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『夜明けのすべて』映画感想

Netflixで配信がはじまりました
瀬尾まいこさんの小説を映画化した
三宅唱監督作品『夜明けのすべて』感想です
ネタバレありますので、まだ見ていない方はご注意ください!!


はじめに


いままで生きていて
どうしていいのかわからない時が何度かありました

そんなときに、何かに必要とされると
少し、救われたような気分になった時の事を思い出しました

 誰かと共有したところで
解決できない闇
 
消せない苦しみ
悲しみ
喪失感
誰しも、なにかしらの想いを抱えて
生きているのかもしれない
 
考えないようにして
自分の中に、しまい込んだ場所に
今作「夜明けのすべて」は触れてきた
 
 

あらすじ
 


栗田化学という化学工作玩具を製造する会社で働く
藤沢さんと山添くん

隣の席で仕事をするふたり
はじめは特に仲が良いわけではなかった

上白石萌演じる 藤沢は、月経前症候群(PMS)
松村北斗演じる 山添パニック障害抱えていた
やがて、藤沢と山添は少しずつ親しくなっていく
そして 
移動式プラネタリウムの解説担当になったふたり
会社の倉庫で見つけた
30年ほど前プラネタリウムの音声テープ
ノート参考にして、プラネタリウムの解説を考えた


小学校の体育館で行われたプラネタリウム
開催日当日を迎え、順調に進んでいく

 光石研演じる 社長の弟が残した
夜についてもメモ

そのメモを藤沢が読み終えたところで
プラネタリウムは終了となる
 
藤沢は退職して、親の介護をするために実家に帰り地元で就職
山添は今も栗田化学で働いている
 
こんな風に物語は流れ、終わっていく
 

衝撃的な、何かが起こるわけではない

夜になり、また日が昇るように
物語は進み、光の幕を閉じる
 

夜についてのメモ
 


解説を藤沢が、その原稿を山添が担当した
移動式プラネタリウム
 
プラネタリウムの準備を進める中
山添が会社の倉庫から見つけ
カセットテープとノート
 
テープには、30年前のプラネタリウムの音声が録音されていました
亡くなった、社長の弟さんが解説を担当していました
 
ノートには社長の弟さんが書いた夜についてのメモ」がありました

 
社長階段に座って
亡くなった弟さんの事を想っているのだろうなというシーンも
ジーンときました

プラネタリウムで藤沢が読んでいた
夜についてのメモ」がこちら ↓ ↓

夜についてのメモ

「夜明け前がいちばん暗い」
これは、イギリスのことわざだが
人間は古来から
夜明けに希望を感じる生き物のようだ
確かに、朝が存在しなければ
あらゆる生命は誕生しなかっただろう
しかし、夜が存在しなければ
地球の外の世界に気づくこともなかっただろう
夜がやってくるから
私たちは闇の向こうの
とてつもない広がりを想像することができる
 
私はしばしば
このままずっと夜が続いてほしい
永遠に夜空を眺めていたいと思う
暗闇と静寂が 私をこの世界につなぎとめている
 
どこか別の街で暮らす誰かは
眠れぬ夜をすごし
朝が来るのを待ちわびているかもしれない
しかし、そんな人間たちの感情とは無関係に
この世界は動いている
 
地球が時速1700メートルで自転している限り
夜も朝も等しく巡ってくる
そして
地球が時速11万キロメートルで公転しているかぎり
同じ夜や同じ朝は存在しえない
今、ここにしかない闇と光
すべては移り変わっていく
ひとつの科学的な真実
 
喜びに満ちた日も、悲しみに沈んだ日も
地球が動き続けるかぎり必ず終わる
そして、あたらしい夜明けがやってくる

映画「夜明けのすべて」より (大先輩の「夜についてのメモ」)

プラネタリウムは
この「夜についてのメモ」を藤沢が読み終えると終わり
藤沢が転職して、1か月後が描かれ
 物語も終わっていく
 

やさしい職場



 今作で登場する栗田化学という
藤沢と山添が勤務する会社いい職場でしたね
社長はじめ、会社の先輩たちもとにかく、やさしいです
藤沢や山添に寄り添ってくれている

こんな職場はどこかに実在するのだろうかと思ったほど
強くないと世の中で生きていけないのかな
なんて感じていたけれど
そんなに強くなくてもいいのかなとか
やさしさが集まると、力に変わるだろうかと感じました
太陽と北風という童話をふと思い出したりして
 
人の温かさや、やさしさを感じる映画だなと思いました

 
「夜明けのすべて」感想でした
Dekoo

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