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フィールドスタディinデンマーク 2015 Report #5

森の幼稚園、リラスコーレ、フォルケホイスコーレ訪問

25日も忙しい1日でした。

さだこさんの息子さんのアンドレウスさんが迎えに来てくださり、早朝ホテルを出発。郊外のklampenborgの駅でさだこさんと合流し、からバスで少しいったところにある森の幼稚園へ向かいました。
非常に残念なことに今日はイースターの前ということで、みんなでハウス(園舎)でランチをする、ということで森には出かけず。ハウスで子ども達が遊ぶ様子を見学させてもらいました。
ここには28名の子どもがいます。20年前に保護者たちの手で設立され、今は私立学校同様公的な支援を受けながら運営しています。

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「ここでしてはいけないことはありますか?」という質問については、叩いたり押したり暴力の類はもちろんだめだけど、「they have alot of freedom」とのこと。

「自然の中で遊んでいたら危険もあると思うけど...」と尋ねると、例えば高いところに木登りしている時などはよく見ていて、その子にとって高すぎるチャレンジだと思った時は「no more」と止めますよとのことでした。

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そこからHomelebækのリラスコーレへ。
リラスコーレは、義務教育段階の私立の一種で、公立と比べて小規模( Little=リラ)で、家庭的な雰囲気の学校。60年代、社会主義的な気運の高まりを背景に公立学校のシステムへの抵抗として広がったものです。
Homelebæk リラスコーレもその流れの中で1967年に保護者たちが創立。一番初めはカリキュラムもなく毎日子ども達が来たら「今日は何する?」という感じで1日が始まっていたそうです。

「ここでは子どもたちが楽しく学校に来て、幸せで、たくさん学んでいるということを教師は常に確かめなければいけない。」

「みんながここは自分たちの学校だ、と思えてコミュニティの一員であるという感覚を持てることが大切。」

という言葉が印象的でした。保護者も、学校の環境整備やレクリエーションなどにたくさん参加し、学校に貢献する、ということでした。

今日は「ラスムス」というデンマークで人気のある作家をテーマとした異学年ミックスのプロジェクト学習の真っ最中で、子どもたちは「ラスムス」の作品をモチーフに、絵を描いたり、劇やダンスを作ったり、楽しそうに、アクティブに取り組んでいました。デンマークではこのような教科横断的なプロジェクトは一般的で、いろいろな学校で行われているようです。

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Homelebækリラスコーレから、きれいな遊歩道を歩いて約30分。
デンマークの独特の教育機関であるフォルケホイスコーレ・krogerupホイスコーレがあります。ここは全寮制の生涯学習の機関で、18歳以上の人ならいつでも誰でも通うことができます。試験はなく、またここに通ったからといって何か資格が得られるわけではありません。つまりキャリアアップのための場ではない、ということです。

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krogerupホイスコーレは、春と秋の2つの学期があり、それぞれ5か月ほどが在籍する期間です。それは自分の人生について考えたり、社会や世界のことを学んだりする期間であり、その時間がデモクラシーをつくっていく土台になるのだと考えられています。
この学校の国際関係の責任者であるガルバさんが学生さんたちに私たちを紹介してくださり、同じ食堂で、ビュッフェスタイルのおいしいランチをいただきました。

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その後、6つあるプログラムコースの1つで、全員が海外からの学生で構成され、世界中の様々な問題や持続可能性について学んでいる「crossing border」コースの学生さんたちが施設案内をしてくれました。
ブラジル、アイルランド、ネパール、イングランド、そして日本人の学生さんもいて、まだ3ヶ月しか一緒にいないはずなのに、ものすごく仲良し。濃密な時間をここで過ごしているのを感じました。

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いよいよ視察はラスト1日。
2つのプレイパークを見学に行きます。楽しみです。

(2015/03/25  投稿:みどり)