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#1 もしも夢が叶うなら・・映画の行ってみたい舞台を語る by de la chick Boys
「もし、映画の舞台に行けるとしたらあなたはどこへ行きますか?」
そんな夢みたいな問いにde la chick Boysが挑みました。
リレー形式で行うこのコラムの第一弾としてお楽しみください♪
■フクロウのキス
skitkr
映画は監督の脳内映写機を我々の瞳に映し出す大衆文化であり、バックボーンや人となりを知れる存在だと思います。
そんな映画の舞台に行ってみたいと思う場所は沢山あるのですが、近年観た作品で「憧れもあり、様々なカルチャーがあふれ、そのすべてが面妖」として、記憶に残っている地域があります。
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以前のコラムにも書いたのですが、
本国アメリカよりも早く日本公開しためずらしい作品で個人的に好きな一本です。
陰謀、都市伝説、ポップカルチャー等のちりばめられた点と点が線になったときに全てが理解できる作品。と、思ったら大間違い。
僕が観ていたものは、主人公サムが妄想したことさえ現実世界と一緒くたに映し出されていたのか?と思わせるほど、理解するのが到底難しいです。
いつ観ても、自分の理解度最低到達点にはなかなか達成しない「いわくつき」な映画ですが笑(こういう変な映画を理解するというより、漠然と画面の中で行われていることに興味を持っている自分の姿勢が好きなだけかもしれませんが。。)
そこで舞台となっているシルバーレイクと周辺。
暗号や謎というSF(ロバート・ミッシェル風の少し不思議)が混ざり合ったLAの一画は、お洒落で若者のトレンド(ヒップスター)がいる中、その渦に見え隠れするドス黒い闇との共存がとても刺激的に感じました。
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主人公サムが住んでいる部屋。
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すごく良い部屋。。。
夢をもってLAに来るも、無職で家賃滞納中。
そんなサムには勿体なさすぎるくらい良い部屋ですが、夢も希望もないような中途半端すぎる生活に自己投影してしまい、「やる気はありそうだけど、行動が伴わないだけの自分にはリッチな部屋」と謎の優越感が生まれダメ人間の再確認をさせられました。(こういう歪みも本作のテーマなのかなと。。。)
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そして、今作が悪魔版ラ・ラ・ランドと宣伝されていましたが、どちらもグリフィス天文台で撮影されていることが要因のひとつだと思います。
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夢を追いかけてほんの僅かな人が叶えるラ・ラ・ランド
あるべき人生の失敗編を彷徨するアンダー・ザ・シルバーレイク
ミアとセブが素敵に輝けば輝くほど、サムのサブカル探求心もまた際立ってみえる表裏一体の2作。
個人的には同じ世界線だと思っていて、
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実際にアンドリュー・ガーフィールド(サム)がエマ・ストーン(ミア)と付き合っていた事実も、この世界線のどこかであった話と考えると妄想がとまりません。
あらゆる謎をサブカルに落とし込み、無限の考察時間を与えてくれる本作。
ロサンゼルスという煌びやかな都市は、闇にうごめく秘密があるからこそ成り立っているんでしょうか。
サタニストである高橋ヨシキさんが今作にコメントしている言葉が全てだと思います。
「ハリウッドは今なお、地獄と直結しているのである。」
skitkr
■いざ!行け!パリへ!
マツハシユーキ
そう、パリ。
フランスの歴史ある建造物が並ぶ、映画でも舞台になればその美しさに見惚れてしまうような街。
そしてパリの中心からやや外れにあるモンマルトル。
そう、アメリ。
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私が今更名前を上げるまでもなく、たくさんの方が話題にあげ、こすれにこすれてツヤツヤな玉になってるんじゃないかという舞台、モンマルトル。でも話したい。今回のテーマは行ってみたい映画の舞台、という話で記事を書こうとなっている。実は私はフランスを訪れた際、モンマルトルに寄りたいなと思っていたが右も左もわからないフランス。どこの区に何があるかもあまり把握しておらず時間の都合で寄る事が出来なかった。これは人生の一つの後悔である。面白そうだからといってサッポロラーメンの店に入ってフランスに来たのにラーメン食ってる場合ではなかった。
カフェ・デ・ドゥ・ムーランでブリュレを腹一杯ぶち込みたい!(ぶち込むものではない)
サンマルタン運河で平べったい石を投げて水切りしたい!(流石に倫理上無理か)
この夢は人生のこの先にあるかもしれないのでとりあえず楽しみにとっておく。
行ってみかった場所で叶った場所もある。
ビフォア・サンセットで出てきたセーヌ川のクルーズ体験だ。
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そう映画は本屋シェークスピア・アンド・カンパニーから始まり、なんやかんやでセーヌ川に辿り着く。(そのなんやかんやの会話劇が非常に良いので見た事ない方は見てみましょう)
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これだけは絶対だと思って行ったとこもある。フランスはとても雑多な街で、とにかく活気があった。クルーズから見たフランスの歴史建造物はもとより、人の活気がすごかった。特に印象深かったのは、セーヌ川沿いでおそらく60〜70歳くらいであろう老夫婦がチークダンスを踊っててそれを囲んで老若男女が皆わいわいとしながら見てる。
その光景がまさに、映画だった。
もし叶うならば自分が年老いた頃にもう一度あの場所に行きたい。
それ程に鮮烈な光景でした。
余談になりますが、ダ・ヴィンチ・コードに出てくるモナ・リザもパリのルーヴル美術館にあり、それはそれは最奥の部屋にラスボスのように待ち構えています。
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美術館が広すぎるためかなり歩きます。
やっとの思いで辿り着いても人で溢れていて、もし彦摩呂さんがいれば「モナ・リザのバーゲンセールや〜!」と言わんばかりにモナ・リザの前に人がいるので人に揉まれながら見る事になります。
とにかく、パリを舞台にした映画は多く一日・二日でまわるにはかなり厳しいものがあるので今度もし行ける機会があるならば本当に数日かけて行きたいなと思う今日この頃。
まだ行けていない場所も含めて何度でも行きたくなる魅力がパリにはあるのかも知れませんね。
マツハシユーキ
■コンビニの窓に映る景色へ
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タケオ
どうしようも無く暇な休日の昼下がり、コンビニに寄って雑誌の棚を眺める。特に目的もなく眺める。NumberやPOPEYEの特集をざっと確認した後、買うつもりなんて全く持ち合わせず手に取る雑誌。
それは、「タウン誌」(Porocoとかね)。
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もちろん、Porocoは毎月買います!なヘビーユーザーの方がどこかに居るのは百も承知だが、僕にとってタウン誌は前述した工程で、3ヶ月に1回ほどのターンで買いもせず、ただ3、4ページほど眺める雑誌だ(本当に失礼だが、仕方がない。あと、立ち読みは基本しませんのであしからず!)。今まで生きてきて、デートだの旅行だのにこの手の雑誌を真剣に読んだことは一度もないのと、「あ、ちょっとPoroco欲しいからコンビニ寄っていい?」と言うシチュエーションに出くわしていないのも、その思想に拍車をかけている。ぼちぼち一体何の話だ、とクレームに発展しかねない所まで来たので本題に移す。タウン誌は一時的に忘れて頂きたい。
「映画の行ってみたい舞台」
PCの前に座り、Spotifyでニューリリースのリストを適当に流しながら(Lizzo,PNAUの2Be Lovedが流れだした)、今回のお題について考えているのだが、現時点、正直まだハッキリと方向性は見出せていない。
「映画の舞台で行ってみたいところ」。夏にこのお題を最初に聞いた時は「おお、楽勝じゃん!」と、完全に高を括っていた。しかし、時が経つにつれ、秋になり、そんな余裕は無くなってきた。
これって中々の難題ではないか!?
この問いに大方の人は、先ずフェイバリット映画を思い浮かべるだろう。そうなると、僕の場合、『ブレード・ランナー』や『アラバマ物語』『フォックス・キャッチャー』・・って事になるのだが、ちょっと待ってくれ、映画は好きだけど別にあの酸性雨が降ってジメジメした薄暗いロサンゼルスや差別が蔓延る30年代のアメリカ南部、陰気の総本山みたいなデュポン家の邸宅になんか・・
行きたくはない!!
そうなってくると、迷宮入り確定だ。
『メッセージ』(2016年・監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ)
いやバカウケUFOが上空を占拠するとかキツいっしょ。
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『スター・ウォーズ』(1977年・監督:ジョージ・ルーカス)・・タトゥイーンとか、すぐストームトルーパー来るし、そもそも治安も悪いし民度も低そうだし危ないよ〜。
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『悪魔のいけにえ』(1974年・監督:トビー・フーパー)・・グランパ勘弁!あんたらの家になんか絶対にお邪魔したくないぞ。
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どうやらフェイバリット映画=「行ってみたい映画の舞台」とは限らない事がわかってきた所で、考え方を変えることにする。
ここでようやくこのコラム冒頭の記述の全貌が明らかになる。
そうだ、タウン誌感覚だ。
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札幌がもっと好きになる。おいしく、楽しく、札幌女子のためのWEBサイト
https://www.poroco.co.jp
その映画への思い入れや、良し悪し、は一先ず置いておいて、単純に、
曰く札幌女子的な感覚(タウン誌では珍しくもないが’札幌女子のための’と限定する価値観は全く理解できない)で「わ〜素敵な場所だな〜」と、昼下がりのコンビニと同等のテンションで「映画の行ってみたい舞台」を考えれば良いのである。
そう決まれば話は早い。
タウン誌をペラペラめくる感覚で見ていただければ幸いだ。
『旅するジーンズと19歳の旅立ち』2008年・監督:サナー・ハムリ
ロケ地:ギリシャ・サントリーニ島
”圧倒的なロケーション力!ギリシャが誇る美しい島。映画もキュート。
この島でチル出来る日を求めて・・・”
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『藍色夏恋』2002年・監督:イー・ツーイェン
ロケ地:台湾
”グイ・ルンメイの輝き、駆け抜ける自転車、真夜中のプール。台湾の街並に 浮かんでは沈む太陽。行ってみたい、と言うか、戻りたいと言うべきか”
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『ハイ・フィデリティ』2000年・監督:スティーヴン・フリアーズ
ロケ地:シカゴ(のレコードショップ)
”気ままに自分好みのレコード店を経営し、そこに集まる愛すべき社会不適合者 とああでも無いこうでも無いと言い合う日々。家に帰れば想いをよせる相手に
ミックステープを作り、その恋が実ったり実らなかったり。
そんな最高な人生、あるだろうか!!!!”
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僕が編集長を務めるシネマ・タウン誌(そんな物があったら見てみたい)における「札幌女子オススメ!ムービージャーニー特集」巻頭はこんなラインナップだ。
他にも『ソウル・キッチン』(2009年・監督:ファティ・アキン)のレストランにも行ってみたいし、『ピアノ・レッスン』(1993年・監督:ジェーン・カンピオン)におけるニュージーランドの海岸、『コロンバス』(2020年・監督:コゴナダ)のモダン建築を巡ってみたいし、『ハートストーン』(2016年・監督:グズムンドゥル・アルナル・グズムンドソン)で観られる美しいアイスランドの自然も堪能したい。
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と、ここまで書いたところで、お腹がすいてきた。
今日は休日。でも、特に予定は無い。
近所のコンビニでも行こうか。
タケオ
■記憶を呼び覚ますスイッチ
竹田
映画の行ってみたい舞台。
このお題をもらってから日々ぼんやりと考えてはいたのですが、タケオさんと同じく正直僕も全然浮かんできませんでした。こういうのってたくさんありそうで、意外とないものなんですね。
悩みに悩んだ結果、僕が出した答えはこちらです。
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ここはスタンド・バイ・ミーで少年たちが冒険の道中忍び込んだクズ鉄置き場です。
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ここが僕にとっての一応の「行ってみたい舞台」です。
別になんてことない場所なのですが、なぜここがそうなのかを頑張って説明したいと思います。
スタンド・バイ・ミーは大好きな映画で、今まで3回くらい見ているのですが、このシーンが来るたびに、記憶の片隅をくすぐられるような感覚になります。
それはなぜかと言うと、自分の住んでいた地元の雰囲気を感じるからだと思います。
僕の地元はかなりの田舎で、自転車でちょっと山道へ走るとこんな感じの場所はいくらでもありました。
夏に自転車であっちこっちと体力が尽きるまで、友達と色んな場所に行った記憶があります。今思うと子供が遊ぶにしては危険すぎるな…という場所も結構ありました。一度落ちたら二度と上がってこれなさそうな、柵も何もないむき出しのダム?がある工場跡地みたいなところが特に危なかったと記憶しています。子供はアホだから、そんな危ないところでも何も考えずに鬼ごっこしたり、かくれんぼしたりします。30メートルくらいの高さのダムの下に向かって足を投げ出し、前のめりに座っている友達を見たときはさすがにちょっと引きました。
そういえば僕もここで遊んでいたとき、落ちていた空き瓶を何を思ったのかコンクリートの壁に思いっきり投げつけて、その割れた破片が膝に当たって怪我をしました。自分もアホでした。
下手したらあのダムに落ちて死んでいた可能性も全然あります。無事で本当に良かったです。
子供時代、楽しく遊んでいた裏で、実はめちゃくちゃ死と隣合わせだったんだなと今になって思います。
そういえばスタンド・バイ・ミーの冒険もめちゃくちゃ危険でしたよね。
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冒頭で紹介したクズ鉄置き場のシーンは、そんな子供の頃の記憶を呼び覚ますスイッチとして、僕の中ではある意味「理想の舞台」なんだと思います。
でも、あそこには放し飼いの凶暴な犬がいるからやっぱり行きたくはないです(笑)
竹田
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