見出し画像

猫日記ーベロをしまい忘れる猫ー

6月も残すところあと1日。7月になれば梅雨があけて夏本番。

人間だって暑いけれど、猫はもっと暑いのだ。
猫の平熱は38~39℃と言われている。

さて、我が家の猫、みるく(4歳、男子、内弁慶の王様気質)。

朝、目が覚めて顔を洗いに洗面台に向かうと、この猫は足音もたてずに私の足元にこっそり忍び寄ってきて、そっとしゃがみこむ。
私にお尻を向けて床に腹ばいになる。

これは「マッサージしなさい」のサイン。背中や耳の後ろ、おでこのあたりを優しく撫でてマッサージをしてもらうことを所望しているのだ。

日によってマッサージ時間はまちまちだ。3分ほどで「余は満足ぢゃ。もうよい。下がれ、下がれ」とでも言いたげにおもむろに足蹴にされる(あんよで私の手を払いのけるように猫キックしてくる)日もあれば、外出する日に限っていつまでもマッサージを所望することも。


5分、7分、9分。

誰かの顔色をうかがうこともなければ、誰にも指図されない、自由気ままに生きている猫にしたらほんの数分でも、ルールや社会性、仁義を余儀なくされる人間にとって朝の9分は大きいのだ。とはいえ、猫様は自分が「もうよろしい」と満足するまで、こちらが勝手にマッサージを切り上げることは許さないので、辛抱強くマッサージを続ける。

ところで、体温の高い猫は人間より暑さにバテがちなので、いつから部屋のクーラーを入れるべきか悩ましい日々。

そんなある日。

いつものようにマッサージしながら顔をのぞきこむと、ピアノ線のごとく誇らしげにピンと張った白いヒゲに続き、その下にお控えなさっている、お猪口のように小さいおちょぼ口から、赤くイキイキとした物体がのぞいているではないか。

一瞬、ハッとする。

これはベロだ。
猫がベロを出しているのだ。
犬みたいにハァハァ言わないけれど、これはきっと暑さゆえ、バテているサインに違いない。

そう思って慌てて水の入った猫様専用のコップを運ぼうとオロオロしたとたん、猫は「てへへ」とでも言いたげにその小さなベロをぺろっと小さな口の中にしまいこんだ。

なんだ、しまい忘れか。

たまにあるのだ。
うちの猫さまはベロをしまい忘れることが。

猫様近影
(それにしても近すぎでしょ)

画像1


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?