ウルティマオンラインのはなし3


今回はPKの話。

UOというゲームではとにかくPK(プレイヤーキリング、殺人)が横行していた。していた、と過去形なのは元々はPKでもなんでもありの1つの世界だったのが、2000年春頃のアップデートでトラメルという他プレイヤーへのネガティブな行為が一切不可能で安全なもう一つの全く同じ世界ができ、多くのプレイヤー達はトラメルに活動拠点を移すことになった。そのため、PK可の元々の世界(フェルッカ)は基本的には過疎り、獲物の減少と共にPKも減少していった。

その為、今回話すのはそれ以前のT2Aというバージョンでの話(だったと思う)。

昔のUOではどこであろうとPKが可能であった。かの人気アニメ「ソードアート・オンライン」の町中では、他プレイヤーへの攻撃は軽いノックバックが発生するのみだったが、UOでは攻撃もできたし殺害することもできた。基本的に絶対的な安全地帯というものはなかった。

街はNPC衛兵に守られていて、衛兵は犯罪現場で呼ばれると即座にテレポートしてきてどんなに強い犯罪者であろうと瞬殺する。逆に言えば呼ばないと来ないのである。現実に即した仕様なのかもしれないが、なんともポンコツである。犯罪現場の近くにNPCが存在する場合はNPCが自動で呼んでくれるが、いなければ自力でチャット欄に「guard」と入力するか、事前にguardと発言するマクロを組んでおきマクロのショートカットを発動させる必要があった。その為、街中であろうとNPCが少ない場所で放置していると殺されていることもあった。

PKとは一口に言っても色々な殺し方がある。ゲームを初めて数ヶ月経った頃の深夜、僕は森の中を走っていた。プレイヤーが設置している店を巡っていたのだったと思う。町の外とは言ってもレッドネームの名前が見えた瞬間に移動魔法を使えばある程度は簡単に逃げることができる。が、そのときはとある人里離れた場所に小屋を見つけ、すぐ近くに箱が落ちていた。初心者であった僕は不審に思うこともなく箱を開け、そして爆死した。

幽霊になって呆然と佇んでいると、ハイディングスキルによって隠れていた者が姿を表し、僕の死体を漁っていた。小屋の家主が罠箱を設置して獲物がかかるのを待っていたのだった。箱には専用のスキルで罠を仕掛けることができ、爆発だったり毒だったりを仕込むことができる。最高スキルの罠箱の効果はえげつなくて、基本的に育ったキャラでも即死、毒であれば数秒で死ぬ上に解除困難ときていてかかったら死ぬしかないレベルである。恐らく小屋の家主が罠箱を設置して引っかかる獲物を待っていたのであろうが、人が通るのかどうかも怪しい場所でよく待っていたものである。

まだPKに関して書きたい事もある気がするが長くなってきたので終わっておく。

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