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かぐや姫の帰った後 続き

上の記事の続きです。


なぜかというと家にかぐや姫がいるからです。かぐや姫は月には帰らず、おじいさんとおばあさんの暮らす家にとどまることに成功していました。

これからもずっとおじいさんとおばあさんと一緒に静かに暮らしていくのが、かぐや姫の夢でした。しかし、いつか月から迎えが来ることも直感でわかっていました。さらに美しく成長したかぐや姫は、多くの男達から求婚されていました。最近では近くの町からだけではなく、遠く離れた都の貴族からも申し込まれていました。月の迎えがいつ来るのかという不安と求婚をどう断ればいいのか悩んでいたかぐや姫は月の迎えが来たときに自分の偽物を作り、その偽物と入れ替わることを思いつきます。そうすれば自分自身は月に帰らなくてもよくなり、求婚してきた男達からすれば求婚する相手がいなくなる訳ですから、もう求婚されることもないと考えたのです。

偽物は忍者の術である「分身の術」で作ろうと考えました。この術は月にはないものですから月の迎えも騙せるでしょう。その術が書かれた巻物には、術を持続させるために「伝説・幻とされるものを核にすることで効果は長続きする」と書かれていました。勿論かぐや姫も探してはみましたがなかなか見つかりません。ならばと求婚してきた男達に探して来てもらうことにしました。どの男たちも本物を見つけることはできませんでしたが、最後の一人が本物を見つけて来てくれました。月からの迎えが明日に迫った夜、分身を作り終え、ようやく準備が整いました。

綺麗な満月が輝く夜、月からの迎えがやってきました。かぐや姫も準備してきました。月に帰るつもりはありません。隙を見て分身と入れ替わり、遠くから隠れて様子を伺います。誰もかぐや姫が入れ替わっていることに気づきません。月の人々はそのまま分身のかぐや姫をつれて帰っていきました。男達も項垂れながらそれぞれの場所に帰っていきます。かぐや姫の作戦は大成功!ガッツポーズを決めました。

こうしてかぐや姫は月からの迎えと男達を騙しきり平和な日常を取り戻しました。その後、かぐや姫はおじいさんとおばあさんと暮らしていた家に戻り、愛した人と一生幸せに暮らしました。


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