見出し画像

私の再受験体験記。

0.おことわり

・私の主観、記憶が入るのと、個人情報を保護するため、大学名や点数等はあえてボカして書きます。最新の入試情報とは異なりますので、ご注意ください。

1.再受験当時の状況

・高1~高2:理系在籍(物理・化学選択)
・高3:文転。文系在籍(日本史・地学選択)
・高3受験時:志望していた国公立大学は受からず。浪人を決める。
・一浪受験時:センター利用でMARCH相当の私大(経済)に入学。
・休学時:心身の不調から、休学。理転。理系保健学部への再受験を決定。

理系保健学部への再受験を決めたのは、親の勧めがあり、国家資格を持って働く職業に就くことで、失業する恐れが無いのではないか、という点でした。既に高校卒業してから何年か経過していたためというのもあると思います。

2.再受験時の志望大学

センター:2次比率=900:600
センター比率:77%
2次試験科目:英語、数学(IIBまで)、化学・生物
2次合格最低点:240(4割程度)

理系学部・学科の難易度は医>>歯・薬>理・工>農>>保健(看護以外)>>保健(看護)だと思います。保健(看護以外)と保健(看護)が下位にくる事だけ理解して頂ければと。
再受験時の志望大学はセンター:2次比率が3:2で、センター比率が77%なので、地方国公立上位理系~旧帝大下位理系に相当していたかなと。
センターの方が2次試験よりも高く、センターで高得点を稼いで2次に備える「逃げ切り」型の戦略が有効でした(注1)。
戦略としては、とにかくセンターで高得点を稼ぐことを目指しました。目標点数としては7教科合計82%でした。それによって、2次で取るべき点数を最低限に抑えることが可能になるため、2次試験対策を後回しにしてでもセンター対策をしっかりやりました。
合格最低点を始めとした、大学入試情報はKei-netで閲覧できます。予備校の河合塾が運営しているサイトなので、正確さは期待できます。2次試験の点数に対して、合格最低点が異様に低かったことも、今回の戦略を立てる上で有利に働いたものと思われます。

3.再受験開始時の実力と目標点数

(センター) [開始時の実力]→[目標点数]
英語R:8割安定→9割以上
英語L:9割安定→満点
国語(現代文):6割~7割→対策せず7割維持
国語(古文):5割~6割→7割
国語(漢文):8割~9割→満点
数IA:4割~7割→8割
数IIB:3割~5割→最低限の対策をして4割維持
地理:8割安定→9割
倫政:8割安定→不使用
化学:(うろ覚え)→8割
生物:(未履修)→8割
地学:8割安定→不使用
合計得点(文系7教科):7割後半
※(注2)(注3)

(2次)目標点数
英語(配点:200)→8割(160)
数学(配点:200)→2割5分(50)
化学(配点:100)→5割(50)
生物(配点:100)→5割(50)

再受験開始時は数IIB、化学がうろ覚えの状態で、生物が未履修の状態でした。現役時代から苦手としていたセンターの数IIBは、センター用に特段対策しないことにし、「捨て科目」として扱いましたこれは、センター・2次の合格最低点から逆算した結果が分かっていたための戦略です。

とにかく化学生物をほぼ0から上げる必要があったため、センター対策の参考書で勉強しました。

4.結果

上手く戦略がハマったのと、センターで望外に点数が獲れたのもあって(英語・数IA・地理・生物が過去最高点)、2次試験に余裕を持って臨むことができ合格しました。苦手な数学でほとんど点数を取らなくて良かったので。

5.各教科の勉強法など

英語:共通テストになると発音・アクセント・文法問題が消え、分量の多い長文を限られた時間内にこなす速読力が求められるので、英文和訳や和文英訳(それも精訳)をやるよりは、英文を読みこなす力が必要なのでは無いかと。そういう点では、日頃から英文に触れて速読力を上げる練習をした方が良いのではないかと思ってます。

上のサイトで1分間に読める単語数を測定することができます(wpm=word per minute)。やり方は、50%の理解度を目指して一読し、「読み終わり」を押します。「読み終わり」を押した後も問題文は表示されるので、続いて表示される設問を解きます。共通テストでは150wpm必要とされています。

オススメの共通テスト対策の参考書は無いですが、あえて言うなら「速読英単語」で1日1文以上を目安に、時間を計測して読む癖をつけた方が良いのではないかと。私は元々英会話の経験があり、英文に触れてきているので、普通の人よりは読めます。

国語(現代文):「田村のやさしく語る現代文」が基礎の理解に良いのではないかと思います。語り口が丁寧で分かりやすいです。

国語(古文):これも基礎からの本になりますが、「歌で覚える古典文法・文学史」がオススメです。もう苦手でどうしようもない人に使って欲しいです。単語帳は400以上の単語量があるものなら良いのではないかと。

国語(漢文):「漢文ヤマのヤマ」が定番で、1冊完成させるだけで実力がつくと思います。

数学:自分が言う事は何もありません。苦手意識が強い科目です。

地理:代ゼミの映像授業の武井先生にお世話になりました。冬季講習で受講したところ、とても分かりやすい授業で目から鱗が落ちる思いを何度もしました。ただ、最後まできちんと地理の知識で解くというよりも、自分が持っている知識の類推から選択肢を消去して解いていたため、悪く言えば勘に頼る解き方をしていたと思います。

化学:代ゼミの映像授業の亀田先生にお世話になりました。色鉛筆を使った授業等、直感的に分かる授業で、苦手だった有機分野が分かるようになりました。

生物:代ゼミの映像授業の大堀先生にお世話になりました。
センター対策の参考書(今だと黄色本)を使用したのと、こちらの参考書を辞書代わりに使っていたと思います。

6.合格後について

合格後は1年次の基礎教養科目を履修して行ったのですが、専門科目、特に実験や実習時にやり方が分からなくなり、苦手意識を持った事もあって、自分には向いていなかったのではないかという意識が強くなりました。また、心身の不調もあり、再度休学後、退学を決めました。

やはり、共通テスト8割レベルまで化学・生物を上げたと言っても、付け焼き刃にしかならず、実験や実習をやる上で必要な知識や経験をつけられなかったのではないかと思っています。苦手としていた数学も、進学後を考えてもう少しきちんとやるべきでした。そういう点では、入試には勝っても、進学後までは勝てなかったと言えると思います。

今はまったく別の分野で働いています。

7.文転・理転について

私は、高3時に文転、再受験時に理転を経験した訳ですが、理転の方が発展理科を2科目独学でやらなければいけないのと、理系数学まで必要とされるので、負担はかなり重いです。文転であれば、地理選択であれば共通テストで地理が使える大学にすれば、後は公民科目のみ独学すれば良いですし、世界史・日本史選択であれば科目選択に制限がかからない訳で、そこまで負担にはならないと思います。

ただ、やるとすればの話なので、理想を言えば、高1~2の進路選択前に、進路情報を調べて、文系か、理系かを確定させておいた方が良いのではないかと思います。

8.注釈

(注1)センターの1点と2次試験の1点は同じ価値で、合計得点で合否が決まります。そのため、センターが2次試験よりも高い比率の場合は、高得点を稼ぐほど2次試験で要求される得点が少なくなります。センター(共通テスト)が2次試験よりも多い受験方式は、旧帝大よりも下位の大学でよく見られます。
個人的には、地方国公立大を受験する学生は、まず共通テストで高得点を稼ぐ必要があると思うのですが、毎年「共通テスト失敗した」という声が聞かれます。ボーダー程度の得点を取りに行って満足している学生は、より難度の高い2次試験で点数が取れないので、そもそもの目標とした点数が間違っているのだと思います。

(注2)文系を選択する場合、世界史か日本史かは必ず選択すると思いますが、高2まで理系だったので、地理・現社(倫政)の組み合わせでした。新課程もあるので、最新の情報は分かりませんが、文系で歴史を選ばず地理選択にするのはリスキーでした。

(注3)文系で理科2科目にしていたのは、第1解答科目と第2解答科目の高得点採用があったからだと思いますが、あまり覚えていません。科目選択の制限は無かったはずです。