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新井由木子【思いつき書店】

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「思いついたことはやってみる」と言うのは、とあるおしゃれカフェの中の小さな書店「ペレカスブック」店主であり、イラストレーターでもある新井由木子さんです。世界文化社deliciou… もっと読む
運営しているクリエイター

#カフェコンバーション

指摘したって仕方ない/新井由木子

 世の中には「なすすべがない」ということが往々にしてありますが(思いつき書店vol.074 なす…

語尾がばっかす/新井由木子

 あれは、まだうら若き20代だった頃のこと。実家の2階にある自室で眠っていたわたしは、玄関…

インフルエンザはつらいよ/新井由木子

 その朝起きると、絵に描いたような風邪っぴき(重症)になってしまっていました。 「新井さ…

お友達になってください/新井由木子

 SNSには『友達申請』という残酷なシステムがあり、一日中悩んだ末に勇気を出して「友達にな…

鍵が無い/新井由木子

 カフェコンバーションの鍵が無くなりました。  鍵は通常わたしたちしか知らない秘密の場所…

太ってますよ/新井由木子

 先日、カオリさんという定期的にペレカスブックに絵本を選びにいらっしゃる素敵な方が来店さ…

眠気に勝つ/新井由木子

 あれはわたしが高校生の頃のこと。ある授業中にわたしを襲った眠気は、どうにも抵抗できないほどの凄まじいものでした。  それは物理の時間でした。教壇では先生が、ブラックホールの説明をしていました。  年配の男性の先生はとても小柄で、つるんとした顔に小さい目をしており、お話する声もとても小さいので、印象が薄く感じるのですが、よく観察してみると、頭髪は寂しくなっているのに耳からは逞しい毛がボサッと生えていました。一見、特徴が無さそうに見えて実は特徴があるというギャップが面白いのと、

昔、オシャレだった/新井由木子

 昔、今の半分ほどの年齢だった頃のこと。  渋谷を歩いていると、雑誌のカメラマンだという…

ボロ儲け/新井由木子

 草加のバル・スバルの女性店主(以下スバル)と、ある打ち合わせをしていた時のこと。スバル…

命の老眼鏡/新井由木子

 ペレカスブックにはいくつかのワークショップがあります。なかでも紙の工作のシリーズではマ…

お金さん/新井由木子

 お金って、いったい世の中のどこにあるのだろう?  しばしば、そんなことを思う人生を送っ…

客寄せの儀式/新井由木子

 お客さんが来ない!  天気が悪いわけでもない、近所に新しいカフェができたという噂も聞か…

コンバーションの眠れなかった夜/新井由木子

 わたしの営む書店ペレカスブックはカフェコンバーションの中にあります。  いつも自分のこ…

新井由木子【思いつき書店】vol.020 自己肯定の女の巻

 わたしの営む小さな書店ペレカスブックは、せんべいで有名な街の宿場町通りにある「カフェコンバーション」の中にあります。最寄り駅は、上野から電車で約20分、半蔵門線なら直通スカイツリーラインの草加駅です。  カフェコンバーションはぶ厚い『ほっとけーき』と濃くて苦い珈琲『おりじなるブレンド』にファンが多く、皆さんに愛されてもう14年も営業を続けています。 「おしゃれなカフェ」などと言われていますが、都会的な小綺麗さではなく、優雅にめかしこんだ店構えでもありません。古いものをかっ