意外と気付くのに時間が掛かったなぁ

今年のJ1リーグは、フロンターレが優勝した。
そして、18年間もフロンターレ一筋で活躍してくれたケンゴが引退する。

この報告会とセレモニーを、サポーターと共にホームグラウンドである等々力で開催することになった。

何事もなければ、きっと等々力を開放して、入れるだけ入れるくらいの勢いで開催したのかもしれない。
まぁ、実際は優勝パレードと最終ホーム戦のセレモニーになるのかもしれないが...

とにかく、今回はイベント形式ということで、全席指定でチケットを販売することになった。

チケット販売方法は、概略以下の感じ
1.後援会会員購入期間を設ける
2.その期間の後に残っていたら一般発売する
3.購入枚数は、1人5枚まで
4.早い者勝ち

とってもシンプルだけれども、ちょっと引っ掛かるのである。

ここで、今シーズンの試合チケット販売方法の概略を見てみる
1.まず、シーズンチケット購入者用期間を設ける
2.その後、後援会会員購入期間を設ける
3.さらに、それぞれの期間後に残っていたら一般発売する
4.1の購入枚数は、シーズンチケット保有数と同じ
5.その他の購入枚数は、4から6枚まで
6.早い者勝ち

今年は、コロナの影響で、最初は観客無しで開催し、次に5000人、そしてスタジアムの半分の観客を入れて開催した。
そして、座席は1つ置きとか2つ置きとかなので、今シーズンが始まる前に販売した指定席では観戦することが難しくなった。
そこで、シーズンチケットを無効にする代わりに、先行販売をすることにしたのである。

チームにとって、今年も一年間応援します、という気持ちを表してくれたシーズンチケット購入者を優先するのは、良くわかる。
しかも、シーズンチケットの数は、スタジアムの座席数より多いことはないので、ある程度の争奪戦回避にはなる。
(そもそもの発売数がMAXの半分とかなので、争奪戦は必ず起こる)

ところが、今回の「引退セレモニー&優勝報告会」には、このように優先するという考え方が無い。
後援会会員かどうかという区別はあるが、そもそも後援会会員に上限数は無いので、最初から激戦必至なわけであり、優先しているとは言い難い。
その上に枚数制限が5枚なので、拍車を掛けてるとしか思えない状況である。

案の定、発売当日には完売してしまった。

平日10時の販売開始という、サラリーマンにとってはなかなか厳しい時間に販売サイトへ接続し、混雑しているので、ログイン自体に時間が掛かり、ログインしてみれば、ほぼ売り切れな状態で、結局買えなかった。

イベントチケットを売るということは、ある程度来て欲しい人を想定するものだと思う。
そして、できるなら想定する人たちに多く集まって欲しいのではないだろうか。

試合においては、シーズンチケットを買った人を優先したかったのだと思う。
そして、引退セレモニー&優勝報告会では、後援会会員かどうかだけが気になったということなのであろう。
(1人で複数枚買えるので、後援会会員でなくても行けますが...)
しかし、内容を考えれば、シーズンチケットを購入した人や、後援会会員に(例えば)10年以上入会している人を優先するべきだったのではないだろうか。
そのような区別も無く、単に多くの人に売りたかっただけ、のように見える。

チームにとっては、長年応援している人も、今年から応援を始めた人も、どちらも大事なのは当然だと思う。
しかし、イベントの意味合いを考えれば、ある程度の優先順位が発生すると思うのは、間違っているのであろうか。

「どんなイベントにして、どんな人に来てほしいか」を考えたら、チケットの売り方は、「シーズンチケット購入者優先」とか「10年以上後援会会員優先」とかになったのではないだろうか。

結局、チームとしては、「10年以上、ケンゴとフロンターレを見続けた人」や「シーズン通して応援に行きます」という人と「今年から応援しようかと思っています」という人は、一緒だと思っているということなんだろう。

「サポーターから見たフロンターレ」と「フロンターレから見たサポーター」との間には、相手への熱量の差があったということなのであろうか。

チケットを売る、という行為から、売る方の購入者への思いが、なんとなく見えてくるような気がするというのは、ちょっと面白い感じがする。

あと、この関係って、まるで片想いだよなぁ、と思った。
しかも、振り向いてもらえないやつ。
長い時間ずっと思い続けていても、結局はその他大勢と一緒だというのは、なかなか厳しい現実ですな。