10年の沈黙を破り"歴代最高傑作"となった風来のシレン6への問題提起

不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録』(ふしぎのダンジョン ふうらいのシレンシックス とぐろじまたんけんろく、Shiren the Wanderer: The Mystery Dungeon of Serpentcoil Island)は、スパイク・チュンソフトより2024年1月25日に発売されたNintendo Switchローグライクゲーム不思議のダンジョンシリーズの1つ。

Wikipedia

10年の沈黙を経て発売された風来のシレンの新ナンバリング“風来のシレン6”
巷では手放しに絶賛され、「これこそが風来のシレン!」「歴代最高傑作!」なーんて持て囃されている訳だが、やってみた限りは全くそう思えなかった
別に炎上狙いでこう言っている訳ではない。筆者がただただシレン6を雑な作りだと感じて辟易としてしまっただけだ(なので別に貴方の「歴代最高」を否定したい訳では無い)

先に勘違いされないよう言っておくが、別にストーリーダンジョンの"とぐろ島"がクリア出来ないとか、それより先にある99Fの"とぐろ島の神髄"(以下神髄)がクリア出来ないからそう思っているのでは無い
学生時代程ゲームができなくなった身ではあるが、それでも不思議のダンジョン系は得意な方で歴代シリーズもやっているし、神髄ももう20回ほどはクリアしている

つまり言いたいのは、よくSNSで晒し上げられているamazonとかの浅々の激浅レビューと一緒にしないで欲しいということだ(同時に、現段階でのクリア回数が多いからこの記事の意見が正しいとかそういうことを言いたい訳でもない)

ただ当然、こんな早期段階に書かれた記事であるから、いずれはこの記事も「神髄20回程度しかやってないやり込み不足の一般人が書いた激浅記事」となることだろうが、それでも今こうして文章にしてネットに挙げなければ後の貴重なアプデを無駄にしてしまうと判断した

とはいえゲームの根幹に関わるような小言も含まれている為、やはりこれはゲームに対する文句がネチネチネチネチ書かれたネガキャン記事には違いない
その点を受け入れられる、又は受け入れられなくても鼻で笑える人間は、これを読んでシレン6が抱える様々な問題に気付いて欲しい
あるいは既に気付いているのであれば公式のアンケートに書くなりXで声を上げてみるとかして欲しい(スパチュンはXも見ていそうだし)

明らかにテストプレイを放棄したことが分かる粗悪なUIと操作性の悪さ,劣化した各種設定

いきなり強い言葉を使うが、このゲームを開発したメンバーはテストプレイを済ませないままゲームを完成へと推し進めた
「何故、そこまで強い言葉で言い切れるのか?」と思うことだろうが、この事については歴代ナンバリングをある程度やり込んだプレイヤーならすぐに感じられたはずだ

まず槍玉として挙げたいのは余りにも見づらいマップについてだ
謎に水中マスや空中マスがマッピングされてしまうせいでどこに通路があってどこまでが部屋の視界内なのかが非常に分かりづらい
挙句の果てに通路の入口が部屋のよく分からん凹みで隠されてたりする


「どこに通路があるか分からない」「部屋の視界が分からない」というのは不思議のダンジョンとしては大問題

埋まり通路の知識が無いとか、迷路に階段があることを知らずに高飛びの腕輪で巡回しているとか、そういった知識不足で負けるのであればそれはプレイヤーに非があるだろう
だがこれはただゲームの視認性が終わっているだけであって、これで死んだところでプレイヤーは何にも面白くないし何の勉強にもならない、ただゲームの視認性が必要最低限すら無いことを再確認出来るだけだ

同じUIに関する問題として、ライブ探索表示機能設定(以下ライブ表示)にも触れていこう
今作では設定1と設定2、二つのライブ表示が存在するが、このどちらもまるでシレン5のライブ表示から劣化してしまっている

設定1は前作通りのもの・・・に見えて、文字があまりにも小さく謎の余白スペースが大量に余っている意味不明な作りとなってしまっている
印表示なんかは配信映えを意識して入れたものかもしれないが、実際にシレン6の配信を見ているとこの部分は潰れて殆ど見えない
設定2に関してはもっと酷く、プレイ画面は広くなる作りなもののライブ表示内は余白スペースだらけで手持ちのアイテムは1つも見えない、これではライブ表示としては殆ど意味が無いし、配信で見ても全然冒険の状況が読み取れない

操作性についても触れていこう
シレン6は全体的にボタンの入力受付が速く、一見すると快適に遊べるゲームだ
しかし何故か、何故かYボタンやXボタンの入力受付の優先度がAボタンと比べてやたらと低い
これに関しては前作シレン5からの問題だ、Aボタンの受付優先度だけが高いせいでテンポ感を感じながらボタン入力をするとX➡︎Aと入力しているのにも関わらずAだけが入力されてしまい、メニューを開きたいのにグーパンチが飛んでいく
シレン6はゲームスピードの向上、快適性を売りにして「RTAも意識しています」と公式配信で直々に発言している。つまり「不思議のダンジョンはじっくり考えて遊ぶゲームだから操作性は気にしてはいけない」という擁護すら行いづらい

細かい所だが斜め入力もゲームを通して入力しづらく、移動時の入力に関してはZRボタンの斜め固定(ただし謎に固定状態の維持が難しい)機能を用いることで解決は出来るのだが、この斜め見づらい問題は見渡す機能にまで影響を及ぼしてしまっている

そもそもシレン6の見渡す機能は異様にテンポが悪く、高速見渡しの仕様も"敵やアイテムに当たるか壁に当たるまで高速で見渡しの画面移動を続ける"といった粗悪な仕様に改悪されている
その上で斜め入力が入りづらいのだから見渡す機能が使いにくくて仕方が無い
オマケにボヨヨン壁とかいう斜め見渡しを前提としたギミックまである。なら見渡す機能の使い心地くらい確認しておけよという話だ

もしこれを読んでいる貴方が初心者であり、「斜め入力をやりづらい」と感じているのであれば、それはきっとスパチュンがアプデで修正するまでどんなにシレン6をやり込んでも改善しない問題だ
慣れどうこうの話ではないので気軽に声を上げて欲しい。絶賛の嵐を企業に浴びせることは確かに続編へと繋がるかもしれないが、開発内で問題を可視化出来ていないのであればその続編でもきっと斜め入力はやりづらいままだろう

UI、操作性だけでなく設定もシレン6は劣化している
アレやコレやと細かく設定出来るようになったのは近代作からだが、それは最近のゲームだから当たり前のことだ
間違えても初代シレンやシレン2と比べて「シレン6はこんなにいっぱい設定出来る!」と喜んではならない、これは現代のゲームとしては至極当たり前のことだ
比較するのであれば近代作のシレン4~5だろう

今作はギタンの整頓のオンオフ機能や敵前1マス止まり機能など革新的な機能が追加された一方で、前作シレン5で出来ていた必須級の設定が謎に削除されている

例えば"Bメニューオフ設定"だ。シレン6では常時Bボタンをチョイ押しするといきなりアイテムメニューへと飛べるが、Bボタンはダッシュにも使うので誤入力も多く、これを嫌うプレイヤーもいる
これをオフにできる機能が前作にはあり、実際多くのプレイヤーがオフにしていた

例えば"L押し続け入力機能"だ。今作では何故かAのみ押し続け入力機能が残り、何故かL押し続け入力機能はカットされた
結果として矢を連続で撃つ時やデブータ・ボウヤーまんで飛び道具を稼ぎたいという時、Lボタンを99回連打しなければならなくなってしまった

強い言葉を使うが、このnoteにどれほど中身スカスカの脳死批評が飛んでこようが、Xで謎のお気持ち表明を喰らおうが、筆者はこれらのUI・操作性・設定関連には確固たる意志を持って「明らかなテストプレイ不足」と断言するし、反論を許すつもりも無い
これらの問題はゲームを触ってダンジョンに潜れば5分も掛からずに分かる事だからだ

章タイトルにある「テストプレイを放棄した」というのは流石に誇張表現であり強すぎる言葉ではあるが、少しでもテストプレイを真面目に行っていればこれらの問題点には気付けたのではないだろうか?

どうでもいい所にまで目をつければ値段識別表は遠すぎだし、命名図鑑は並び順が意味不明だし、需要のそこそこある持ち込みありダンジョンの救助が持ち込み不可のクソ難易度すぎだし、お香の大半が不要物であったり、壺の中にある矢束に壺外から矢を加えるのが出来なくなっていたりと、筆者のような良い所を1個見つける前に悪い所を3個見つける輩にとってはシレン6というゲームはあまりにもケチをつけたい放題な作りだ
特に前作で出来ていた機能を意味も無くカットする必要性はどこにあったのだろうか

記憶ではシレン6は情報を公開してからXで完成を発表するまで異様なほど短期間だった
新作発表の盛り上がりを殺さないまま発売に踏み切るのは良い判断だとは思うが、このような数々の"5分触れば分かる程度の問題"を残したままガチャガチャやら付属品をバンバンバンバン出すのは些か企業としての矜持に欠けた行為にも感じられる

この時点で私はもうシレン6というゲームを「歴代最高」とは思えなくなってしまった

が、まだまだこのゲームには問題点が多数存在する

もっと不思議に注力した結果、1000回遊べない作りとなったサブダンジョン達

今作のサブダンジョンについては筆者がこの記事で言わなくても色々と議論はされているだろう
よく言われる問題は「どのダンジョンも短すぎる
それはその通りだ、何せもっと不思議の練習となるはずのオーソドックス系ダンジョン"鬼木島"や"ヤマガカシ峠"ですら25Fなのだ。せめてどちらかは50F近くあっても良かったはずだ(ヤマガカシ50Fは少々気が滅入りそうだが)

同時に気になるのはデッ怪ラッシュの30Fだが、これは触れないでおくのが吉だろう。こんな虚無のダンジョンが30Fも続いて面白いなんて開発陣が思う訳が無いし、恐らくはどうしても対デッ怪攻略を教えたかったが故の30Fだろう。
デッ怪モンスターはストーリーダンジョンにも出るがそれでは足りないと思っていたのだろうそうだろう。
壁を掘ったり壺を触ったりするといきなり即死モンスターが出るのも虚無ダンジョンを楽しませたいが故のちょっとした遊び心だろう

さて本題に入りたい。この記事でサブダンジョンについて提起したい問題とは「ダンジョンの短さ」ではない
多くのサブダンジョンが"2回目以降遊びたい"と思えないような作り」であることだ

別にダンジョンはフロア数が短くても面白いものは作れる、そこは槍玉に挙げるべきではない
今作のサブダンジョンの真の問題とは「ダンジョンにリプレイ性がない」ことである

フロア数が短いことも含め、これは新規層プレイヤーを意識しての作りだろうが、どのダンジョンも攻略法に幅が無く、基本的には毎回同じようなプレイングをすることとなる

"桃まんダンジョン"なんかはよく難しいだの面白いだの言われるが、あれはモンスターに化けれるから面白いのであって攻略自体は毎回同じものにしかならない
マムまん持っていってレベリングして、深層を倍速まんや壁抜けまんで雑に降りるだけだ

当然、その勝ちパターンの攻略を編み出すに至るまでの過程は面白い
しかし1個勝ちパターンを作ってしまうとさあどうだろう、他に定石化出来うる勝ちパターンはあるだろうか
いい所桃まんで使い捨て装備振り回して終わりとかそんなものだろう

そしてこの問題は神髄以外の全ダンジョンでも共通だ
勝ちパターンに"振れ幅が無い"のである(何なら神髄でも振れ幅はかなり少ない)

戦闘が可能なダンジョンでは序盤にレベリングして後は自然回復に任せつつ殴り、それが不可能なダンジョンでは大体杖かギタンが腐る程出てきてしまう。

特殊ダンジョンの杜撰さについても問題として挙げるべきだろう
ワナダンジョンである"罠師の抜け道"は数少ない逃げ寄りダンだが使えるワナがやたら少なく、20Fと短いが為にゲーム性や緊張感は殆ど味わえない(終盤のテーブルは中々凄いが)

それと似たダンジョンである"カカルーの神意"では・・・
何故かカカルーの神意では罠を拾って使うことが出来ず、シレンも罠にかかってしまう。つまりワナダンですらなくなっている
そしてギタンの床落ち額が非常に高いが故に階段即降り全員ギタン投擲ムーブでダンジョンが終わってしまう
このダンジョンはあまりにも不細工過ぎると言えるだろう。コンセプトを床落ちで破壊してしまっている

ギタン投げの強さをプレイヤーに伝えたいのであればわざわざコンセプトダンジョンでやる必要性はない訳で、個人的にはデッ怪ラッシュと双璧を成すほどの粗悪ダンジョンに感じた

大絶賛されている「狐渇シレン」が使える"水龍の洞窟"だって狐渇シレンが使えて新鮮だから面白いだけで、狐渇シレン自体には何の戦略性も無い
真空切りと旧作仕様の身代わりがいつでも使えるだけのいつものシレンだ。むしろこれが現状1回限定の形態なのは特別感を煽る為の作りの上手さすら感じる(これは素直に良い煽り方だと思う,1回限定フォームがある状態でアプデを匂わされたらその期待は相当増す)

"推測の修験道"はコンセプトこそ面白いが、弱い装備がメインとなる短いダンジョンで延々とゲイズやらにぎり変化のようなアイテムを破壊するモンスターを出し続ける嘆息物のテーブルだ

というかこれはどのダンジョンでも共通だが、短いフロア数なのであれば全部未識別にするのはやめた方がいい
同じ巻物に2回会えることなんて早々無いし、壺や巻物を使って識別にかけるかの読み合いも識別出現率の低さによって叶わない戦略となる

結局、シレン6には何度もやるに足るようなサブダンジョンが現状無い訳だ
別にフロア数が少ないから何度もやれないという話ではなく、何度もやるほどの戦略性が生まれないから何度もやらないのである

1回クリアして満足する初心者受けはそれは良いだろう。新規層プレイヤー意識は別に悪くは無いとも思うし自分なりの攻略法を考えて攻略出来る作りなのはシレン6の良い部分だ

だが考えて欲しい、初心者はいつまで経っても初心者のままなのか?
答えはNOだろう。当然初心者のまま飽きて辞めるプレイヤーもいるかもしれないが、風来のシレンは「1000回遊べるRPG」だ
初心者はいずれ中級者となり、いずれはより高難易度を求めて上級者への道を歩むかもしれない

その時にその成長した初心者を長く引き留められるダンジョンは、多くあった方が良い
なんならこの発売して一ヶ月も経たない間にシレン6から始めた新規層プレイヤーが神髄をクリアしていることもある

無駄にダンジョンが多すぎるのも考えものだが、今の「神髄しかやり込めるダンジョンしかない」環境ではそういった伸び代のあるプレイヤーを引き留めるには少々厳しい訳だ
これは別にもっと難しいダンジョンを追加しろという訳では無い。ただ幾つかの特殊ダンジョンを改良したり、もう少し長めのダンジョンを作ってあげたら良いという話だ。不思議のダンジョンは"難しい=面白い"ではない

雑な殺し方,低すぎる投擲命中率と高すぎる呪い率

もう少しゲームバランスの細部を見ていこう。主に神髄想定で話を進めるものとするがこれは筆者が神髄をメインとして遊んでいるからであって、別に他のダンジョンを想定しても構わない。

まずシレン6というゲームの死は大半が最序盤、主に1~5F範囲で起きるものだ
これはレベル1シレン君が貧弱であるが故の問題でもあるが、それ以上にゲームが積極的に雑な死を狙ってきている
1F落石の罠から始まりこちらが3回殴らないと倒せないのに敵は2回で倒してくるHP・攻撃力バランス。マップも別に微調整する気はなくその辺のフロアの時点で部屋の数が3つしかない(=1部屋辺りに配置されるモンスター数が多く詰みやすい)マップが生成されたりとまさしく「すぐ死ぬシレン

別に「すぐ死ぬシレン」調整をとやかく言う気はないが、これが面白いと思えるのであれば貴方にはわくわくパラダイスというダンジョンがオススメだ
ゲーム内でクリア率を出すのであれば序盤全マス罠チェを強いられるような作りにするのはどう考えても悪手で、「原点回帰」を謳うには神経を使いすぎる低層と言える

んでもって投擲の命中率が歴代トップで低い(84%らしい)のでやってられない

ギタン投擲なんて序盤でしか使わないし、シレン6は矢が強い作品でもない
矢を2束3束稼いだ所で部屋サイズやモンスターHPの都合上、大して消費する機会がないままダンジョンが終わる。装備ゲーということもあり1束稼ぎの回ですら余るくらいだ
矢索敵も通路の構造上有効ではなく、その上シレン3から登場していた札も無い

つまり今作の投擲命中率なんて低層(とマゼ合成)以外殆ど飾りみたいなものだ

にも関わらずこれが不当に低いせいで、1〜5Fの間は1度のギタン外しで負けかねない状態が続く時すらある(しかも投擲無効の最強生物1割バッターが1Fから出る始末)

最序盤で為す術なく死ぬことを「これぞ風来のシレン、否定する奴は"分かってない"」だと発信している方々はそれが本当に面白いゲームの姿かどうかを考えてみた方が良い
「昔からこうだった」とか「こういう奴が面白い伝統を無くす」とかじゃなくて、それが本当に面白い伝統なのか、1000回遊ぶ内にその伝統行事を何度も何度も見て飽きないかどうか、是非しっかり頭を使って現実を見て考えて欲しい

風来のシレンは1000回どころか10000回遊ぶことだってあるゲームということに目を向けるべきだ

少なくとも筆者は1Fの大砲死なんてもう飽きたし、落石即死も微塵も面白くないと思うのでせっせと罠チェックさせられている
レベルを上げようにも最序盤のモンスターは経験値が必要以上に少なく、1割バッターやオトト兵のような強敵枠(1Fに強敵枠がいるのは如何なものか)を何匹か倒してもレベル3や4、つまり強敵枠と安全に戦闘できるレベル帯まで到達しない

あくまで個人的な感情だしこの部分に関しては感性が人によって異なるので合わない方は好き放題馬鹿にしてくれて構わないが、筆者はシレン6の最序盤は全く面白くないと感じる

呪い率の問題についても目を向けよう。検証が難しいので正確なデータなぞ一切取れていないが、シレン6(神髄)はとにかくアイテムの呪い率が高い
データが無いなら正確ではないとか抜きにして、何度かやれば分かる程度に呪い率が高い

でこれが30Fとか50Fを過ぎた辺りであれば「呪いに引っかかるのは識別を雑に済ませた・解呪アイテムを持っていないお前が悪い」で済む訳だがシレン6は1Fから山ほど呪いアイテムを出してくる

まあ、まあギリギリ装備品の呪いについては許すとしよう
これは一応解呪手段が色々とあるし何とかしてカラクロイドを使うという選択肢もある(シレン6のカラクロイドは異常に強いが)

問題は杖や巻物、壺といった消費アイテムの呪いだ
識別の進んでいない1Fとか2Fで未識別呪い杖とかやられても解呪は出来ないし識別手段も無いし何なら未識別だから悔しさも無い
ただ床に落ちているアイテムの枠をひとつ削っただけでそれが面白さや戦略性には一切繋がっていない

結局これも先程述べた「よく死ぬシレン」と同じで、最序盤の面白さを減らしているだけの要素なのである
識別を進めることはシレンの面白さの一つであることは間違いなく、識別を無意味に阻害した所で別に面白くも無ければ未識別だから"呪われてても手持ちに残す・残さない"の選択すら生まれない

ついでに言うと5Fを抜けると神髄では低確率で洞窟マムル(攻撃力100)が出現する
桃まんダンジョンでも最序盤にマゼルンを出したりしていたがこれはその比ではなく出会い頭を受けた瞬間即死だ。どんな神器を持っていようが、どんなアイテムを持っていようが、レベリングを済ませていようが同じ結末だ

「よく死ぬシレン」にしても、冒険が軌道に乗り始めた段階でいきなり即死するのは控えめに言って"つまらない"の一言しかない
持たざる者に対するレベリングの再トライと考えても、出現率が低すぎて再現性が全く無い(まあ、出現率が高かったら大問題だが)

総じてシレン6の最序盤はびっくりするほどつまらないのであった

シレン2・アスカの真似事でマゼルンを絞るのをやめろ

山ほどマゼルンが出たらそれはそれでゲームバランス崩壊させてるし今の湧き率でも全然遊べるんだが、それはそれとしてこれはどこかに書いておきたかった

シレン5でもそうだったが、とりあえずのノリでマゼルンを少なく調整するのは全く面白くないし序盤のマゼルンを待つ時間が長すぎて時間が勿体無い
マゼルンを待っている時間が楽しいかで言われたら間違いなくNOだろう

これはシレン5の頃に言いたかったことだからシレン6及び神髄に言うのは間違ってはいる
だが神髄でもマゼルンを待っている時間は微塵も面白くないし、何なら「50F以降のプレイ時間<マゼルンを待っている間の時間」みたいなことになるのは不健康極まっていると思う
これこそただのお気持ち表明だが、次回作があるのであればスパチュンにはその辺少し考えて欲しい

高すぎる特技使用率、そして戦闘スキルを求められる敵の少なさ

シレン6はゲーム全体を通して特技使用率が高すぎる
脳筋プレイをするプレイヤーへのお咎めなのかもしれないが、それにしたって高い

50F台なんて1回通路へ入れば大鬼サソリにプスプスプスプス刺されて有り得ないほど与ダメージがダウンするし、遠距離特技持ちはお化け大根系以外は馬鹿みたいに特技連打してくる

特に面白くないと思うのがレベル1ドラゴンや骸骨魔天のような「直線上に立った時100%の確率で特技を使うモンスター

純粋にそれ、ボウヤーを増やすだけの調整だと思わなかったのだろうか
いや分かる、これもさっきのと同じで直進脳筋プレイヤーを咎めて正しい動き方に矯正したいんだってことは

でもボウヤーでそれ覚えられてない奴はそもそもそんな所とは関係なく死ぬし、ただ普通に遊んでるプレイヤーが怠いだけだ
別に怠いことはゲーム体験として悪だとは思わないが、特技使用率100%で睡眠や目潰しを撃ってくる化け物は果たして面白い存在なのだろうか?

同時に脳筋モンスターが少ないことも、シレン6の問題点の1つだ
40F台で戦車と入道が出て、終わったらそれ以降はずーーーーっとドレイン系とかアイテム破壊モンスターばかりのテーブルだ。なんならそれより前のフロアもドレイン系がずっと出ずっぱり

66Fに入ってミラクルチキンとかいう倍速2回行動で攻撃力80の脳筋がやっと出てくるが、ミラクルチキン以外はどいつもこいつも攻撃力60未満で同フロアに出現するシハンにすら劣るステータスのモンスターばかり

そこを抜けたら冥王という最強のラスボスが出るが、他にねだやしたいモンスターの多いミラクルチキンフロアとは異なりねだやしで一発終了

マップに生成される通路が長すぎる点や戦闘を補助してくれる杖の少なさもあるが、それを差し置いてもシレン6には戦闘における駆け引きが無さすぎる。殆ど殴るか金縛るかしか無い
それにガッチリ深層に備えて稼いで最強装備を作っても50F付近からはモンスターのステータスが大して伸びないので、30,40F台のモンスターと戦える装備があればそのまま最後まで突き進めてしまうのだ

当然、そのゲームにはそのゲームの『味付け』というものがある
戦闘は出来るだけ殴り合いで済ませられるゲーム、大味ではあるがそれもまた味付けの1つだ
だが特技使用率に関しては、ただ上げるだけでは味が濃くなる訳では無い、適切なバランスというものがある

通路に入って出た頃には力の最大値が2とか3とか下げられていたり、部屋に入った瞬間睡眠にさせられたり、壁を背にして戦っているのにバカスカ装備弾かれて拾い直して装備してを繰り返すというのは、ゲーム体験の『味』としてはクドくて仕方が無いものだ
というか脳筋モンスターはどいつも柔らかいのに嫌がらせ系だけ硬すぎて脳筋の存在意義が完全に消えている

「杖振れよ」って?君は壁背にして戦ってるシハン相手に杖振るのか?(それ以前にサソリもシハンもねだやした方がいい、このねだやし対象決めるのはシレン6の大味だが良い『味』)

あと忍者と山伏の使い回しが多い上に山伏は無駄に硬すぎ、これはどう考えても雑な味付け

色々書いたが個人的なシレン6の総評

正直な所、筆者はシレン6を楽しめてはいる(その味付けに疲れてもいるが)
ただ先程言った通り、1個良い所を探すまでに3個は悪い所を見つけてしまうのでその粗に目が行って素直に褒められない訳だ

Xなどでは散々良い所は挙げられているが、筆者もシレン6の神器でリプレイ性を増している所や、修正値の価値を剣盾で同じくらいに調整出来ていたり、持ち込み可能を脳死攻略させない&ハクスラ要素で楽しませている所は大絶賛だ
新規層プレイヤーの取り込み・歴代ナンバリングプレイヤーの取り込みどちらもこなし、無事ニンテンドースイッチストアの売上ランキング1位を得たのはシレン6の偉大な功績と言える

だが同時にシレン6は色々書いたように手放しで絶賛出来るものでは無いし、アプデがあるのであれば直せる所(特にUIや操作面、設定)に目を向けてくれるように声を上げなければならないと感じる
昨今のSNSではこういった苦言を呈したプレイヤーが物凄い勢いで叩かれているのを見るが、賞賛の嵐だけでは直すべき所が見えないだろう(当然、皆でワイワイしている所に水を差す奴は排除されるべきだが)
筆者のような無名の末端シレンジャーがこのようなnoteを書いたのはそれが理由だ

筆者はシレン6は明らかにテストプレイを回数こなしてないと断言するし、このゲームは持ち上げられすぎだと逆張りムーブまでかましているが、それでもスパチュンが重い腰を上げてUIなどに手を入れてくれることは期待している(ファンとしては良くない姿勢だが)

くれぐれも覚えておいて欲しいのは、好きな作品を全肯定する人は多ければ多いほど続編の可能性が増えるということと、全肯定する人が増えれば増えるほど、直すべき部分の声が上がらずに掻き消されてしまうということだ
作品を冷静に見て、それが丁寧に作られたものかどうかを判断し、直すべき問題点を探すのも、購入者の役目なのではないだろうか

「10年間待ってた!嬉しい!」は分かるのだが、企業のザルな作り方を手放しに褒めてしまえば以降の続編も同じような問題が継続して残るはずだ
気の早い話だが、シレン6のアップデートやDLCひいては後の作品のことを考えるのであれば、しっかりと公式のアンケートに「ここが良かった」「ここは良くないと思う」と書いて、スパチュンにシレン6の現状を伝えるべきだと思う

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?