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中澤日菜子【んまんま日記】

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この連載では、母、妻、元編集者、劇作家という顔を持つ、新進気鋭の小説家・中澤日菜子さんが、「んまんま」な日常を綴ります。
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2020年2月の記事一覧

イスラム横丁/中澤日菜子

「イスラム横丁」という場所をご存じだろうか。  東京の新大久保駅前から数十メートルにわた…

都市伝説/中澤日菜子

この連載では、母、妻、元編集者、劇作家の顔を持つ小説家であり、記憶力も素晴らしくいい中澤…

わが家の流儀/中澤日菜子

 どんなに長く付き合っていたとしても、結婚して初めてわかる相手の癖というか、育ってきた家…

食べこぼし/中澤日菜子

 大好きなくせに、わたしは食べるのがものすごく下手だ。具体的にどう下手かというと、異様に…

レトロ喫茶店/中澤日菜子

 告白しようと思う。  じつはわたしは喫煙者である。  ああっもうこの二行を書いただけで、…

男の友情/中澤日菜子

 敬愛していたお店があった。大好きなお店があった。 「あった」と過去形なのは、惜しくも二…

可能性/中澤日菜子

 わたしが就職活動をしていた九〇年代頭は、世に言うバブルの真っただなかであった。  今ではちょっと信じられないが、段ボール箱一杯の就職案内が毎日のように届き、面接に行くだけで交通費がもらえることもあった。四月、五月に内定(それも大手企業)が出るのはあたりまえ、数社受かって「どこに行こうか」と迷う友だちもたくさんいた。  それだけに企業側の内定者拘束も厳しくて、就職活動解禁日には、他社へ流れないよう旅行に連れ出されたりもした。こうなると「厳しい」を通り越して「オイシイ」拘束であ

におい/中澤日菜子

 食べものとにおいは切っても切れない関係にあると思う。  たとえば鰻。  暑い夏の夕暮れ、…

中澤日菜子【んまんま日記】#22 空耳

 空耳。あるいは聞き間違い。  かの『タモリ倶楽部』でながねん人気のコーナーでもあるが、…

中澤日菜子【んまんま日記】#21 ジビエ

 叔父の一周忌のため長野に行った。父、弟、それにわたしと夫の四人で行った。  長野は遠い…

中澤日菜子【んまんま日記】#20 放題

 世のなかには実にさまざまな「放題」が存在する。  いちばんよく目にするのは「食べ放題」…

中澤日菜子【んまんま日記】#19 オムライス最高!

 今回のテーマはオムライスである。  黄色いオムレツに包まれた、鮮やかな赤いご飯。そのう…

中澤日菜子【んまんま日記】#18 韓国編 最終回

 ソウル四日目、最終日。今日も朝から快晴だ。  泊っていた韓屋(ハノク)を出て、オンニの…

中澤日菜子【んまんま日記】#17 韓国編 その3

 ソウル三日目、今日も快晴。  今朝は日本でも人気の高いソルロンタンから始まりはじまり~。  牛骨やタン、内臓などを白濁するまでことこと煮たスープ=ソルロンタンに白いご飯、葱や白菜キムチ、カクテキなどのおかずがついた定食風。ソルロンタンにはお肉のかたまりも浮かび、さらに素麺まで入っている。これだけで朝ご飯にはじゅうぶん。でも白飯にソルロンタンをかけて食べると、これがまたいくらでも入っちゃうのである。キケン……  朝ご飯を食べながらRちゃんと作戦会議。かねてから行ってみたかっ