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【21/22 コッパイタリア・セリエC 1回戦】ユベントスU23 vs プロ・セスト

2021年8月23日、敵地に乗り込むアウェイでの一戦となったコッパイタリア・セリエCは、ユーヴェU23がプロ・セストを2-3で破る結果に終わった。

9月26日午前3時から2回戦のプロ・パトリア戦が控えるユーヴェU23は、実はその数日前の9月23日にもセリエC第3節でプロ・パトリアと対戦するという何とも奇妙なスケジュールとなっている。


メンバーリストと採点

↓プロ・セスト

↓ユーヴェU23

採点
GK
イスラエル:6.0
DF
バルビエーリ:7.0(’88→レオ:6.0)
ポーリ:6.5
デ・ウィンター:6.0
アンツォリン:6.5(’67→ンテンダ:6.5)
MF
レオーネ:6.5(’67→ズエーリ:6.0)
セルサンティ:7.5 (’106→イリング:6.5)
ミレッティ:7.0
FW
スーレ:6.5(’78→クレメンツァ:7.5)
クドリグ:7.5
セクロフ:6.0(’88→ペコリーノ:6.0)

MoM

セルサンティ
2-0の状況から、反撃の狼煙となるチーム1点目を獲得した中盤の選手。

ミレッティやファジョーリほど天才感溢れるプレーをするわけではないが、この選手も狭いエリアでもボールを持てるタイプ。

なにせ今季加入の選手だからまだ把握しきれてはいないけど、運動量ありそうで、得点シーンはまさに攻撃参加が実ったかたち。

本当に今季はもしかしたら昨季以上に面白い中盤が多いかも。新加入ズエーリもそうだが、この試合でプリマから呼ばれたイリングも割と良かったので観ていてワクワクさせてくれるようなチームである。

ユーヴェU23

・失点シーン
1失点目は、キックオフ直後も直後だった。
高めに設定されたDFラインの裏に抜け出したFWに放られたボールがそのまま繋がってしまい、対応したデ・ウィンターは間合い(位置取り?コース取り?)を間違えてシュートを打たれる。そのまま失点。

正直相手のシュートは褒めるべきってレベルのコースに撃ち込まれたが、それでもデ・ウィンターならブロックできたと思う。
少なくとも彼はもうトップチームのベンチメンバーになってもおかしくないため、そのレベルは期待したい。

2失点目はコーナーキックから普通に競り負けた。
対応していたのはおそらくレオーネ。

とはいえ、相手の選手は見るからに高そう(調べたら187cm)だが、どうして決して高身長ではないレオーネ(178cm)がマークしていたのかという初歩的な疑問も残る。

まるでマンジュキッチが相手SBを抑止しながら叩き込むように、レオーネは見事に思うように飛ばせてもらえず相手に得点を許してしまった。

正直、先述した通りマークの人選ミスという要素が拭いきれないからザウリ監督含めたチーム全体の判断ミスといえよう。

・得点シーン
1点目は、ミレッティとアンツォリンが左サイドから崩して、中央に入れたボールをクドリグがポストし近くにいたセルサンティが倒れながら決めた。

ミレッティの攻撃性能は間違いなくセリエCレベルを軽く超えている。

2点目は、レオーネの針に糸を通すようなパスを受けたクドリグが、狭いエリアから器用にシュートを打ちゴール。

移籍したマルケスや負傷離脱中のダ・グラカらの穴を埋める仕事ができるかどうかが注目されていたクドリグだったが、これは期待できる。

何よりまずCFなのにミスが少なくボールタッチが上手い。
いや、このチームにはミレッティやスーレ、ズエーリなどなど何人もボールタッチが上手い選手がいるから彼らと比べれば見劣りするが、クドリグは「不器用CF」ではなく「技巧派CF」の片鱗を見せる。

3点目は延長後半だった。右からのクロスに合わせようとしたFWペコリーノが倒されてリゴーレ。
キッカーは昨季プリマでも蹴ることがあったミレッティ(昨季プリマのメインPKキッカーはバレネチェア)で、コース自体は読まれたがスレスレのコースに決めて勝ち越し。

得点後はゴール裏のプロ・セストサポーターを煽るミレッティの珍しい姿もあり、さすがに相手チームの選手もキレて、落ち着かない試合となってしまった。

正直このシーンに限っていえば微妙な判定だが、試合を通してみればユーヴェU23にPKが与えられてもおかしくないようなシーンが他に複数回あったため、総合的なジャッジと思われる。
贔屓目込みで妥当かな。

・クレメンツァ
この試合で途中投入されたクレメンツァは、久しぶりに見たがやはり彼らしくて巧かった。
クレメンツァの場合は個人的に「上手い」より「巧い」が似合う。とくに理由はないけど。

ひとつ91分のシーンを挙げてみる。

これこそまさにクレメンツァ。
そりゃあ他クラブが放っておくわけもなく、今季は結局ペスカーラにローン移籍した。
(正直いえばセリエBで見たかった)

・ミレッティ
この試合でもミレッティの良さは存分に発揮されており、ファジョーリ好きなアッレグリにハマりそうなタイプなのでトップチームで観られる日もそう遠くないのでは?と密かに思ったり。

おこたんさんがTwitterに載せたペルゴレッテーゼ戦の動画にもあるように、ミレッティは勇気がいるようなプレーを積極的に選択している点が他の選手と一線を画すところ。

プロ・セスト戦でもそういうシーンのオンパレードだった。

このシーンはまさにおこたんさんの言う「相手のプレスを身体で受け」たシーン。
一見ただのワンプレーに過ぎないこのシーンでも、育成年代では「この選手有望だわ」という見方ができる。これ意外とできる選手少ないんだよね。

もう一つ先述した「攻撃性能の高さ」もストロングポイント。

これは今やトップチームで屈指の中盤選手となったラビオが見せるようなランニングを見せるミレッティ。

U17ではトレクァルティスタ、プリマではアンカー、U23ではインサイドハーフと様々なポジションで起用されてきたミレッティだが、このラビオロールができるのなら本当に起用の幅もプレーの選択肢も広がるといえる。

ただ、「勇気のいるようなプレーを積極的に選択する」のは諸刃の剣であるのも事実。
つまり、難易度の高いプレーに挑むということは必然的にミスがつきものであるから、ミスするシーンも少なくない。
後半では特にミスを連発するシーンも見られ、ボールロストマシーンとなりかけた時間帯もあった。
このプレースタイルに正確性が身に付いてくれば、鬼に金棒。

なんか先日投稿したペルゴレッテーゼ戦の感想と合わせてミレッティについてのみでnote1本分以上の字数を消費している気がしなくもないけど、それだけ筆が進むんですよね。

・イリング
この試合の個人的注目ポイントのひとつ。恐らくこれがU23デビューとなったイリングについて。

少し整理すると、イリングはチェルシーユースからプリマに昨季加入した選手であり、元々は純粋なアタッカーやウインガーとしてプレーしていたよう。
プリマでも最初はそのように起用され、名門チェルシーユースから加入したという背景もあり攻撃的なピースとして期待された。

しかし言語の壁があったのか適応に時間がかかると、次第にプリマ監督ボナッティはサイドハーフやインサイドハーフなど、純粋フォワードではなくMFとして起用しはじめる。
これが当たったのが昨季。

そんな背景があったのでU23ではどういった起用法がされるのか楽しみにしていたが、U23ザウリ監督がこの試合で出した答えは「4-3-3のインサイドハーフ」。

やはり技術は高いので繋げるし、元々フォワードの突破力は初見殺しともなりそう。

プロ・セスト

前半良かったのは26番のCerretelli。
ビルドアップの要であるこの中盤選手は、ボローニャユース出身でクレモネーゼが保有する21歳のレフティ。

見た感じプレス耐性があり、来季はクレモネーゼでプレーしていても不思議じゃない。

後半以降は14番Brentanと24番Gianelliがかなり良かった。
どちらもボールを持てるタイプであり、繊細なタッチでするっとかわして上手さが伝わってきた。
自分はこういう分かりやすく上手いタイプの選手が好きなんだろうな。
調べてみるとBrentanはサンプドリアプリマが保有する19歳、Gianelliはインテルが保有する20歳であった。
やはりセリエAクラブが保有する若手だったか。

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