載中のサイバーパンク・ニンジャアクション小説「ニンジャスレイヤー」をマッシュアップした二次創作小説シリーズです。原作の設定と異なる点が随所にあるのでご注意ください。  TTFC(東映特撮ファンクラブ)で恒常的に配信中(月額¥960)。Amazon Primeに加入していれば「マイ★ヒ

ニンジャラクシー・ウォーズ【ゴッデス・セイブ・ザ・マーチャン】

◆#1◆ 第15太陽系・第1惑星シータ周辺宙域を、宇宙オーロラの神秘的な輝きが十数年ぶりに覆った夜。シータ洋上に浮かぶデリ島は、時ならぬ賑わいに包まれていた。  トントコトトン、トントトン。トントコトトン、トントトン。ギーチャカギーチャカギーチャカギー……地球人がタイコを叩き、宇宙猿人デーラ人がギロを掻き鳴らす。天空を彩るオーロラの下で、宇宙民族衣装を纏う人々は朗らかに笑いつつ、輪になってボン・ダンスめいたステップを踏んだ。  先住民族であるデーラ人の口伝によれば、シー

《分割版#4》ニンジャラクシー・ウォーズ【ゴッデス・セイブ・ザ・マーチャン】

【#3】←◆#4◆「ハッ、ハッ、ハッ」枯野を掻き分け、パオは走り続けた。両手に抱えた黄金像の重さが全身の筋肉を苛み、肺と心臓が悲鳴をあげる。だが、身体の苦痛と裏腹に、彼の心は清々しかった。「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ……」湧き出した涙が幾筋も頬を流れ落ちる。  パオはようやく気付いたのだ。過去から現在に至るまで、神マニヨルのまなざしは絶える事なく己の上に注がれていたのだと。天罰? なくて当然だ。善行も悪行も、神の前には平等なのだから……そして今日、神はついに岩山の奇蹟を顕わされ

《分割版#3》ニンジャラクシー・ウォーズ【ゴッデス・セイブ・ザ・マーチャン】

【#2】←◆#3◆ ザッ、ザッ、ザッ、ザッ……規則正しい足音と共にジャングルの暗がりから姿を現したのは、整然と隊列を組んだニンジャトルーパー小隊であった。先頭を行くのはヘビビト。サファリハットを被ったパオが随行する。太陽は既に中天高く、ギラつく光で岩山の一帯を照らしていた。  ザッ! 小隊は岩山の麓で停止した。「これか、マニヨルの岩戸とは」「ハッ」「この中に黄金像があるのだな」「間違いなく」岩山を見上げるヘビビトにパオが頷く。「ようし! 速やかに発破の準備を……ム?」掲げか

《分割版#1》ニンジャラクシー・ウォーズ【ゴッデス・セイブ・ザ・マーチャン】

◆#1◆ 第15太陽系・第1惑星シータ周辺宙域を、宇宙オーロラの神秘的な輝きが十数年ぶりに覆った夜。シータ洋上に浮かぶデリ島は、時ならぬ賑わいに包まれていた。  トントコトトン、トントトン。トントコトトン、トントトン。ギーチャカギーチャカギーチャカギー……地球人がタイコを叩き、宇宙猿人デーラ人がギロを掻き鳴らす。天空を彩るオーロラの下で、宇宙民族衣装を纏う人々は朗らかに笑いつつ、輪になってボン・ダンスめいたステップを踏んだ。  先住民族であるデーラ人の口伝によれば、シータ

ニンジャラクシー・ウォーズ【メッセージ・フロム・ジ・アース】

(これまでのあらすじ)地球連盟第15太陽系の3惑星・シータ、アナリス、ベルダは、邪悪なるガバナス帝国によって無法にも征服された。ガバナス・ニンジャアーミーに父母と妹を殺され、自らも死の淵にあった青年ゲン・ハヤトは、謎の宇宙美女ソフィアに救われて九死に一生を得る。  かつてガバナスから地球を救ったという伝説の宇宙船・リアベ号をソフィアから託されたハヤトは、宇宙ニンジャ・リュウ、宇宙猿人・バルー、万能ドロイド・トントと共にリアベ号に乗り込み、果てしない戦いの道を歩み出したの

《分割版#4》ニンジャラクシー・ウォーズ【メッセージ・フロム・ジ・アース】

【#3】←◆#4◆ BEEPBEEP。シュート・ガバナスの航法UNIXが警告音を発した。レーダーモードのモニタ画面に二つの光点が灯り、二機のハンドメイド宇宙戦闘機がワイヤーフレームで描き出される。「……来たか」呟く編隊長トルーパーの表情はフルフェイスメンポに隠され、判然としない。 「各機に告ぐ」編隊長は通信チャンネルを開いた。「本作戦の標的はあくまでも地球の小型船だ。ベイン・オブ・ガバナスの妨害には構うな。ブリーフィング通り散開して敵機を回避、各個判断で標的を……」『編隊長

《分割版#3》ニンジャラクシー・ウォーズ【メッセージ・フロム・ジ・アース】

【#2】←◆#3◆  暗い洞窟の奥で、クノーイは意識のないミサの身体を横たえた。息遣いは規則正しい。生命活動に支障なし。「仕事が済むまでは生かしといてあげるわ、地球のお嬢さん」彼女は懐からスライムめいた細胞塊を取り出し、膜状に広げてミサの顔に被せた。クナイの切っ先で、鼻に小さな呼吸孔を開ける。  女宇宙ニンジャの両手が複雑かつ神秘的な「カ」「オ」「ウ」「ツ」「シ」のニンジャサインを組んだ。その動作に呼応して、スライムの表面に論理演算めいた複雑な凹凸パターンが走る……その活動

《分割版#1》ニンジャラクシー・ウォーズ【メッセージ・フロム・ジ・アース】

(これまでのあらすじ)地球連盟第15太陽系の3惑星・シータ、アナリス、ベルダは、邪悪なるガバナス帝国によって無法にも征服された。ガバナス・ニンジャアーミーに父母と妹を殺され、自らも死の淵にあった青年ゲン・ハヤトは、謎の宇宙美女ソフィアに救われて九死に一生を得る。  かつてガバナスから地球を救ったという伝説の宇宙船・リアベ号をソフィアから託されたハヤトは、宇宙ニンジャ・リュウ、宇宙猿人・バルー、万能ドロイド・トントと共にリアベ号に乗り込み、果てしない戦いの道を歩み出したのだっ

《分割版#2》ニンジャラクシー・ウォーズ【メッセージ・フロム・ジ・アース】

【#1】←◆#2◆「バカな! 地球連盟は僕らを見捨てるって言うのか!」ハヤトは椅子を蹴倒して立ち上がった。「僕らの祖先は地球からの移民じゃないか! 同じ血が流れてるんだ! なのに……!」「確かに納得いかねェな」収穫小屋のテーブルに肘をつき、宇宙バッファロー最後の一切れを齧りながら、リュウが言った。 「何百年だか前に地球軍はガバナスに勝ってンだろ? いまさら何ビビってンだ」「……これを見て下さい」ミサはUNIXタブレットを卓上に置き、異星の荒野に広がる要塞都市の映像を映し出し

ニンジャラクシー・ウォーズ【フォー・ア・フュー・スクリューズ・モア】

 雲のない空の下に、乾いた荒野が広がっていた。地平線の向こうに低く折り重なった山々を、空気遠近法が黄土色から青へのグラデーションに染め上げる。ここは第15太陽系、第1惑星シータの西部開拓ゾーン。かつて宇宙レアメタルの宝庫として束の間の活況を呈し、夢破れた者達に見捨てられた一帯だ。  風は凪ぎ、宇宙タンブルウィードすら転がらぬ中、三つの人影が黙々と歩き続ける。ジュー・ウェア風ジャケットの逞しい男、カーキ色のポンチョを纏うスマートな青年、そして身長7フィート超の宇宙猿人・デーラ

《分割版#4》ニンジャラクシー・ウォーズ【フォー・ア・フュー・スクリューズ・モア】

【#3】← ◆#4◆ ジャックが拘束された拷問台の周囲は、いまや騒然たる様相であった。  横一列に植え替えられたガバナス様式の装飾柱に、教育センターの子供達が拘束されている。「ウッ……ウウッ」「グスン」「アイエエエ……」すすり泣く彼らの前にはニンジャトルーパー小隊が整列し、宇宙マシンガンの狙いをつけていた。ジャックは首をねじ向けて呻いた。「みんな……!」  次々と到着する軍用トラック。その荷台に満載されていたコロニー住人が、トルーパーに追い立てられながら降車した。「オイ、

《分割版#3》ニンジャラクシー・ウォーズ【フォー・ア・フュー・スクリューズ・モア】

【#2】←◆#3◆ 小さな教会に案内されたハヤト達は、薄暗い礼拝堂の長卓を挟み、今や名ばかりのコロニー町長と会見していた。「コップ一杯の水と一切れのパンで、住民は奴隷のように働かされております。井戸は全てガバナスに管理され、水一滴とて自由にはなりませぬ」俯く町長の頭は心労で真っ白だ。 「近くに大きな川があった筈ですが」ハヤトは訝しんだ。「ガバナスの手で銅山の鉱毒が流されております」「クソッ! どこまで罰当たりな奴らだ」バルーが牙を剥き出す。「なのにどうして、メロス=サンはガ

《分割版#2》ニンジャラクシー・ウォーズ【フォー・ア・フュー・スクリューズ・モア】

【#1】←◆#2◆ そして、時間は再び現在へ。  丸太で組まれたゲートを潜り、リュウ、ハヤト、バルーの三人は銅山コロニーのメインストリートに足を踏み入れた。通りの両脇に立ち並ぶ木造建築は、旧世紀ウエスタン様式の忠実なレプリカだ。かつてこの地に降り立った移民団が、古き良き地球のフロンティアスピリットを町作りに反映させたのだという。  宇宙クォーターホースに曳かれた幌馬車が砂煙をあげて行き交う。サルーンのテラスには、所在なげにたむろする鉱夫とガンマン。中年女性の一団が道端に固