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「ウマ娘にはタブー?金子オーナーと三冠牝馬アパパネ」-ウマ娘化されていない名馬列伝-オークス特集[投げ銭式]

お疲れ様です。De:Lです。

今週は樫の女王決定戦。三歳牝馬最強を決める優駿牝馬オークスです。

出走メンバーは以下です。

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ウマ娘と共に第5次競馬ブームを牽引する世界初の白毛G1馬ソダシが出走。

注目の一戦というに申し分ないメンバーでしょう。

さて、今回はこのソダシ、そしてアカイトリノムスメに関係してきますが、第3代三冠牝馬アパパネとその馬主金子真人オーナーのお話しです。

-ウマ娘化されていない名馬列伝-
本シリーズ記事は、ピックアップされたG1レースやハイレベルG2に過去の出走した馬たちのなかから、話題性に富んでいたり、多くのファンに知ってほしい名馬についてちょっとだけ踏み込んでお話しする記事です。なお、ここでお話しする名馬たちを選ぶ条件の一つに”ウマ娘化されていない”があります。ウマ娘で競馬を初めて知った人にもぜひ競馬について知識を増やしてほしい思いで書いています。また本記事は投げ銭式になっております。全文無料で読むことができます。もし気に入っていただけたならぜひ購入して投げ銭をお願い致します。


1.ウマ娘と金子氏

皆さん、金子真人オーナーをご存じですか?

ある程度競馬を知っている人なら、超有名な個人馬主なので必ず一度は目にしたことがある名前でしょう。

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(写真一番左の方 金子真人)

実はウマ娘の話をするときにもこの人は登場しますw

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ウマ娘の原案段階で机上に挙がっていたこちらの二人のウマ娘。なんとPVにすら出ていたのに、いざ本格デビューすると一切見なくなった、つまり廃案となった二人です。

ですが、噂ではこの二人はディープインパクトとキングカメハメハなのではないかとの話がでています。この2頭ともに金子オーナーの所有馬ですね。

なぜ実際にウマ娘としてゲームやアニメに登場することができなかったのか。

それは

”金子真人オーナーが拒否している”

と結論付くのでは?と掲示板などで話がされています。

ウマ娘は実際に存在した競走馬をモデルにしていますが、何頭か、絶対出てるでしょ!ってくらいのアイドル馬なのに登場していない馬がいますね。

それらの馬達の多くは馬主の許可が取れていない場合がほとんどです。

ディープインパクトやキングカメハメハ、アパパネなどの超有名馬でも馬主である金子オーナーがNOと言えばNOなのですw

しかしこの金子オーナーは本当にすごい方でして、、、

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所有馬を総獲得賞金でソートすると、

・史上2頭目の無敗三冠馬”英雄”ディープインパクト
・ディープと同期でダート馬”砂上のイナズマ”カネヒキリ
・引退後のディープのライバル”大王”キングカメハメハ
・史上3頭目の三冠牝馬”紅鳥”アパパネ

これに加えて現役馬も、ダービーを制しているマカヒキとワグネリアン、そして渦中のソダシ。

この方は馬を選ぶときに、”目で決める”といいます。

「おまえに馬が分かるかと決めつけられればそれまでだけど、私も競馬にはまって、だんだんと深みにはまった。わからないことをわかろうとしたいというのが深みで、そうでなければつまらない。目のいい馬は案外見つけづらいんです。ところが、目(目つき)の悪い馬はよくわかる。そういう馬はどんなに血統や馬体が良くても手を出しません。馬を見るときに気を付けているところをしいて挙げるなら「"目"」ですね」

とにかく、日本競馬の歴史を語る上で、この人を無しにはできない偉大な馬主さんです。


2.アパパネと金子氏

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赤い鳥である”アカハワイミツスイ”を英語で訳したアパパネという名前をもらったこの馬は、父キングカメハメハ母ソルティビッド母父ソルトレイクという血統背景を持ちます。

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このアパパネと金子オーナーの出会いは、その母ソルティビッドから始まります。

アメリカで生まれたソルティビッドは日本に輸入され、セールで金子オーナーが買い取ります。現役時こそたった3勝しかできませんでしたが、のちに繁殖牝馬として3冠牝馬を出産することになります。

そして生まれたアパパネ。

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3歳クラシックを3つとも勝ち、三冠牝馬となる馬が金子オーナーのもとに誕生します。


3.幼少期から3歳

幼少期のアパパネは人懐っこく、厩務員さんによく甘えていたそうです。

しかし、特別ダメな人間がいて、それが装蹄師さん獣医さんです。

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特に獣医さんは噛み癖などなかったはずのアパパネに何度もかまれた模様w

2歳(2009年)の5月に美浦の名門国枝厩舎に入門、調教助手佐藤勝美さん、厩務員福田好訓さん、の万全の態勢でデビューを待ちます。

そんな中でもこの厩務員の福田さんとは仲良しだったようです。

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(オークスのアパパネと福田氏)

ただ3歳の秋ごろになると、一気に大人びて甘える時間も少なくなり、寝る時間が多くなったそうです。

本来競走馬は牧場とトレセンを行き来し、競走馬としてのオンオフを切り替えると言われています。

しかしアパパネは環境によらずオンオフを作ることのできる競走馬と言われていまして、長期間をトレセンの調整で過ごし、よく寝てよく食べる女の子でした。(寝すぎて調教の時間に起きてこないなんてこともwww)

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(国枝厩舎で寝るアパパネ)

多くの競走馬はトレセンに戻ってくると戦闘モードになり、食事量も大きく変化することもあったようです。

特に栄養を豊富に含む燕麦は調教を重ねると内臓が疲れていき、なかなか食べなくなるのですが、アパパネの場合は、むしろ燕麦を積極的に食する馬で2400mも容易に走りながらマイルもこなす雄大な馬体につながったと言われています。

ただそんなアパパネもごはんを残したことがありました。

それが今日行われるオークス前です。

おそらく調教量が増えていったことから、長距離仕様にしなくては馬が察し、自分で体を変えようと食事量を制限したのではないかと言われています。

主戦ジョッキーであった蛯名ジョッキーもオークス前の体の変わり様に驚いたそうです。

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結果はサンテミリオンとの同着。

素晴らしい根性を見せあった好レースでしたね。


4.古馬~

古馬になったアパパネは3歳のラストランであるエリザベス女王杯から休暇明けで臨んだG2マイラーズカップで大敗してしまいます。

3冠牝馬でありながらG2で負けてしまったことは本当に残念で、最悪といっていいスタートを切ります。

元来、牝馬は難しい気性を持つことが多く、休養明けで全く走らなくなるなんてことも珍しくありません。

4歳になってアパパネは終わったのではないかと囁かれるようになります。

そんな中迎えたG1ヴィクトリアマイル。最強のライバルが立ちはだかります。

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ブエナビスタです。

スペシャルウィークが残した名牝ですね。

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人気はブエナビスタが1.5倍と断然の1番人気。アパパネが少し離れて2番人気で追います。

レースは逃げ馬が比較的淀みない流れを作ります。先行したアパパネが抜け出し、外から差してきたアパパネを首差で抑えて勝利します。

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まさに意地の勝利と言っていいでしょう。

東京でも圧倒的な力を持ち、名牝中の名牝であるブエナビスタを首差で抑え切った走りはファンの心を揺さぶりました。

当時最強牝馬のブエナビスタと3冠を引っ提げてやってきた新星のアパパネ。

本当に素晴らしいレースでした。

その後もレースに出続けますが、ここで力を出し切ったのか、以降は勝利を挙げることなく、5歳の春の安田記念で引退します。


5.まとめ

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可愛い表情を見せるアパパネ。いかがだったでしょうか?

今日のオークスにはアパパネの娘のアカイトリノムスメが出走します。

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アカイトリであるアパパネのムスメである同馬がアパパネが勝利したオークスを同様に勝つことができるのか、オークス母娘制覇があるのか、注目です。

もちろん所有は金子オーナー。

同馬主を持つソダシとの闘いはどうなるか見物ですね!!!

では今週のオークスも楽しみましょう!

ご一読ありがとうございました!


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