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おおきなダイジョウブをもらった

ときには、発生した障害対応で慌てるメンバーに向けて。
納品直前に出来上がっていない資料を目の前にした私に向けて。
「ダイジョウブ」は私にとって、おまじないの言葉。
心持ちは、大丈夫というよりも、ダイジョウブ。

これまでは、誰かを励ますよりも、私が私に向けて、まだいけるはずという願いをこめていることが多かった。

5月のおわりに、とつぜん、みかんが逝ってしまった。
衝動的に3日ほど会社を休み、家にずっといた。のこされたナナと、ふたり生活のはじまる。かなしい気持ちと同じくらい、ありがとうの気持ちがあったから、数時間パソコンに向き合って、写真から、動画にまとめていた

なんとかできあがったと、泥のように眠りについた。
翌朝、目覚めると、友人たちとのモーニングの集合時間をとっくに過ぎていた。一瞬、訳がわからなくなり、頭が真っ白になる。あ、これは、つんだな、と焦りつつ、LINEで連絡を取る。

家を出て、約束の場所へといそぐ。通勤電車の時間帯に重なっている。悲しみに暮れて眠りについたはずが、目覚ましにも気づかないほど深く眠ってしまうわたしにびっくりした。
みんながエレベータホールに出てきたところに、ようやく合流。
寝坊した申し訳なさで、みんなの顔を見回した。「なんかあったかと!」「とにかく無事でよかったよー」との声かけに、鼻の奥がツーンときた。自然とハグをして、堰を切ったように泣いた。背中をとんとんされて、魔法の言葉をかけてもらった。

ほんの一瞬だったけれど、とても大きなダイジョウブをもらったんだ。

最期の散歩となったみかんとナナ。
ダイジョウブのかたまりでしかなかったんだよなぁ。

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