「他人はあなたのことなんか見てない」という妄言

1ミリも信用してない。

ウェブ上で自分の外見について嘆いていると、80%くらいの確率で「みんな他人のことなんて気にしてないよ。気にしすぎ。自意識過剰」とか言ってくる人が現れる。
「私はあなたより俯瞰的、客観的に現実を見てる。だから哀れで愚かなあなたに現実を教えてあげる」
というつもりなのか、あるいは、
「実際はそんなことはないけれど、敢えて突き放すような言い方をすることで、少しでもあなたの気持ちが楽になれば」
という好意なのか、それは分からない。ともかくそういう奴がいるのだ。

ばかなの?

人は他人のことを見ている。この「見ている」というのは、外見や行動をジャッジしているということだ。

大学生の時。
学部の友達が、「高校が一緒の子が別の学部にいて、よかったら皆とも仲良くしたいと言っている。その子を紹介したいので学内のカフェに来てほしい」と言ってきたことがあった。
へーそうなんだ!もちろんいいよ!と快諾して、講義の後、トイレに寄ってからカフェに向かった。そこで引き合わされた友達の友達に、
「さっき◯◯のトイレにいましたよね!?素敵なストールだなって思って見てて…まさかあの人が◯◯ちゃんの友達だったなんて!」
と言われた。
え…さっきのトイレに人いたっけ…?って思った。
全然気が付かなった。ていうか、トイレですれ違った(?)だけの人のことそんなに覚えてるもんなの?

大学卒業して何年か経った頃。
仕事の関係でやらされていたFacebookに知らない人からの申請があった。聞けば大学時代の同級生らしい。私は出身大学も何も書いていなかったのだが(別に人と繋がりたくはなかったので)、
「れぶにさんは新入生の時のガイダンスで、徳川家康と同年に亡くなった西洋の偉人は誰か、と先生が訊いた時、誰も答えられなかったのに、一人だけ手を挙げて、ウィリアム・シェイクスピアです、と答えていましたよね。よく覚えています」
と言われた。
そんなことあった…?覚えてない。でも私の知識と性格からして、たぶんそんなことをやっていそう。

車校の合宿でも、共同トイレの個室に入ったら先に入ってた子達が個室から出てきて、私が個室にいるって知らずに
「あのすごい細くて白い美人いるじゃん?赤いカーディガンの!あの人、今日さ〜、朝のバイキングで納豆食べてた!」
って私の噂話をしてるのを聞いたことがある。自慢とかではないけど、自分の預かり知らぬはずのところで人に褒められた嬉しい思い出なのでよく覚えている。そんなようなことを清少納言も言ってた。
その子達とはその後仲良くなったけど、その時点ではお互い名前も知らなかった。

その他諸々、いつもこの時間にお店の前通りますよね!とか、前から見てました!とか、よく言われるもん私。
人は他人のことをいちいちチェックしてジャッジしてる。だから自分の外見を気にするのは正義なのだ。
これからも自分の外見のこと150%気にしていきたい。1ミリでも美人になりたい。

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