必ず眠れる子守唄/新井由木子
幼き頃、伊豆諸島の新島に暮らす祖母が歌ってくれたのは、こんな子守唄でした。
♪ねんねん、ねこの尻(ケツ)に蟹が這い込んでー
―1匹かと思ったら、2匹這い込んでー
―2匹かと思ったら、3匹這い込んでー
―3匹かと思ったら、4匹這い込んでー
以下、延々と蟹の数が増えていくのです。
子守唄特有の哀愁漂う節回し。添い寝して、リズムに合わせてわたしの身体を優しく叩きながら、歌ってくれたものでした。この歌が新島で有名なものなのか、それとも祖母のオリジナルなのかは、わかりません。