逆膣トレ

鼠径部が腫れる、奇妙な現象が我々にはしばしば起こる。一旦腫れると歩く度に下着とこすれ、真っ赤に腫れて膿が出る。そういうときは下着にボクサーブリーフを履こうとふんどしを締めようと無駄である。皮膚科・内科・女性科、どこに行っても診断もつかず。

しかし先日引用したvulvodyniaの定義の一つが、内ももの腫れだったではないか!

そこに気付いて改めてHerrera本を読むと、これまでひとごととして読み流していた箇所に自分に該当する症状が沢山載っており夢子は思わずこう言った:

「うんにぎにぎにぎぃ〜〜〜!」

これは、内もものマッサージをしている間の夢子の声でもある。

Herrera本には内もものマッサージも掲載されている。骨盤痛がある女性は内ももも固まっているのだそう。

正直なめていた。この数ヶ月我々がほぐしてきた膣大陰唇小陰唇会陰にくらぶるべくもないだろう、と。

甘かった。これまでの旅路、一番マッサージが痛かったのは会陰だったがそれに匹敵する痛みだ。

Herrera本から学んだ「トリガーポイント・リリース」では痛む箇所を90秒指圧する。夢子のる内ももは「箇所(ポイント)」というより「面」で痛かった。どこを押しても激痛。とひいえ全てを指圧するのも難しいから、とりあえず膝から鼠径部に一直線に「にんにぎにぎにぃ〜〜〜〜!」と痛みから謎の叫びをあげ指圧する。

左のももからやっていたら、右のももが

「夢ちゃん、悪いけどこっちもはよぅやってんかぁ?」

とウズウズ声をかけてくる。

「ハイ順番にやりますからねぇ〜て、内ももごしゃべった!」

「次は絶対膣が喋るかと思ってたが、内ももの声が聞こえてくるとはなあ」

「ええやんか喋っても! あんなあ、私も、しんどいねん!!」

内ももは関西のおばさん口調で切々と訴えてくる。

両内もものマッサージに一時間半、かかった。

ヘトヘトだ。しかし、これまでより骨盤を立てることができるようになった!

我々の骨盤は前傾している。反り腰だ。それが良くないのはわかっているからずっと骨盤を立てようとしてきたが、どんなに力をいれてもびくともしないかったのだ。それが一回のマッサージで骨盤が、立った!

「ピラティスのインストラクターに、『骨盤たてろ!』ってめちゃくちゃ怒られたときは怖かった〜! 怒らずにこれ教えてくれればよかったのに!」

嬉しそうに何度も鏡の前で骨盤を立てている。今後はこの骨盤をキープせねばならない。

子宮内膜症人間は、骨盤ないが癒着しまくり「frozen pelvis」というガチガチの状態になるらしい。これもHerrera本にかいてあった。

「Herreraさんにほんま感謝やなぁ」

喜んでいたら数時間後、痛みと熱が出た。

急に状態が変化するとフレアーアップ(再燃)ぎ起こると本にも書いてあるからそうなのだりう。

数週間前までは熱の因果関係が分からなかった。

臍・右鼠径部に刺激が入るとフレアーアップがおこり発熱するようだ。




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