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ショップの変革 〜携帯電話店舗が担う地域貢献と新たな価値創造の可能性〜

近年、日本全国における携帯電話ショップの総店舗数は、ゆっくりとだが確実に減少の一途をたどっています。特に若い世代は、物理的な店舗を訪れるよりもインターネットを利用してスマートフォンの購入や各種サービスの申し込みを行う傾向が顕著となっています。

こうしたこともあり、携帯電話ショップの主要な顧客層はシニア世代にシフトしていると言えます。そして、彼らはただ商品を購入するだけでなく、店舗での滞在時間も長く、各種問題の解決につなげているようです。(例えば、データの移行や、LINEの設定、壁紙のセットなどなど)

また、一般的に、携帯電話ショップはフランチャイズ方式による経営モデルを取っているとの認識が広まっていますが、それは必ずしも真実ではありません。現実には、各店舗のオーナーは固有の状況に合わせ、自身のビジネスを継続させる努力を重ねています。

一方で、多くの携帯電話ショップが充電器のストックやバックアップ電源、キャリア本社との直結ネットワーク回線といった地域社会にとって重要なインフラを実は保有しています。これらの状況は、新たなビジネスモデルの創造に向けた大いなる可能性を秘めています。

現行のビジネスモデルでは、携帯電話ショップは地域の自治体と協力してシニア向けのスマートフォン教室を開催するなど、地域貢献活動を行っています。しかしながら、このような既存の取り組みを超えて、ショップが有する情報インフラを活用した新たなサービス展開も可能になるはずです。

具体的には、スマートライフをテーマにしたモバイル&ウェアラブル・リビングラボの設置や、地域防災支援サービス拠点、遠隔ヘルスケアサービス拠点といった機能を付加することも考えられます。また、大型の携帯電話ショップでは、その一角をデジタルヘルステック系スタートアップのシェアオフィスのような場として賃貸しても面白いのではないでしょうか。多くの場合、デジタルヘルステック系の起業者たちは実際に地域でユーザー層と触れ合う機会をそれほどもっておらず、こうした場を利用することで新たな着想、ブレイクスルーにも繋がるのではとも思っています。

これらの新規事業としての取り組みは、地域社会に根差した携帯電話ショップが新たな価値創造の一環として実践するべき策であると考えられます。

その成果は、経済だけでなく地域社会全体に対するポジティブな影響を及ぼす可能性を秘めていると私は考えています。

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