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OpenAI CEO サム・アルトマン氏が立ち上げた暗号資産プロジェクト、Worldcoinとは? (part3)

part2はこちらからアクセスできます!

Worldcoin、日本上陸!

Worldcoinチームは年内のサービス開始に向けて世界中を飛び回っている最中で、各地のweb3・IDコンファレンスに積極的に顔を出しています。

なんと、先日のETHGlobal Tokyo(4/14~16)がWorldcoinの日本初上陸でした。Worldcoinチームは期間中トークセッション・ワークショップを開催し、複数のハッカソンチームと交流していました。

World ID SDK(software development kit)を用いたチームのうち、Worldcoinから表彰を受けた方は下のツイートのスレッドに載っています。今すぐ実用化できそうな非常にレベルが高いプロジェクトが揃っているので、ぜひご覧ください。↓

ETHGlobal Tokyoハッカソンに出場したチームのうち約1/6がWorld ID SDKを利用したプロジェクトを制作していたことからも、その注目度と開発応用性の高さが伺えます。

イベント後には、日本初のWorldcoin Meetupが渋谷のSingularity Tokyoで開催されました。Worldcoinチームのプレゼンの後に質問する機会が設けられ、Orbによるスキャンを完了してWorld IDを取得された方もいました。

なお、日本国内でのWorldcoinの認証ローケーションは現時点でSingularity TokyoとCryptoBar P2Pの2箇所のみになります。

現在は定期開催される登録イベントに予約することによってWorld IDを受け取れる仕組みになっています。予約枠が一瞬にして埋まってしまうほどの人気ぶりなので困りますが、今後登録イベントを常設化する予定だとのことです。

登録イベントに予約するには、World App右下のスキャンアイコンをクリックし、”Verify yourself with an Orb” → “FIND THE NEAREST ORB” を選択することによって上述の2箇所の申込みページにアクセスします。(*World AppはApp StoreまたはGoogle Playから現在ダウンロードできます)

さらなる分散型へ向けたWorldcoinの取り組み

Worldcoinはパブリック・ユーティリティ(公益事業)として世界最大のID・経済ネットワークとなることを最終的な目標としていて、さらなる分散型を目指すための指針として次の三つの軸を掲げています。

1 ガバナンス: 
プロジェクト全体の意思決定が、参加者全員による非中央集権的なコンセンサスを通して行われることが望ましい。World IDのIPや関連技術を発展させ、それらを用いたアプリケーション・プロトコル開発への資金援助を行う。

また、コミュニティへの貢献度を基準にした評価制度を導入し、徐々に運営主体をDAOに移行する可能性を検討中。

2 開発:
ETHGlobalと提携することにより世界各地でハッカソンを開催、すでに1000人以上のデベロッパーが100を超えるWorldcoinプロジェクトを制作。

Orbデザイン、さらには関連するすべてのハードウェア関連のエンジニアリングファイルをGitHubリポジトリで公開済み。今後は同様にソフトウェアのコードを順次公開していく予定で、世界全体に利益をもたらすプロジェクトを推進するオープンソース開発エコシステムを構築。

3 オペレーション :
現在Worldcoinが運営しているサービスのハードウェア・ソフトウェア両面におけるインフラ維持を、順次個人または民間企業・組織に移譲する。

https://worldcoin.org/blog/worldcoin/primer-on-decentralization-at-worldcoin


完全な分散型エコシステムを目指していて、意思決定構造と技術知識の両面においてコミュニティ参画型・オープンソース型の分散型運営方法に移行していくことを明確な目標にしています。

今後の展望

全世界ですでに170万人、ポルトガルでは国内で12万人、なんと人口の1.1%(!!!)がすでにWorldcoinへのサインアップを完了しているというので驚きです。

ポルトガルは元々ヨーロッパの中でも暗号資産政策に積極的な国の一つです。ブロックチェーンコンファレンスを開催するなどweb3に積極的なNova School of Business and EconomicsとWorldcoinが今回タッグを組み、これほどの登録者数獲得に貢献しています。

5月8日にはウォレットアプリのWorld Appがリリースされました。仕組みとしてはほとんど従来のweb3ウォレットと同じですが、秘密鍵ではなくWorld IDが本人認証に用いられるという相違点があります。

このため、World Appはメタマスクなどのプライベートウォレット同様に様々なサービス・DAppsに接続可能で、あらゆるweb3サービスがWorld IDと連携するハブのように機能するようになると思われます。

その中でも特筆すべきなのが、暗号資産取引所としての機能です。アプリ上でUniswapを利用してトークン交換を行い、ENSを通して他ユーザーに暗号資産を転送することも可能になります。

認証済みWorld Appは、以下のようなレイアウトとなっています↓

認証済みWorld ID
Worldcoinはこのタブで受け取り
取引タブ

また、World Appは現在Polygonチェーンに接続されていて、将来的にはイーサリアムL2ネットワークのOptimismに移行することが予定されています。

まとめ

Worldcoinは単なる暗号資産としてではなく、Proof of Personhoodを基盤にした世界規模のIDプロトコルという点で重要な意義を持ちます。

将来的にデジタル空間におけるAIと人間の区別がつかなくなると、固有ユーザーを正確に認証することの必要性が一層増すことになります。

Worldcoinの斬新なProof of Personhood認証により、インフラ不備や政治的問題が理由でこれまでデジタル空間に参画できなかった世界中の何億人もの人に、世界規模の経済・IDネットワークに参加する機会が訪れるかもしれません。

ネット上のあらゆるサービスのID偽造対策を向上させ、さらにはweb3が今までで考えられなかった規模にマスアダプションするための火付け役になるポテンシャルを大いに秘めていると思います!

合計3回にわたるWorldcoin連載、楽しんでいただけでしょうか?web3事業にご関心がある方は、ぜひDeFimansにご相談ください!

(勉強会:北野、文:山田)





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