ミカエルは英語でマイケル「Michael」と書きます。この短縮形愛称が
「マイク」「ミック」「ミッキー」・・・
我々にはとってもお馴染みの名前ですよね。
フランス語 では 「Michel」と書いてミシェルとなります。
ドイツ語では「Michael」ミヒャエルと言い、
スペイン、ポルトガル語では「ミゲル」
ロシア語ではミハイル、
オランダ語では「ミヒル」
イタリア語ではミケーレ
フィンランド語では「ミカ、ミッコ」となります。
因みにイタリアの芸術家「Michelangelo(ミケランジェロ)」の名は「Michel」+「angelo(=天使)」で「天使ミカエル」の意味です。
ミヒャエル・シューマッハ、ミハイル・ゴルバチョフでもお馴染みですね。
キリスト教圏の名前には、4大天使(ミカエル、ラファエル、ガブリエル、ウリエル)や、聖書中の聖人から由来する名前を授ける風習が根強いので、このような名前が選択される事になります。
これらの名前は聖書の書かれたヘブライ語が原典。
ミカエルやラファエロ、ガブリエル、エイブラハム・・・etc。み~んなヘブライ語に由来します。
さてさてこの4大天使の内、ミカエル、ラファエル、ガブリエルについては皆さんよくお聞き及びかと思いますが、「ウリエル」ってあまり聞きませんよね?
どうしてでしょ?
日本の洗濯洗剤で「アリエール」なんてのがありますが、これは論外です。(笑)
実は「ウリエル」は堕天使・・・。
ウリエルの堕天
745年のローマ教会会議によってウリエルは堕天使として非難され、聖書正典に名前の現れるミカエル、ガブリエル、ラファエル以外の天使は否定されました。その後、教会の処置は寛容になり、ウリエルは復権するのですが、天使としてではなく聖人としてでした・・・。
さぁ、ここでちょっと面白くなります。この後「ウリエル」は人々から
「ヤコブ」と呼ばれるようになりました。このヤコブがジェイコブ、ジャックの語源になるんですね・・面白いでしょ?
お次は皆さんよくご存知の「ヨハネによる福音書」のヨハネさんです。(因みに「福音」はドイツ語で「Evangel(エヴァンゲル)」、「エヴァンゲリオン」の語源なんですよ!
各国語での「ヨハネ」さんの呼び方をご紹介しますね。
英語 :John ジョン
アイルランド語: Sean ショーン
ドイツ語 :Johann ヨハン
オランダ語: Jan ヤン
フランス語 :Jean ジャン
スペイン語 :Juan フアン
イタリア語: Giovanni ジョヴァンニ
ロシア語: Ivan イワン
有名な話ですが、家康に仕えたオランダ人のヤン・ヨーステン。
日本名は耶楊子(やようす)彼の拝領した地をのちに「八代洲」(やよす)と呼ぶようになり、時が移ろい現在の「八重洲」になりました。
また、「~による福音書」でお馴染みの
「マタイ」が英語で「Matthew(マシュー)」に、
「マルコ」が「Mark(マーク)」になったりします。
「母をたずねて三千里」の主人公マルコも「マーク」!
イタリアの「San Marco(サン・マルコ)」寺院のことは
「Saint Mark(セイント・マーク)」となります。
語源探索にはまると、その歴史や宗教的な背景が浮き彫りにされて興味が尽きません。
語源系の記事はシリーズでまた書こうと思っています。
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