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Big Apple Productionについて③

続いて「Big Apple Production Vol.Ⅲ('87)」。ヒップホップの古典である「Ultimate Breaks & Beats」ネタを多数収録したミックス。このVol.Ⅲを手本にスクラッチ&ミックスの練習をしたDJも多いはず。いわゆるBボーイ・ブレイクビーツ・ミックス。納得の選曲。

Funky For/The Mexican,Ester Williams/Last Night Changed It All Dazz Band/Dazz,Funkadelic/You'll Like It Too,James Brown/Funky President,Incredible Bongo Band/Apache,James Brown/Give It Up Turn It Loose,Babe Ruth/The Mexican,Bad  Bascomb/black Grass The Mohawks/The Champ,La Pregunta/Shangri La,Pleasure/Let's Dance,John Davis Orchestra/I Can't Stop,Jimmy Caster Bunch/It's Just Begun,Fab Five Freddy/Change The Beat etc,,,

今回もクレジットは、DJ Mix [Megamix, Uncredited], Mixed By, Arranged By – Ser & Duff Producer – Peter Duff。

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しかし、実際はミックスを担当したのはDJ DukeDisco Patrick Siteによれば、彼はデンマークからニューヨークへDJをするためにやってきた。その後、DJの営業でストックホルムを訪れた。そして、またニューヨークへ戻りDownstairs Recordsで働き出した。その頃にこのミックスを制作しリリースした。

しかし、DJ Duke本人コメントは少し違った。Facebookの本人コメントを意訳抜粋した。

私はダンス・ミュージックが好きでした。80~89年の間、ディスコ/ファンク/ソウル、、、そして、ヒップホップにかなり夢中になった。私はDJとして〈Club Mars〉の金曜日夜の(パーティー)〈Trip〉に訪れた幸運な人々のためにハウス、ディスコ、ヒップホップ、レゲエなどをプレイしました。

86年に私はストックホルムでDJをしていた。〈Swe-Mix(恐らくクラブの名前)〉で働いている2人の男性を紹介された。詳細はわからなかったが、彼らのスタジオに招待されてミックスを作成した。彼らと一緒に2トラックのリール・ツー・リールでその後「Big Apple Production III」になるものを作成しました。私は初期のGrandmaster Flash 「Adventures on the Wheels of Steel 」、Double DeeとSteinski「 Lessons」に近づけようとした。

私が(ニューヨークに戻り)Downstairs Recordsで働いていたとき、ジャマイカの大きな男が頻繁にブートレッグ・ミックスをドロップしていました。私たちは彼をジャマイカ・ジョージと呼んだ。彼はデカかったで。店で一緒に働いていたウィリーが彼に私が作ったミックスについて話したんだ。彼は「そのミックスをリリースするよ」と言ったと思います。

私は(ミックスの)エンディングを終えていなかったので、ロング・アイランドに行き楽曲を追加しました。それは、Jimmy Caster Bunch/It's Just Begun,Fab Five Freddy/Change The Beatだった。Change The Beatは標準的なスクラッチネタだったから収録したんだ。B面の Trouble Funk「Pump Me Up」は、当時みんなこのレコードを探していたので追加した。私はB面のJanet Jackson 「Think Of You」について、誰が作ったのか?どうして収録されたのかわからない。

話はそれるが、この曲については、しばらく謎だったが、Discogsのコメント欄にDanny Krivit自身がコメントしていた。

Janet Jackson / Bootsy's Rubber Band – Thinking Of You / Body Slam (Edit By Mr. K) Also has a bit of Alfredo De La Fé - Hot To Trot in it

話を戻そう。このレコード1987年の夏にリリースされた。ジョージは私に100ドルをくれたと思います。しかし、私が彼にギャラについて尋ねたとき彼は一度動揺しました、そして私の上司、ニックもそれについて彼に立ち向かいました(つまり、ギャラが安すぎる、もっとくれ!ということかと思われる)。同じ日だと思いますが、彼は自分のトラックに戻ったとき、駐車取締官がトラックを牽引していました。ジョージは気が狂って長い鋼鉄の棒を拾い、それをニューヨークの取締官の車に詰め込んだ。私が覚えているのは、そこに女性警官が到着しジョージは逮捕されました。彼がまだ生きているかどうかさえわからない。しかし、このミックスは多くのBボーイやメガミックス愛好家の間でクラシックになった。かなり誇りに思っています。もし、このミックスを聴いたことがなければこの機会に楽しんでください。

話が進みにつれスリリングな展開になっていったが、それがどこまで事実なのかは本人のみの知るところ。いづれにしてもこのミックスが多くのヒップホップ系DJの手本になったことは間違いない。続く、、、。


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