【第9回】週刊・ユベントスユース考察
またまた多忙により、週刊と謳いながらもはや不定期更新となってしまったこのシリーズ。
最近とてもめんどうな試験があり、これが終わったのでとりあえず少しの期間は落ち着きそうだなといったところです。
また、別媒体でもちょくちょくと書かせていただく機会があり、今後は自分のnoteは本当に書き殴り、思ったことを何も気にせず流す感じにしようと考えています。
さて今回は、W杯でトップチームが中断期間に入ったということで、同じく中断期間に突入したユベントスU19の今季を評価したいと思います。
カンピオナート・プリマベーラ1
国内リーグ戦では、12試合/34試合を終え、2位につけるユーベU19。
中断前最後の試合となったローマU19戦の敗北は痛かったです(あの試合は正直1失点目の誤審がなければ…😭という印象が強いですが)。
それ以外は、UEFAユースリーグと二足の草鞋を履きながら、適切なタイミングでターンオーバーを試みつつ勝ち点を重ねることができました。
プレーオフ進出圏の6位以内ではなく、シード圏内の2位を確保している点も素晴らしいですね。
UEFAユースリーグ
死の組と言われたグループH。
昨季王者のベンフィカU19を敗退に追い込む形で、ユベントスU19は何とかプレーオフに進出できました。
「プレーオフ進出」という結果だけ見れば及第点ですが、グループ同組の相手がパリU19やベンフィカU19だったということを考えれば、ポジティブな結果だったといえるでしょう。
総評
評価:9点
加点要素
(1)モンテーロが想像以上の結果
今季ユベントスU19は、監督がボナッティからモンテーロにかわり、心機一転のスタートとなりました。
新監督初期は結果が悪くても多めに見ようかなと思っていましたが、杞憂に終わってくれました。
モンテーロの采配やチーム構成について、多少博打を好む不安定さや失点の多さは否めないものの、多くの試合では安定した交代策や爆発的な攻撃力で勝ち点3を獲得しています。
具体的に言うと、アーザをセントラルで使いたがることについては理解に苦しみました(どうしてもセントラルで使いたいあまり歪なスカッド・交代策を採ったシーンがあった)。
とはいえ、
・イルディズやマンチーニといった有望株をあっという間にチームに上手く組み込んだこと
・リパーニやアンゲーレといったU17からの昇格組にも適切にチャンスを与え、計算できるレベルにまでU19に慣れさせたこと
・死の組だったUEFAユースリーグでグループステージ敗退を回避したこと
・国内リーグでシード圏内の2位
以上を踏まえれば、モンテーロは期待以上の仕事を果たしたというべきでしょう。
(2)躍動した新戦力
バイエルンU17から獲得したイルディズとセリエB経験者のトンマーゾ・マンチーニという2人のビッグな新戦力を迎えたユベントスU19でしたが、彼らがハマるまで時間はそうかかりませんでした。
特にイルディズは序盤戦から活躍し、チームに欠かせない選手にまで登り詰めました。
とはいえ、おそらく皆さんが期待するほどの実力はまだありません。
「トップチームで見たい」という声も少なくないですが、そのレベルには正直まだまだと考えています。
(3)主力2枚体制のGK陣
通常、クラブのGK陣は「正GK」「第2GK」「第3GK」と序列がはっきりしていることが多いです。
一方、今季のユベントスU19は、明確な「正GK」を置くことなく、スカーリアとダッファーラの2枚体制で挑んでいます。
これは、
スカーリアの出場数が10試合
ダッファーラの出場数が9試合
と、シンプルにデータを見ても明らかです。
シーズン開幕前、これまでのキャリアから考えると、スカーリアが「正GK」となるのが有力でしたが、ユベントスU19は「あえて」彼らの間に序列の差異を設けませんでした。
この措置ですが、個人的には高く評価したいと思います。
今季Next Genでは守護神ガローファニや第2GKセンコの断続的な離脱が相次ぎ、既に第3GKのライナが数試合プレーするという「異常事態」が発生。
これに伴い、ユベントスU19のGKもちょくちょくNext Genに吸収されるのですが…
上述した通りU19は完全に2枚体制で構えおり、第2GKとしてのポジションが有力だったダッファーラに成長させるチャンスを与えられたため、Next Genに1人GKを臨時で上げたところで、全く動じないチーム環境となりました。
シーズンを通して戦い抜くには安定したGKのパフォーマンスは必須級です。
唯一Next GenというBチームを持つユベントスは、Next Genの都合にU19の環境が左右されることが多いですが、これに完全に対処した「GKの2枚体制」。
お見事です。
これから期待する要素
次は、「現状イマイチ…これからに期待」という要素について。
(1)序盤モンテーロが導入・整備しようとした守備システム
シーズン開幕直後のユベントスU19では、就任直後のモンテーロ監督は「安定した守備システムの導入」を画策していました。
(明言してはいませんが、個人的にはそう見ています。)
具体的には、ユベントスU19に「リトリート守備」を教えていたと思います。
昨今、カンピオナート・プリマベーラの主流戦術は「とにかく攻撃」にあります。
体格的に成熟した守備選手が少なく、若くしてボール技術に長けた選手が増えてきて、「安定した守備」より「個々の才能に依存した攻撃力」で試合を解決しようとするチームが増えてきました。
それもそのはず。
科学技術の発展により、幼いうちから「トッププロのスーパープレー」を手に収まる画面でいつでも観られる時代となった現代。
「いぶし銀の守備動画」より「美しい攻撃動画」が若い子に注目されやすいのは自然なことですから、ガビやペドリもそうですが、攻撃的なポジションで若い選手が飛躍しやすいのだと思います。
少し脱線しましたが、規模は違えどイタリアでも同じ。
攻撃的なポジションほど、若いうちから個性的・明確な武器を持つ選手が多いです。
すると必然的に、カンピオナート・プリマベーラを制するのは、いかに「ゴールを決めることができるか」にあります。
さて、モンテーロ監督は「あえて」その逆を行き、個々の才能を自由に伸ばす攻撃戦術ではなく、安定した守備戦術を優先的に導入しようとしました。
個々の才能に任せた攻撃は多くのU19チームが採用していますが、概して「カオス」になりがちです。
もっとも、ユベントスU19も結局は個々の才能に依存する面もあるため「カオス」になることもあります。
多くのチームが「カオス」な攻撃をするからこそ、モンテーロは「安定した守備戦術」で迎撃できる状態を作ることが、リーグ制覇の鍵だと睨んだわけです。
だからこそ、私はモンテーロ監督がリトリート守備を指示しているのを見て、とても期待しました。
これができれば、「カオス」に任せた多くのチームを安定して迎撃できるからです。
現状、リトリート守備はあまりユベントスU19に馴染んでいませんが、もし今後これがうまくはまるようになれば、国内で無双できると思います。
おわりに
ここまでご覧いただきありがとうございました。
冒頭にも書いた通り、最近色々なところで筆を取る機会があるため、今後こちらではこんな感じでゆるくダラダラと書いていけたらいいなと思っています。
では、いつになるかはわからない第10回でお会いしましょう。
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