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フィールドスタディinデンマーク 2015 Report #4

障害を持つ青少年の学校「UiU」訪問&デンマークの教育についてのレクチャー

昨日とうって変わって今日は訪問先としては1つで、比較的ゆとりのある1日でした。

朝、出発前に昨日の振り返りの場を持ち、訪問先ごとに「なるほど!いいね!」と思ったポイントと、「もやっと...わからん...」と思ったポイントを出し合い、視点を共有しました。また、3日目を終えて今自分自身の心と頭と体がどんな状態か、ラーニングチームとしての自分たちの状態についてどう感じているか、ということも出し合い、一緒によりよく学んでいくための方策を考えました。Facebookグループの活用を決めたり、英語についていけていない時のハンドサインをつくったり...何より、もっと1人ひとりのバックグラウンドを知りたいという声を全体化できたことがよかったと思っています。

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ホテルを出て向かったのは、「UiU」という、義務教育を終えた障害を持つ青少年のためのユーススコーレ。
16歳〜25歳までの年齢の間に、自由なタイミングで3年間をここで過ごし、その間に、その後の自立生活のために必要な力を育むことを目指しています。約90名が通っており、社会性を育むトレーニングを受けたり、友人たちとのアクティビティを楽しんで過ごします。

自閉症や身体障害、ダウン症など、生徒が抱えている障害の種類は様々。授業や活動は、障害の重度ごとに「ハウス」と呼ばれるホームルームグループに分かれて行われます。各「ハウス」にはいわゆる教室的な空間の他にキッチンやテラス、リラックスルームなどがあり、まさしく家庭的な雰囲気です。

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私たちが訪ねた際には、1つのハウスのメンバーが当番として食事をつくって他の生徒に販売していました。単に調理実習であるというだけでなく、そこからお金のやり取りや、販売やサービスの際の応対、衛生的によい振る舞いなども学ぶのだそう。

「障害を持つ彼らが、他の青少年と同じように、自己発達の機会を得られること、そして若者時代を満喫できるように、人生を楽しめるようにすることが大切。そのためには彼らにはヘルプが必要です。」

「ここの生徒たちは、ここにいる間に両親から自立するタイミングを迎える。その時にどのような場所で、どのように暮らし、どういう生き方をするのかを考えられるようにならねばいけない。それができるように考えて、教育をします。」


校長のヘレさんが語ってくれたことが非常に印象的でした。

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お昼過ぎからはしばしフリータイム。多くはノアポート駅でバスを降り、イスラエル広場の屋内マーケットやその近くの公園などで過ごしたようです。


夕方、ニューハウンで再集合し、近くの会議室へ。
さだこさんのパートナーで、国際フォルケホイスコーレ(IPC=International People's College)の理事であるヨーンさんから、デンマークの教育の話を伺いました。
公教育の目的、私立学校のあり方や設立方法、学校教育の特徴、特別支援や移民の子どもたちの状況、2014年に行われた教育改革についてetc...。
デンマークでも近年教育のコンセプトやシステムが少しずつ変化していて、例えば改革前には義務教育終了まで禁止だったテストが、2・3年おきに行われるようになったことや、PISAの成績の振るわなさに危機感を抱いている人たちが、より競争的な環境をつくって子どもの力を伸ばそうとしている話も興味深かったです。

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残すところあと3日(視察はあと2日)。
体力を温存しつつ、がんばります。

(2015/03/24  投稿:みどり)