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【21/22 プリマベーラ 第2節】アタランタU19 vs ユベントスU19

代表ウィーク明けを告げたこの試合は、癌のため亡くなった、ユーベ下部組織でプレーした17歳のドディエンくんへの黙祷から始まった。

トップチームのナポリ戦を経ての視聴・レビューとなったため、多少辛口気味かもしれません。

メンバーリストと採点

↓アタランタプリマ

ユベントスプリマ

採点
GK
スカーリア:5.5
DF
サヴォーナ:6.0(78’→デッラヴァーレ:6.0)
エンゾアンゴ:6.5
チーティ:5.0
ムラッツィ:6.0
MF
レドンネ:4.5(53’→オミッチ:7.0)
マレッサ:6.0(53’→アーザ:7.0)
イリング:7.0
ボネッティ:6.0(66’→シェクララツ:6.5)
FW
キボゾ:6.5(78’→トゥルコ:6.5)
ガランテ6.0

MoM

⚡️⚡️イリング⚡️⚡️
昨季チェルシーからやってきたストライカーは、今季は一列下がって中盤として起用されるかもしれない。

加入直後は言語の壁もあってチームに馴染めません感が満載でロストマシーンとなっていたものの(イリングのこれもう色々なnoteで何回も書いてるけど😓)、昨季終盤は完全に主力メンバーのひとりとなり、今季もチームの中心となることが期待されている。

加入当初は純粋なウインガーであったイリングは、この試合では左インサイドハーフとして起用された(Transfermarktでは左ウイングとなっているけどこれは間違い)。

チェルシー産だけあってボールが持てるタイプなので、ビルドアップに安定性をもたらすうえ、多少攻撃が詰まっていても柔らかいタッチで反転→展開というように「すごい派手ってわけじゃないけど助かるプレー」が多い。

あと着目すべきはスタミナ。この試合もフル出場したわけだけど、終盤でも走力が落ちることはなく攻守にわたり存在感を示していた。

ゴールもアシストもわかりやすい数字は残していないものの、この試合のMoMは彼でしょう。

得点・失点シーン

・1失点目
アタランタプリマの3番Ceresoliが左サイド深くまで侵入してきたわけだけど、これに対してディレイで対応したユベントス側はそのまま周囲の5人くらいがズルズル何も考えずに引いてしまい、全員がボールウォッチャー(というかボールホルダー準拠のポジショニング)となってしまってマイナスの位置に現れた27番オマールが空いてしまい、ほぼフリーでシュート。

この「サイドえぐられてマイナス空く現象」はユベントスのプリマベーラ、U23、トップチームのすべてにもれなく見られる失点シーンであり、お家芸となっている。

↑なんか強調したかったんだけど、これじゃあ引用文みたいになってしまった。

・2失点目
正直3バックなのか4バックなのか曖昧なまま進んだアタランタプリマ。
アタランタが右サイドでゲームを作り、フリーの左サイドバック?左ウイングバック?の33番ベルナスコーニがゴール。

このワイドな使い方がアタランタっぽい。

・1得点目
ガランテの逆足カットイン→逆サイドのキボゾへの展開→キボゾのカットイン→逆足シュートのゴラッソ。

点取り屋のダ・グラカ、ゲームメイカーのスーレとミレッティがU23に登録され、正直得点力が不安視されていたプリマ。

キボゾのこのゴールはキエーザがもらたすような安心感を与えてくれた。
もともと昨季負傷離脱がなければチームの中核として継続的に出場するはずだったキボゾ。

今季は自分の実力を存分に示して、一足先にU23へとステップアップしたミレッティとスーレに続けるか。

・3失点目
後半キックオフ直後、最初のプレーでの失点なのが印象悪い。

CFのLozzaへ放られたロングボールに対し、チーティが対応を誤ってしまう。
というか、アタランタのLozzaも身体の使い方がうまかった。

身体の使い方が上手いといえばクルゼフスキ。彼もアタランタプリマ育ちだが、アタランタプリマのFWは身体の使い方がどうしてこうも上手いのだろうか。

・4失点目
3失点目直後の最初のプレーでの失点。いやいや、どうした。ほんの数分で2-1が4-1に。
この試合は総じてアンカーのレドンネでビルドアップが詰まってしまう。
フォローも少なく(アタランタプリマのプレッシングがハマっているのもある)、もともとボールタッチに自信ありそうなレドンネは周囲に出せる味方がいないためどんどん長く持つようになりロスト。
そもそも最前線のキボゾとガランテはどちらもCFタイプではないので、前にボールを放り込むのに躊躇してしまったのかもしれない。

・2得点目
今季密かに期待しているシェクララツのピンポイントクロスにCFトゥルコが合わせてゴール。途中出場コンビのアシスト&ゴール。
最初からCFタイプ欲しかったよなぁという感想。


ユベントスU19

・U17組
2番サヴォーナは第1節もスタメンだったが、レドンネ、マレッサ、ガランテのU17組トリオは今季スタメン初出場。

たぶん3選手とも昨季U17登録だったときに少しだけプリマでの出場機会が与えられたはずで、初見ではないと思うけどちゃんと見るのは初めて。

全員ある程度ボール持てるタイプなのは少し見ればすぐに伝わってきた。
ユベントスユースではフットサルを導入した新しいモデルのトレーニングに着手しているという話もいつか目にしたことがあり、「上手い系」の選手が増えているのかなぁ〜なんて。

しかし今季U17組の中で圧倒的に上手い・強い・奪われない選手がいる。アーザである。
間違いなくU17組のエースであるアーザは、昨季もプリマで1人だけ少し多く出場機会を得ていた選手でもある。

昨季はスーレがサプライズ枠だったが、今季のサプライズ枠はアーザだろう。

また、途中投入されたデッラヴァーレも今季プリマに登録された選手の1人である。
彼はCB登録のはずだが、今回出場したのは右サイドバック。
プレー時間が短いので詳細な評価はできない。一回クロスをあげるシーンがあったが、可能性を感じるクロスだったのでこれからどう起用されるかは見ものである。

そうそう、GKのスカーリアもプリマデビューか。
この選手もわりと足元いけるタイプのGKかもしれない。
4失点した試合だが、後半78分には至近距離からのシュートを弾くビッグセーブも見せた。

・新加入組
今回スタメンのうち(途中投入を含めても)出場した新加入組はチーティのみ。

そのチーティも、見た目通りの高さと強さが武器のCBなのだが、3失点目は見事にやられてしまった。

同じく新加入のムハレモビッチもかなりの有望株と思われるので、ここのスタメン争いは熾烈なものになるだろう。

・10番のはなし
今季プリマの10番はボナッティ。
昨季からプリマではプレーしていたが、昨季の豊富なFW層の中では存在感は薄い方だった。

なので今季10番を着ける彼を見たときも「あ、ボナッティなんだ」程度にしか思わなかった(まぁプリマは背番号試合ごとに変わるし)けど、今季のボナッティは昨季から大きく成長した雰囲気がある。

昨季は見られなかった柔軟なプレーが多く、ミレッティやスーレの穴を埋める存在となるだろうか。

・左サイドバックのムラッツィ
この試合で珍しかったのは、ムラッツィの左サイドバック起用。
攻撃的なスタイルのサイドバックであるムラッツィは、右利きであるため、左サイド起用だと逆足となる。

とくに前半は左サイドからのビルドアップが詰まりまくっていたが、これはムラッツィが左サイドに慣れるために時間が必要だったためだと思われる。

後半は慣れてきたのか安定感が増し、攻撃的なスタイルを取り戻してきた。
ともとも年代別イタリア代表にも選出されるほど有望株であるムラッツィ。

この試合では、後半最後のほうでも諦めるなとチームを鼓舞する姿も見られて非常に好印象であった。

アタランタU19

とにかく4番のズッコンが素晴らしかった。カケレのような雰囲気のズッコン、あの髪型で上手くないわけないだろうという感じだが、ちゃんと本当に上手くて脱帽。

普通にトップチームの戦術をプリマレベルに浸透させるアタランタは最もプリマの使い方を分かってるチームだと思う。

昨季注目していたギズランディは今季レンタルに出されたようだが、この4番のズッコンも来季はセリエBなどで経験を積むのだろうか。

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