ウルティマオンラインのはなし4

今回はまた家の話。善良な一般市民としてのプレイしかしてないのでそんなに面白い話もないんですよね正直。まぁUOと言えばハウジングだし、ハウジングに関して言えばこれまでにリリースされたオンラインゲームでUOを超えるゲームは出ていないからしょうがないといったところ。

UOではオープンワールドの世界の好きな場所に家を建てることができた。建築禁止区域とか細かいルールはあったものの、基本的には自由だ。昨今のゲームのハウジングと違って、家の中と外はゲーム的に繋がっていて、家の中にいても家の外から範囲魔法で殺したり殺されたりできるのが最大の特徴だと思う。オープンワールドの世界に建てるので当然と言えば当然だが、UO全盛期は基本的に慢性的な土地不足であった。

そんなハウジングコンテンツの一環として家の腐り待ちというものがあった。家は家主が一週間ほどアクセスしていないと消えてなくなる仕様で、中に置いてあるアイテム等は地面にバラ撒かれる。それを狙ってハイエナしにいこうというのが家の腐り待ちである。家が腐り落ちるまでには数段階の進行ステージがあり、最終段階になってから18時間前後が経過すると腐ったと記憶しているが、ランダムで5時間ほど誤差があったりと長時間張り付き必須の廃人向けコンテンツである。

本家サーバーでは時間的余裕がそんなになかったので腐り待ちはあまりやった覚えがないが、2010年頃にUOの非公式のエミュレーターサーバー(Hybrid鯖)というものが流行っていてそちらではある程度容易に腐り時間の把握ができたのでよくやっていた。

Hybrid鯖はUO T2A時代のフェルッカのみという仕様でPvP推奨の割とハードコアな仕様だ。当然家の腐りなんておいしいイベントにはPKがわんさか来る。海外サーバーなので日本人が少なく、こちらも徒党を組むというのは難しいし、なにより筆者がUOのPvPが下手くそという問題があった。そのため、常にHidingのスキルで隠れて赤ネーム軍団に紛れてアイテムを漁ったり、外人がアイテムを片付けた瞬間(建築予定地にアイテムが置いてあると建てられない)を狙って建築を狙って土地を横からかっさらったりしていた。下手したら本家よりも楽しい遊びだったかもしれない。

ある時、いつものように大きめの腐り物件を発見し、腐り時間も特定していた。が、腐る予定時間より少し前に赤ネーム達に見つかり殺されてしまった。ある程度あちこちで家をかっさらったりしていたので、外人達の警戒も厳重になっていたのだ。幽霊になってる間に物件が腐り、アイテムも土地も一旦諦める事にした。幽霊になってその場に留まり、外人達の作業を眺めていると、広い土地に最小サイズの家が建てられた。建築競争では広めの土地でも小さめな家を建てるのが鉄則だった。アイテムや低木等の障害で建てられないということを防ぐ為である。小さな家を立てて置き、後から大きめの家に建て替えるのである。

以前、別の物件で外人達が腐った家の立て直しを時間を置かずに行っていたのを見ていたので、またすぐに建て替えを行うだろうと踏んだ僕は一旦街に戻り準備を整えて現地にリコール(ドラクエで言うルーラ)してみた。すぐにハイディングスキルで隠れると、思ったとおり丁度建て替えの最中であった。空になった土地を横からぶんどり、得意げに、「いくらで買う?」と交渉スタートである。当然、外人はかなり怒っていたが相場より少し安く譲ることで承諾した。相手も家自体がほしいのではなく、転売して利益を得たいのである。家の取引ウィンドウを出すと、相手は袋に入れた小切手を出してきた。小切手の額は問題ない。が、袋に入っているということが問題で、小切手というのはブレス(Bless、祝福)属性が付いていて殺されても死体に残らないアイテムである。だが袋に入っている場合はこのブレス属性が働かないという仕様がある。外人は取引完了した瞬間に僕を殺す気なのだ。外人の思惑を察知した僕は取引を中止した、のではなく、完了させて即座にリコールの魔法で街に逃げた。銀行に小切手を置き、再度現地にリコール。Thank youというと殺されたのであった。

そんなこんなでエミュ鯖で一財産稼いで飽きてきた頃、僕には一つの目標があった。それは「腐り待ちを開催する」ことである。当時所有していた最大規模の広さの家にこれ見よがしにレアアイテムを設置し腐り段階をわざと進行させ、ギリギリまで人を呼び込み、腐る1時間前に回復、釣りでしたー!!という作戦である。元来の陰キャだが祭り好きというめんどくさすぎる性格でなのでそんな根暗なイベントを思いついてしまったのである。

大きい土地でアイテムも豊富な物件とあり、腐り最終段階まで行くとさすがに呼び込み等を行わなくても赤ネーム等がうろつき出し、活発に戦闘が行われていた。腐る数時間ほど前から首都の銀行前でゲート送迎での呼び込み等も行い、順調に人が集まっていった。むしろ集まりすぎて誰からも攻撃される可能性のある赤ネームが近づけなくなっている。そんなこんなで腐る直前まで引っ張り、家を回復させた。その時の様子がこちらである。UO関連の画像で残っているのはこれだけである・・・。

画像1

画像2

画像3

画像4

人が多すぎて赤ネームが近づけない上に、僕に罵声を浴びせながらも下手に攻撃すると犯罪者フラグが立ち、さらに第三者に攻撃される可能性があるので誰も攻撃できないという囚人のジレンマのような状態である。

そんなこんなで大盛りあがりしたイベントだったが、後日普通にゲームに飽きて家を腐らせてしまった。このイベントに集まったプレイヤー達はもうこなかっただろうけど、もう一度集まったピュアなプレイヤーはオイシイ思いをできたことでしょう。おわり

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