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雨やどり。

病院からの帰り道。
広尾から外苑前までテクテク歩く。

外苑前には父と母のお墓がある。
先月は猛暑続きでお墓参りに行けなかったので、そろそろご挨拶に行かなくちゃ、と気になっていたのだ。

広尾駅に着いた時点でお天気が崩れそうだったので、電車かバスに乗ろうか迷ったけれど、外はすっかり涼しくて、ちょっとだけ歩いてみようと思ったら、結局、雨に降られず外苑前まで歩いてしまった。

広尾~渋谷~西麻布~青山一丁目~外苑前。

学生の頃からよく歩いたエリアなので、いまだにこのあたりって自分のテンションがあがる大好きエリア。
ミーハーだと思われてもいいの(いいの!)
西麻布も広尾も昔から好きなのだ(なのだ!)

思えばブックカフェの先駆け、お酒が飲めるブックBar「These(テーゼ)」も西麻布にあった。果物をまるごと絞ったカクテルが飲めて壁面にはセレクトされた本が並んでいて、とにかくいい雰囲気だった。

あれから20年。今ではブックカフェ、ブックホテル、本とコラボしたいろんな形態のショップが出来た。

街ひとつとっても、自分の好き、ってこれだけテンションがあがるんだ。
だから、もっともっと人は自分の「好き」を追求することが大切なんだ。

こんなことを考えながら外苑前に着いたら、雨が強く降り出して、お墓を目前にして近くのウエンディーズで雨宿り。
近くにドトールやスタバもあったのだけど、どこも雨宿りする人で満員御礼で、仕方なくウエンディーズをのぞいてみたらガラガラに空いていたので「すわ!救世主!」とばかりに飛びこんだのだ。

今のご時世、店内が混雑している店には入りたくない。
(味はともかく)空いていればOKなところがある。
ウエンディーズではホットの紅茶を頼んだ。
最近ではすっかり紅茶派に転向した。

歩き疲れた身体にあたたかな紅茶が優しく染みわたる。
ふと歩数を調べてみたら20,359歩だった。

先月の月間記録を更新した。

文庫本を取り出してしばらく読み始める。
ちらちら、外を眺めて雨の具合を確認するも、この日、結局、雨は止まず。

傘を差してお墓掃除をする気にはなれず、父と母に胸の中で手を合わせて「ごめん!また近々リベンジするから」と謝って銀座線に飛び乗って家路を急いだ。



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