Romance 其の一
リーディングという作曲家、音大生とかならともかく、趣味でピアノだけを弾いている人には恐らく馴染みのない作曲家ではないだろうか。私もバイオリンを習うまでは全く知らなかった。バイオリンの教本では結構有名な人だそうで、そのリーディングの「ロマンス」という曲の伴奏をピアノで弾くことになった。
バイオリンの伴奏は以前に一度経験済みで、その時にソロではなく誰かと一緒に弾く楽しみを覚えてしまった。高校生の頃からバンドはやっていてその楽しみも知っているはずなのに、なぜかクラシックではピアノは一人で弾くものと勝手に決め込んでいたから不思議。そうやん、アンサンブルあるやん!と今更ながら気づいたのだ。室内楽の曲は好きなのにね。
ただ、これまではピアノもバイオリンもずーっと個人レッスンだった為、先生以外の誰かと知り合うきっかけが無かったのだ。音高や音大でも行ってたら室内楽の授業もあるらしいし、いろんな楽器を演奏する人たちが周りにたくさんいるだろうけど、ただの趣味で習っている個人レッスンだとそんな出会いは無い。皆無。そんな孤独な私に、音楽教室で受けた合奏のレッスンでついにバイオリン仲間ができたのだ。
その仲間達と7月にある教室のイベントに出演が決まった。最初は私もバイオリンでの参加だったのが、ピアノ伴奏者がいないということで私が弾くことになった。私としてはバイオリンでもピアノ伴奏でもどっちでも構わない、とにかくみんなと一緒に演奏ができれば満足なのだ。
そんなに高レベルの集まりではないので、ピアノの伴奏もラヴェルの曲に比べれば短期間で弾ける程度。とはいえ、呼吸を合わせる難しさはあるので、その辺はみんなと集まって要練習だ。その練習がまた楽しくて、色々と意見を出し合いながら曲が完成されていく過程がたまらなく好きだ。一人で黙々とピアノを練習するのもそれはそれで楽しいけど、また違う種類の楽しさがアンサンブルにはある。掛け合いだったり、ユニゾンやハーモニーがピッタリ合った時の気持ちよさは格別。
というわけで、2曲を同時進行することとなった。バイオリンの個人レッスンの練習もしないといけないし、まあまあ忙しいな。