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【アニメ関連株・企業研究ノート】⑤サンリオ(8136)

こんにちは。アニメ社畜系投資家のでこです。
今回のアニメ関連銘柄はサンリオ(8136)を紹介したいと思います。

企業概要

キャラクター商品のIP開発・商品企画・販売。「ハローキティ」や「ぽむぽむぷりん」など自社IPを活用した版権ビジネスや「SHOW BY ROCK!!」シリーズなどのアニメ製作など、幅広いキャラクタービジネスを展開。

指標

(以下2022年9月15日時点での情報)

[株価] 3,850円
[時価総額]3,429億円
[利回り] 0.52%
[PER] 124倍
[PBR] 6.79倍
[粗利益率] 64.2%
[営業利益率] 4.8%
[自己資本比率]52.1%
[発行済み株式数] 86,065,301株
[株主優待] 有

なお、過去6年分のデュポン分析はこちら↓

サンリオ・デュポン分析

(※2022年9月21日更新)
サンリオの過去6年分のCCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)はこちら↓

サンリオ・CCC

CCCに関しては2020~2021年度はコロナ渦で悪化してますが、2022年度には(売上債権回転日数が増加しているのが気になりつつも)回復傾向にあります。

ポイント

生産と在庫コントロールによる利益率改善

2022年8月に発表された2023年第1四半期決算の日本・物販事業において、営業利益率が23%に回復しました。なおこの水準はコロナ前の2019年の同四半期の利益率(19%)よりも良い数字でした。

サンリオ・2023年第1四半期決算短信より抜粋

↓改善の理由は以下の通り↓ 

 ◆倉庫在庫の処分により倉庫管理費が削減され粗利率改善。
(在庫管理費:2021年度43億円⇒2022年度33億円に削減)

商品の在庫SKUを2025年までに1900SKUにまで減らす目標を掲げており、これにより生産コストと在庫コストの削減、棚卸資産回転率を向上を目指す。(現在3350SKUで、毎年500〜800SKUのペースで削減予定)

◆文房具など季節性のない商品は継続的に店舗在庫に置くことで、倉庫管理費の削減。また季節もの(アパレルや期間限定コラボ商品)については店頭で売切る分の個数になるようにコントロールし、積極的にディスカウントしていくことで売れ残りを減らしていく。

サンリオ「対処すべき課題」より一部抜粋

北米展開におけるEC販売とライセンス好調

ここ数年北米での展開においてサンリオキャラの”スポット的なブーム”が多く、継続的な展開ができていなかったが、今期から少しずつ変化が見られ始めました。

↓変化の内容は以下の通り↓

◆EC販売が好調、また卸売と小売を外部のディストリビューターに委託することで販売経費削減し利益率が改善傾向。

ROBLOXやToca Bocaなどの北米アプリも開発しており(ex.MY HELLO KITTY CAFE)、2022年Q2以降に収益が反映される予定。

Hybrid社(アパレル)Pusheenなどの商品化、またはサンリオ映像作品の北米ライセンス事業も好調。加えて、今まで北米はハローキティしか認知されておらず展開の幅が狭かったが、ぐてたま/マイメロディ/くろみ/ミックスなども認知されていて展開の幅が広がっている(=キャラクターポートフォリオ構築)

北米 Hybrid社・アパレル
北米 Pusheen x サンリオコラボ
サンリオ「対処すべき課題」より一部抜粋

中国における新展開

今までサンリオは中国展開について10年以上KT Licensing Ltd.とマスターライセンスを結びKT Licensing Ltd.がエージェントとしていたが、2023年よりAlifishを新たなパートナーとしていくマスターライセンス契約の締結を発表。
Alifishはアリババグループ傘下におけるIPライセンス契約およびクリエイティブ・プラットフォームで、このパートナーチェンジによって中国ECやデジタルコンテンツ展開を強化していく。

社長交代による社内改革

2020年に社長が辻信太郎氏から孫の辻朋邦氏に交代。

前社長・信太郎氏は「物販事業」に強いこだわりがあり、商品開発に力を入れていたが、こだわりゆえにアイテムSKUを増やしたによる在庫過多、そしてかさむ在庫管理費、、と問題になっていた。

新社長・朋邦氏はこの「物販事業」にメスを入れ、SKU・在庫コントロールに注力することで利益率の改善を図る中計(「対処すべき課題」)を発表。

物販事業だけではなく、海外展開の改革、教育事業の強化など様々な改革を2021年~2025年の4年間で実行していき、2025年度に「サンリオ・第二の創業」を目指している。

サンリオ「対処すべき課題」より一部抜粋

競合他社比較

◆オリエンタルランド(キャラクター業界1位 / 時価総額7兆円4,266億円 / PER189倍 / 年間売上高4,079億円)
◆バンナムHD(玩具業界1位 / 時価総額2兆2,333億円 / PER31.6倍 / 年間売上高8,892億円)
◆タカラトミー(玩具業界2位 / 時価総額1,240億円 / PER15.9倍 / 年間売上高1,654億円) 

不安要因

◆「対応すべき課題」についてどれだけのクオリティで達成できるのか?
◆課題解決に当たりどれだけの投資を必要とするのか不透明

最後に

サンリオのエクイティストーリーとしては、大まかに言って以下の2点です。
①SKU・在庫・人材コントロールによる利益&体制改善
②北米・中国展開の改革による海外展開強化

自分は先日この辺りでエントリーしました↓

でこちゃんのサンリオ初回エントリーポイント

でこちゃん的にはここから買っても十分間に合うかなー思いました。

3~5年で時価総額が3倍になるイメージで考えてますので、目標株価は1万円です。

サンリオは今ビックチェンジの準備の最中にある会社だと思っており、今後の改革の進捗を暖かく見守っていきたいと思います(サンリオ株を握りながらw)

ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。

※本記事は株式会社サンリオの投資を推奨するものではありません。

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