noteはダメだったけど仕事が一粒万倍になった話

はじめに

 えー、はてさて、一粒万倍日と天赦日・天恩日が重なる吉日にnoteの投稿を始めたわけですが、半年で2本しか投稿できていない私の上半期 #振り返りnote でございます。


 先に述べた通り、または、プロフィールをご覧になればわかる通り、noteはさっぱり一粒万倍になっていないわけですが、そのご利益は本業でしっかり受け取りましたので、その顛末を簡単にお話ししようと思います。別に仕事の話しかネタがないわけじゃないんだから勘違いしないでよね!

仕事:電気系の研究開発

 私は一般企業で電気系の研究開発に携わっています。研究開発と言っても、研究の第一線である大学に残れない程度の能力しかない私は、国内外で発表される最先端の論文を読みあさって自社で使えそうな技術を探し、将来の商品開発(量産開発)に使えるか検証するのがお仕事です。
 しかし、本当に最先端の技術は、研究室で日々繰り返される解析や実験の中にしかなく、それが世に出るまでは半年以上の月日がかかります。
 では、本当に最先端の技術はどうやって追いかけるのか? その答えは、「論文になる前の情報を学会や研究会で聴く」ことです。学会や研究会というのは、「査読付き論文」を出す前に、研究者の間で最新の研究成果を共有し、発表者はその成果の真偽を問い、聴講者はその成果から研究のヒントを得る、という貴重な場です。

学会・研究会とは?

※興味があったらお読みください※興味がなければ
学会(総会・部門大会)というのは、各分野の研究者の組織である「学会」が年に数回開く研究発表の場であり、「研究会」はさらに細分化された分野の委員会が短いスパンで開催する研究発表の場を指します。(電気系の学会だと「電気学会」という組織が最大手です)
 学会や研究会での発表にも論文が必要になり、お金を払えばだれでもいつでも読めるのですが、口頭発表であることが非常に重要で、そこに載っていない情報をその場で教えてもらえるのがいいところです。大学生の自分は、学会や研究会での発表が卒業要件になっていて、「発表苦手だからめんどくさいなー」などと思っていたのですが、企業で研究する身からすると「ちょっとでも面白そうなことがあったら発表してくれーなにとぞー」って感じです。

万倍:出会いに囲まれる

 というわけで、最初の投稿を書いた1月の最終週、新型コロナも落ち着いていたので、専門分野の研究会に現地参加することになりました。会社の経費で旅行できると思ったら超近場で2日間日帰りでした。
 このときの目的は3つ。どう見ても発表を聴くことは二の次ですね。
 ・大学の先生に、とある研究分野の第一人者を紹介してもらうこと
 ・学会の重鎮である恩師(指導教員)にご挨拶すること
 ・純粋に発表を聴くこと

左舷から迫り来る第一人者

 新幹線の遅延であとから入室して隣に座った人、「どこかで見たことあるなー」と思ったら、紹介してもらう予定の第一人者だった。仲介してもらう予定だった先生に伝えた時の微妙な空気よ…

背後から忍び寄る恩師

 そうこうしているうちにハッと後ろを振り返ると、数年前に定年退職された大学の恩師が私の背後のドアからご入場。振り返って先生の名前を呼ぶと、向こうもすぐに振り返ってくださり、挨拶を交わすことができました。今回はこの程度だったんですが、定年退職された先生と学会で会えるだけで奇跡のような出来事ですし、貴重な機会だったなと思います。
(この前に会ったのは、コロナ禍前のイタリア・ジェノヴァでの国際学会でした。このときは研究室の同期も2名ほどいたりして、プチ同窓会のような気持でした)

前方から押し寄せるネットワーク

 発表に対する質問をしたところ、前に座っていた大学の先生と意気投合して名刺交換したら、先月学会の委員会に勧誘していただきました。詳しいことは話せませんが、私がこれまで試行錯誤して悩んでいたことを、たくさんの大学の先生から学ぶことができるチャンスが生まれました。

結論:神は言っている

「お前仕事しろ」と……

 ここまでトントン拍子に進んだら、すぐアクションをするしかありません。すり減ったメンタルから精神的スタミナを絞り出し、隣に座っていた紹介していただいた第一人者の研究室を訪問して、ご挨拶程度でしたが技術的なディスカッションができて非常に有意義でした。
 また、先に述べた通り、なかなか一歩を踏み出せなかった委員会の仕事をいただけることになり、来年は忙しくなりそうです。
 そして、研究会の目玉イベントである講演会の後援者に選ばれた恩師には、本当はいろいろとお話したいこともあったんですが、引っ切り無しにいろんな方が挨拶に伺っていたので、今回は挨拶だけとしました。次に会える機会があるのかどうか、というところですが、なるべく足を運ぼうと決意しました。

さいごに

というわけで、たった2日間仕事に行く代わりに発表をたくさん聞いていただけ、のお話でしたが、現地参加で得られるのは発表だけじゃないと実感できたいい2日間でした。会社には行かないけど研究会は継続していこうと決意をしました。続くかどうかは、未定ですけどね。






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