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指す将順位戦6th A級2組4回戦 VSmasterさん

 こんにちは、最近生活習慣が少しずつ戻りつつあるこまちです。

 かなり遅くなってしまいましたが、今回は指す将順位戦の4回戦、VSmasterさん戦の自戦記をお送りします。

 いつもなら「準備編」と「対局編」の2つに分けて自戦記を書くのですが、今回は事前準備をする時間がほとんど取れなかったため合併してみようと思います。

事前準備

心境
 3回戦の苦しい敗戦で3連敗となったおかげなのかはよく分からないですが、やけに気持ちが吹っ切れていました。偶然見かけたB級4組のとあるお方のツイートに元気を貰ったのも大きいです。振り返ってみると、これまでの対局があまりにも気負いすぎていたので、もっと気楽にいこうやという感じでした。

棋譜チェック
 ということで、ここからはいつもの準備を書いていきます。とはいえ、今回は準備時間がほとんど取れなかったのでかなり内容薄めです。

 棋譜はこれまでの指す順の対局も含めて15局あるかないか…定跡形より力戦を好んで指すというイメージを持ちました。

作戦決め
 この時の自分は、自分の居飛車が行き詰っている感じがしており、転向することも視野に入れて振り飛車ばかり指していました。そのこともあり、今回は勝っても負けても振り飛車でいくぞという考えになっていました。そうなると、masterさんが引き角か鳥刺しのどちらかを採用するだろうと予想し、対応しやすそうな三間飛車か中飛車を指すことを決めました(棋譜を見るまでは鳥刺しって何だ?私知らない…という状態でした)。

対局当日

 これまでの対局と比べると緊張はほとんどしていませんでした。というのも、今回の対局日は対局の他にも大事な要件があって、そっちでバックバクのドキがムッネムネでした。

 その要件が終わってからは久々に詰将棋を解いてみたり、引き角や鳥刺しの基本手順や仕掛け前後のやり取りを勉強していました。そうしているうちに中飛車よりかは三間飛車の方が良いのかも?ということになったので、そっちでいこうと決めました。

いざ対局

その1:飛車を振ること
その2:王手をかけること
その3:秒読みの1分をフル活用し、すぐに指すようなもったいないことをしない(自分の王様に対する詰みが分かっている場合は除く)

 今回は目標を立てていました。どれも達成して勝ちたいなあと思いながらいざ対局。

袖!?

先手:masterさん 後手:こまち
初手から
▲4八銀 △3四歩 ▲3六歩(第1図)

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 これまで先手→後手→先手と引いているので、後手番を引く気がしました。当たりました。3筋か5筋に飛車を振るつもりだったため、手始めの△3四歩を指したところでなんと▲3六歩。予想はしておらず、袖る可能性があるならやっぱり居飛車にしとこうかなとも思いましたが、そんな邪念を振り払って次の手を指しました。

評価値:水匠4 5億ノード 互角(-8)

投入

第1図以下の指し手
△3二飛 ▲3七銀 △4二銀 ▲4六銀
△3三銀 ▲7六歩 △4四銀 ▲6八玉
△6二玉 ▲7八玉 △7二玉 ▲6八銀
△9四歩 ▲9六歩(第2図)

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 飛車を振りました。目標その1達成です。ここからは囲い合いです。銀の位置は4四の地点より4三の方がよろしいのでしょうか?そういった違いなどなどがよく分からず、今回は序盤から少しずつ時間を使っていました。

評価値:5億ノード 互角(+81)

銀ぶつけで開戦

第2図以下の指し手
△6二銀 ▲7九金 △5四歩 ▲5六歩
△5二飛 ▲5八飛 △8二玉 ▲3七桂
△7二金 ▲4五銀(第3図)

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 よくある美濃囲いにはせずに△6二銀とするのが私の振り飛車でよく指す手です。今回は5筋に振り直すことと中央あたりで戦いが起きやすいことを考えていたので、美濃囲いよりよろしい気がします。△6二銀で囲いを終わりにすることも考えましたが、中央に近いのと後手からの具体的な攻め筋が見当たらなかったのでおとなしく王様を遠くに金美濃に。そうするうちに先手から▲4五銀とぶつけてきました。中盤戦の突入です。

評価値:5億ノード 互角(-48)

一直線?

第3図以下の指し手
△4五同銀 ▲2二角成 △同飛 ▲4五桂
△4四銀打 ▲7七角打 △3七角打 ▲3三銀打
△同桂 ▲同桂成 △同銀 ▲同角成
△1二飛 ▲2三馬 △5一金(第4図)

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 △4五同銀から△5一金まではほぼ一直線の変化になる気がします…たぶん。しかし、そう進んだ場合に互角かそれ以上の形勢で進められているかの成算があるかと言われるとありませんでした。なので、△4四銀~△3三同桂の3手にじっくり7分半使って考え、15分を使い切ってしまいました。ソフトくんによればちゃんと互角で推移しているよーとのことで、一安心です。

評価値:5億ノード 互角(+198)

攻めのターンは逃さずに

第4図以下の指し手
▲4六桂打 △1九角成 ▲5四桂 △6四馬
▲6二桂成 △同金上 ▲3三馬 △4四香打(第5図)

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 ▲4六桂は予想しておらず、対局中はここで△9五歩と端に手を付けられるとちょっとまずいのかな…?と考えていました。しかし、これは素直に△同歩としておいてなんでもないようです。

 ぴょんぴょんと桂馬の二連続跳躍が決まりましたが、こちらも馬を作り香車も持てており、金が二枚横並びになっている姿はなんだかがっちりしているように見えていたので悪くないなと思っていました。

 いつか飛車と馬の交換があるのを覚悟していましたが、▲3三馬と利きを通す手を指されたのでこちらに攻めのチャンスが巡って来たのではないかと思い、その取っ掛かりとして△4四香を指しました。

評価値:5億ノード 後手有利(-318)

良くなった…はず

第5図以下の指し手
▲4三馬 △4七香成 ▲5九飛 △4八歩打
▲5八金 △同香成 ▲同飛 △4七金打
▲5九飛(第6図)

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 指したものの、馬の斜め利きを遮りながら△4七香成を狙う単純な手なので、防がれたらどうすればいいのかはよくわかっていませんでした。▲4八金なら△3七銀…?いやでもなあ…という感じです。しかし、素直に成っても良い展開に進んだので、疑心暗鬼ながらもこっちが良いだろうと脳内会議での結論が出されました。

 指す手に悩んで感覚で△4八歩と指しましたが、これが急所の手だったようです。しかし、感想戦で指摘された▲5八金のすぐ後に△4九歩成とする手がさらなる急所の手で、これを逃してしまいました。△4九歩成に▲同飛なら金をタダで取れ、▲4七金なら飛車を取れるので、指せていたならなあ…と悔やまれます。

評価値:5億ノード 後手優勢(-1238)

一気に悪くする

第6図以下の指し手
△4六桂打 ▲5五銀打 △3一馬 ▲4六銀
△同金 ▲5五香打 △6四銀打 ▲5一銀打
△5五銀 ▲6二銀成 △同金 ▲5五歩
△2二飛(第7図)

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 第6図では初めに△5八銀を考えましたが、重い形に見えて指せませんでした。しかし、ソフトくんによればその手が最善手だというので、そうですか…まだまだだなあ…という感じ。

 代えて指した△4六桂がよろしくない手で、▲5五銀とされて一気に自信が無くなりました。ここからよろしくないの積み重ねで一気に劣勢の状況になってしまったので、いちばんに反省するべき箇所でしょう。

 △2二飛は良くない手なんだろうと薄々感じてはいましたが、眠り姫な飛車を活用しなければすぐに終わりそうと思ったのでいくしかないという状態でした。

評価値:5億ノード 先手優勢(+1637)

王様危うし

第7図以下の指し手
▲5四桂打 △5二金 ▲4四馬 △2七飛成
▲7一銀打 △9三玉 ▲9五歩(第8図)

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 ▲5四桂からはこう進むしかないのかなあという感じです。龍を作ったものの後手玉は端に追いやられ、格言通りの▲9五歩が飛んできたことで相当危ない状況です。対局中はここで△同歩と取るか△8四玉と上がるかの2択を考えており、どっちが正しいんだと悩みましたが答えは出ず、直感で指すしかないという事になりました。

評価値:5億ノード 先手優勢(+908)

ハズレ

第8図以下の指し手
△8四玉 ▲4二歩打(第9図)

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 まあ不正解の方を指してしまうんですけれども…

 なぜか△9五同歩は▲8五金と上部を塞がれてゲームセットと勘違いしていました。△8四歩で普通に難しいです。

 本譜に戻って▲4二歩。この手があまりにも良い手で「そうかー」と声を漏らしてしまったのを覚えています。ですが、まだ諦めることは考えてなく、どうにかできんかと手を考えました。

評価値:5億ノード 先手勝勢(+2526)

どんどん狭くなる

第9図以下の指し手
△7五桂打 ▲8六金打 △7四歩 ▲8二銀
△8五香打(第10図)

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 勝負手のつもりで△7五桂と先手の打ちたそうなところに打ちました。取られても後続がなさそうですが▲8六金…逃げ道を作りたくても▲8二銀…万事休すに近くなってきました。

評価値:先手勝ち(詰み7手)

遂に初王手

第10図以下の指し手
▲7五歩 △8六香 ▲7六桂打 △7五玉
▲7七銀 △8七香成 ▲同玉 △6七龍(第11図)

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 実は、対局中はお互いに気付いていませんでしたが、△8五香と打ったことで詰みが発生していました。手順は、▲8五同金△同玉▲8六歩△7六玉▲7七銀△6五玉▲6六香の7手詰めです。まさか詰んでいるとは…

 本譜はまだ王様が捕まらない状態になりました。それでも劣勢と感じていましたが、△8七香成と初王手が遂に嬉しい王手が入りました。目標その2達成です。四回戦にしてやっと…総手数397手にしてやっと…ほんとに長かった…

 △6七龍が入ったことで先手玉も危ない形に。この時もまだ劣勢と感じていましたが、後手玉の逃げ道もあってもしかしたら…とは思っていました。

評価値:後手勝ち(詰み22手)

逆転、そして大きな1勝目

第11図以下の指し手
▲8八金 △8六銀打 ▲9八玉 △8七銀打(投了図)
まで、98手でこまちの勝ち

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 どうやら、△6七龍と指した時点で後手が勝ちになっていたようです。▲8八金と指されたところで、一間龍で先手玉が詰んでいるのではないか?という考えになり、△8六銀に▲9八玉…銀を打って同金…最後は△7八金…詰んでる、もう一回…やっぱり詰んでる…

 手が震えながら△8六銀と△8七銀を指し、お相手の投了。「勝った…勝ったーーー…」と声が出ました。初勝利をもぎ取ることができました。

対局を終えて

序盤:慣れない振り飛車を指したものの、時間をじっくり使ったことで序盤は悪くなることがなかったのでそれなりに満足しています。

中盤:こちらが良くなったものの、そこからの指し手がよろしくなかったです。良いから勝ちに繋げていける技術を身に着けていきたいです。

終盤:△6七龍と指せるまではこちらが悪く、上手い粘りを指せていなかったので、終盤の攻めも粘りも改善していかなければなりません。ですが、悪い時でも秒読みの時間をたくさん使って考えられたのはとても良かったです。目標その3も達成です。

 ということで、4回戦は勝ちました。ようやく、嬉しい嬉しい初白星が付きました!ここから白星をどんどん増やしていけるように流れを身に着けていきたいです(5回戦が既に終わっていることには触れない…)。masterさん、改めて対局ありがとうございました!


 最後に…対局相手のmasterさん、対局を見てくださった方、この自戦記を読んでくださった方、指す将順位戦の運営さんに圧倒的感謝。

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