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指す将順位戦6th A級2組2回戦 VSガスボンベさん(準備編)

 こんにちは。汗っかきなのでこの時期から秋にかけてがしんどい、こまちです。

 今回は、指す将順位戦の2回戦、VSガスボンベさん戦の自戦記をお送りします。今回も準備編と対局編に分けて投稿していきます。

対局に向けて

 お相手のガスボンベさんの棋譜を24で確認したところ、ほとんどありませんでした。この後もそういったことが起こりうるので、数少ない情報でもなんとか作戦を練ることに慣れなければと思っていたところ、このようなリプが届きました。

ガスボンベさん「私のほうは普段の戦場が将棋クエストになりますので、そちらを検索していただければ少しは棋譜があると思います。(ユーザー名:〇〇〇)」

 なんと、棋譜の在処を教えてもらいました。まさかの出来事にびっくりです。その心の広さに完敗するとともに乾杯するのでした…(?)

 ともあれ、これで作戦を練りやすくなったのは大きいです。今回は1回戦と比べると事前準備の時間がそれほど取れなかったのですが、その中でもやれることをやっていきました。

棋譜チェック

 もちろん、まずはこれ。将棋クエストは(確か)30戦しか残らないので毎日見ていましたが、「将棋クエスト履歴検索β」ならそれより多くの棋譜が残ることを後から知り、ShogiGUIに移すことも簡単なので重宝しました。大体2~3周分ほど見たでしょうか。

想定局面図を作る

 今回も作ることにしたのですが、相居飛車と比べて対振りはなかなかに作りづらかったです。

①再現度が高く
②研究しやすく
③自分の苦手分野ではなく
④それでいて相手の得意分野を封じることができる

 前提として上記の4か条はあるものの、③と④をクリアするのが無理気味でした。

③→(居飛車党のくせして)自分が対振り全般に弱すぎる
④→苦手なのに振り飛車を指しているということはまずない(よね…?)

 この問題があるので、今回は出たとこ勝負になってしまっても致し方無いと思っていました。ですが、いくらかパターンは見つかるもので、そこに付け込んでいければいい勝負ができるのかなと考えて作った想定局面図がこちらです。

(ちなみに、ガスボンベさんは居飛車も指すのですが、相居飛車になるとこちらの戦型がほぼ雁木系か力戦系になってしまうので考えませんでした。相振り飛車も同様に考えていません。)

想定局面集
1.対阪田流向かい飛車(先手)

o8O想定1@3x

 分岐その1。まず、分岐点として以下の局面(以下、分岐図と表記する)があります。

2dUあ@3x

 自分が先手なら高確率でこうなってくれそうだったので、先手を拾えた場合はこのことしか考えませんでした。この局面は相手の誘導通りに阪田流向かい飛車と対峙するか、回避するかの2択になります。まずは、阪田流向かい飛車になった場合を見ていきます。

 阪田流向かい飛車になれば、ほぼほぼ1.の局面になると思っていました。△5一金という手は初めて見ましたが、▲4一角打や▲4一角成といった手を未然に防いでおり、優秀な構えです。反面、王様はほとんど囲われていないので、攻め合いになればこちらに分がある展開になりやすいのかなと考えました。

 この後、先手は▲3七桂と▲3八金と指して2筋と3筋での争いに加勢していきます。対する後手は△3三桂と△2五歩を指し、持ち角を使ってキーとなりうる△3五歩を狙っていくのが一例でしょう。そうなればこちらも普通に戦えて、変化の掘りがいもありそうだということになりました。

2.対△5三銀型四間飛車(先手)

o8P想定2@3x

 分岐その2。次に、阪田流向かい飛車を回避した場合を見ていきます。

 この場合は△5三銀型の四間飛車にしていることが多く、あまり後手から先行してこないという印象だったので作戦勝ちしやすそうと考えていました。

 しかし、相手の出だしから矢倉か雁木を予想したのか、居飛車側のほとんどが急戦系の将棋にしていたために持久戦のデータはほぼありませんでした。2.の局面は居飛車側が持久戦にした棋譜を引用したものですが、大体△5三銀型にしてくることが分かっているだけで、今回もこの形(あるいは似たような形)になる保証は全くありませんでした。

どちらを採用するか

 対局当日の夕方までは、先手番なら阪田流向かい飛車を真っ向から受けようと思っていました。これには理由があり、阪田流向かい飛車を受けるのが対振りの中でトップクラスに苦手なので今回を機に勉強しよう、というものでした。ですが、弱気モードが発動して、わざわざ苦手なことをするべきでないことと慣れと作戦勝ちのしやすさから結局は対四間飛車でいこうとなってしまいました。

後手番での想定

 先手番でやることは何日か前から絞っていけたものの、後手番でやることが当日になっても決まっていませんでした。おそらく陽動振り飛車で向かい飛車にしてくるのだろうとは思っていましたが、そうなると飛車先の歩を8五の地点まで突きたくないのです。しかし、歩を8四の地点にしていれば居飛車の乱戦を誘発してしまうかもしれないのでどうすれば良いのだろうと悩みました。

 そこで、ソフトに尋ねると以下の局面が示されました。あまりこちらから乱戦を仕掛けにいくのはやりたくないですが、なかなか優秀なのではないでしょうか。

想定局面図 3.対陽動振り飛車(後手)

o99想定3@3x

 この△6五歩がシンプルながら嫌らしいのではないかと思いました。狙いは簡単で、これに▲同歩と応じてしまうと△7七角成▲同桂△4五角でこちらが優勢になります。そこで▲5五角と切り返す手があるようですが、△6七角成▲8二角成△7七馬があるため成立していません。となると歩を取らない手を考えることになりますが、手が広いために時間を使ってくれるのではないかと考え、採用に至りました。

 しかし、この段階で既に対局1時間前の午後7時だったため、深掘りできる時間もなくあまりにも付け焼刃な状態で臨むことになります。後手は引きたくないと祈るばかりでした。

その他にやったこと

 現在まで、棋譜並べと詰将棋をあまりやってきませんでした。しかし、絶対量が足りておらず、長期的な目で見れば確実に必要になると最近改めて実感じたため、事前準備に加えてこれらもやっていました。

 棋譜並べは、当日までに阪田流向かい飛車を重視した対抗型の将棋と藤井聡太二冠の将棋を計数十局並べました。もちろん、すぐに効果は出ないですが、やらないよりかは確実にましでしょう。

 詰将棋は、主に将棋クエストの詰めチャレで解いていました。レーティングシステムが採用されているので、これなら続けられると思いましたが、正解して上がるレートは少ないのに解けずに下がるレートが多すぎる(正解:不正解=5~7問:1問 くらいの感覚)ので正直やりたくないです。書籍で解くのもすぐ飽きてしまいます。こんな超わがままな私に合う詰将棋はあるのでしょうか…


 というわけで、あれよこれよとしているうちに今回もあっという間に対局のお時間になってしまいました。「対局編」では、本格的に自戦解説の方に入っていきます。1週間ほどで投稿できればなと思います。

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