指す将順位戦6th　A級2組2回戦　VSガスボンベさん（対局編）

　こんにちは、積読をやめたいのに読書するモチベーションが湧かない、こまちです。

　今回は、指す将順位戦の2回戦、VSガスボンベさん戦の自戦記をお送りします。

　この投稿は対局編です。準備編からの続きですが、見なくても基本問題なく読めます。ですが、準備編も読んでくれたらとても嬉しいのでリンクを貼っておきます。

対局当日

　舞台「夜は短し歩けよ乙女」を観劇していました。深夜に1回、起きてから1回、そのあともう一度1回…クサいことを承知で書くとするなら、人生に彩りが1つ増えました。それくらい衝撃的で、素敵で素晴らしい舞台だったのですが、自戦記で書くことではありません。ひとまず置いておきましょうね(感想noteを書く…かも？)。

　え、対局の準備は？と思うかもしれません。もちろん、それはやっていました。頑張って後手番での作戦を練って、詰めチャレと棋譜並べもやっていました。

いざ対局

　緊張はやってくるもので、舞台のアーカイブを流しながら何とか気を落ち着かせようとしましたがバクバクが収まることを知りません。対局2分前まで棋譜並べをしていましたが、手は震えるわ駒はぐちゃぐちゃだわでなかなかにすごかったです。

　適度な緊張感は大切ですが、これはさすがにと思いパソコンの前で目を瞑って1分ほど深呼吸。そして両手で頬をパンパンと叩き、ちょっとはマシになったかなと思い、いざ対局。

初手から
▲2六歩　△8四歩　▲7六歩　△8五歩　▲7七角
△3四歩　▲6六歩　△6二銀　▲7八銀　△3二銀
▲6七銀　△4二玉　▲3八銀　△7四歩　▲2七銀
△6四歩　▲8八飛　△6五歩（第1図）

ビンゴ

　引きたくなかった後手番を引いてしまいました。「居飛車で来るなよ…居飛車で来るなよ…」とフリのようなことを思いながら恐る恐る駒組みを進めましたが、結果として本譜と想定局面がビンゴしたのは嬉しかったです。ビンゴしたとはいえ、重要なのは先手の次の手ですが…

評価値：水匠3　5億ノード　互角(－205)

第1図以下の指し手
▲3六銀　△6六歩　▲同銀　△7三銀　▲6八飛
△6二飛　▲6五歩打　△5二金　▲4五銀　△3一玉
（第2図）

付け焼刃だから…は言い訳です

　▲3六銀…この手は一切考えていませんでした。ソフトはこの手を次善手として示しているので普通に準備不足です。ここでは4つの手を調べていました。▲同歩と▲6八飛は有利以上で▲3八金や▲4八玉は互角であること、そしてその変化を頭に入れながら△6五歩と指したのですがきれいに外れてしまいました。

　すぐに△6五歩と突っ掛けるような将棋を指さずに育ってきたのでここからは未知の局面です。構想力の勝負です。

　△3一玉は歩を取られても△6四歩があるので大丈夫だと思い指した手ですが、またも考えていない手が飛んできました。

評価値：5億ノード　互角(－151)

第2図以下の指し手
▲2五歩　△3三銀　▲5五銀（第3図）

中央制圧

　▲2五歩が嫌な手で、互角だとしてもかなりやりづらいと感じていました。悪形だとはわかっていますが、▲2八飛とされたらまずいと思い△3三銀としたところで▲5五銀…中央を制圧されてしまい厳しい状況になってしまいました。

評価値：5億ノード　互角(＋63)

第3図以下の指し手
△8二飛　▲6四歩　△6二飛　▲4八玉　△3二玉
▲3八金　△1四歩　▲5八金　△9四歩　▲9六歩
△1五歩　▲2七金（第4図）

指す手が…

　△8二飛は▲6四歩と指してもらうことで目標にしたいという手です。ただ、すぐには6筋の制空権は奪還できないので結果的にはそんなに良い手ではなかったです。

　△8二飛に加えてもう1つ考えていたのが△7五歩です。以下、▲同歩△7六歩▲8八角△8二飛▲7八金△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△7七歩成▲同角△2六飛▲3九金（参考1図）まではほぼ一本道なのですが、そこで△2七飛成としたくても▲3六銀の感触があまりにも良さそうで断念しました。ですが、▲3九金に△4四歩という好手があるらしく、結果的には、△7五歩と指すのが良かったようです…

　本譜に戻り、△6二飛と再び6筋に飛車を戻したところで十分満足したのか、先手は自陣の整備に移行しました。これが良いタイミングで、こちらが何を指せば得になるのか全く分かりませんでした。端歩は泣く泣くの手です。▲2七金と金が浮き駒になった瞬間に何かあればよいのですが…

評価値：5億ノード　互角(－227)

第4図以下の指し手
△3一角　▲3六歩　△5四歩　▲同銀　△6四銀
▲6五歩打（第5図）

3つの目標

　第4図の▲2七金の局面では、その手を直接咎める手ではないですが△7五歩があったようです。以下、▲同歩に△7八歩が好手で▲8八角△7九歩成▲同角に△4二銀で角道を開ける手がありました（参考2図）。これなら後手も十分戦えそうです。ほんとに憎いくらいに良い手を示しますね。

　実際はその手に気付かず△3一角と指しました。ここでは3つの目標があり、

①相手の2枚の銀を盤上から消すこと
②角を使えるようにすること
③飛車もしくは角を交換すること

これを意識しながら指していました。第5図の局面では▲6三歩で潰れていそうだとは薄々気付いていましたが、本譜の▲6五歩で若干の指しづらさは残るもののそれならまだなんとか…と思っていました。

評価値：5億ノード　互角(＋160)

第5図以下の指し手
△5三銀　▲同銀成　△同金　▲5四銀打　△同金
▲同銀　△5二歩打　▲3七桂　△5三銀打　▲同銀成
△同角（第6図）

私も好物です

　△5三銀と引いて相手の銀を1枚除去し、2枚目の銀もなんとか除去しましたが、そのやり取りがおかしかったようです。第6図では▲4五桂とみんな大好きふんどしの桂が見えますがそれはもちろんわかった上で指していました。

評価値：5億ノード　先手優勢(＋1435)

第6図以下の指し手
▲4五桂　△4二角　▲3三桂成　△同角　▲同角成
△同桂　▲5五角打（第7図）

目標達成

　第7図まで進むと、先述した3つの目標がすべて達成されたことが分かります。まだこちらが悪そうとは思っていましたが、中央制圧されていた時と比べると圧倒的に景色が広がっているので、巻き返している感覚がありました。

評価値：5億ノード　先手有利(＋752)

第7図以下の指し手
△8四角打　▲7五歩　△7六桂打　▲6七飛　△7八銀打
▲7七飛（第8図）

迫っていくが

　△5六桂を狙うために△8四角と指しましたが、この一手のような▲7五歩を指されてあまりパッとしません。そこで飛車を追っかけましたがそれもパッとしません。▲7五歩には△同角と指して▲6六銀などと、1枚使わせるべきでした。

　▲7七飛と寄った次の手が悪手で、一気に先手の流れになってしまいました。

評価値：5億ノード　先手優勢(＋1373)

第8図以下の指し手
△8九銀成　▲5四銀打　△7五角　▲7六飛　△9九銀成
▲4五桂打　△4四香打　▲3三桂成　△同玉　▲4五桂打
△4二玉　▲7五飛（第9図）

一気に悪くする

　△8九銀成と指しているようでは遅いです。△6九銀もしくは△6五飛と指すべきで、それならすぐに悪くなることはありませんでした。

　▲5四銀や▲4五桂を積み重ねて▲7五飛がきれいな決め手。△同歩はこちらの王様が詰んでしまうので取れませんが、取れないのではおしまいです。

評価値：5億ノード　先手勝勢(＋6385)

第9図以下の指し手
△3三桂打　▲同桂成　△5一玉　▲6三桂打　△同飛
▲同銀成　△6二歩打　▲6一金打（投了図）
まで、93手でガスボンベさんの勝ち

実力差を感じた敗局

　時間に追われて△3三桂ととんでもない手を指してしまいましたが、どのみち逆転はない状況です。最後は詰まして下さいよと△6二歩で下駄を預け、▲6一金と指されたところで投了しました。

対局を終えて

序盤：1回戦と同じく、自分の想定局面から外れたところですぐによろしくない将棋にしてしまいました。「指し慣れていない・相手の対策をする」より「指し慣れている・相手の対策をする」の方が絶対にいいんですよねえ…のびのび指せてる感じが無いです。毎回好条件の将棋にしたいよおおおおお

中盤：良い手はとことん逃しましたが、目標を立てながら指していけたのは収穫になった気がします。これは次戦以降も続けていきたいです。

終盤：1回戦もそうでしたが、攻め合いにすらならなければ相手玉に思い出王手すらかけられていないんですよね。反省を書ける終盤勝負にしたい…

　ということで、2回戦も負けでした。悔しいです。1勝が欲しいです。自分に自信をつけてあげたいです。勝局の自戦記が書きてえ！！！！！気持ちを絶やさずにこの後も頑張ります。ガスボンベさん、改めて対局ありがとうございました！

　最後に…対局相手のガスボンベさん、対局を見てくださった方、この自戦記を読んでくださった方、指す将順位戦の運営さんに圧倒的感謝。