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政治的な注目も集まる希土類磁石 国内磁石御三家(信越、TDK、日立)の競争力比較

ネオジム(希土類)磁石3社といえば、信越化学・TDK・日立金属。佐川眞人氏(当時住友住友特殊金属に在籍)が1982年にネオジム磁石を開発して以来、日立金属が信越化学とTDK(と一部中国企業)にライセンス付与する形で世界のマグネット市場を牽引してきた3社は、2014年からのネオジム磁石のライセンス期限切れに伴っていよいよ世界競争、特に中国企業の猛進に巻き込まれつつあると言われる。

一方、2010年代初頭に中国発端で勃発したレアアースショックを経てこの10年間、希土類を扱う企業はいずれも二度と同じ目に遭うまいと粛々と準備を進めてきている。最近では対米報復などとして中国が再度の輸出制限実施に踏み切る等の報道が目につくようになってきた。

こうした状況下、いよいよ信越化学・TDK・日立金属の戦略力、そして過去10年における努力の蓄積の成果が試されようとしているといえる。

今回この3社について、有価証券報告書から該当セグメントを絞り出し「競争力」の観点から分析を試みる。

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