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Van Duren - Waiting: The Van Duren Story

日本のディープサウスの、さらにディープな田舎に暮らしていると、ときどきよくわからない記事がある。たとえば違法薬物で逮捕される芸能人のニュースもその一つ。違法薬物をやるとどんな感じになるのかもしれないし、そもそもどうやったら入手できるかもわからないので、なんとなく怖いね、という感想しか持てないのだ。

東京あたりだと、ある特定のクラブ(これも実はよくわかってないんだけど)とかに行けば、簡単に手に入るようなものなのだろうか? あるいは、都会に暮らすある特定の人物には、自然とそういった情報が流れてくるものなのだろうか? まあ逆に、例えばTPPみたいに、都会の人にはわからないニュースもあるんだろうけど。

だからというわけではないが、これまで薬物に関して法を犯すようなこともなかったし、興味もなかったので、シラフでは楽しめない、やたらと長い反復系の音楽とか、ノイズにしか聞こえない長尺のインプロビゼーションとかにはいまだに興味を持てないでいる。

先日言及した「メンフィス・パワー・ポップ」は、ある意味そういったドラッギーでブルージーなロックとか、もっと言えばマチズモ、あるいはアメリカ的なものへのアンチテーゼだったはずで、その象徴がマッシュルームヘアのFAB FOURだったのだろうと想像する。だから重度のビートルマニアだったとされるVan Durenは、「メンフィス・パワー・ポップ」の真髄を体現する音楽家の一人なのだ。

海の向こうではVan Durenのドキュメンタリーフィルム『Waiting: The Van Duren Story』が局地的に話題になったり、先日書いたLuther RussellやBill Lloydが素晴らしいアルバムをリリースするなど、「メンフィス・パワー・ポップ」を愛する僕にとっては、とても好ましい状況になりつつある。それは同時に、アメリカの時代の空気を反映しているのかもしれない。

この映画、日本でも公開してくれないかな。万が一されたとしても、どうせ東京のミニシアター系なんだろうけど。つまりは、見に行けないんだけど。恐らくは、この素晴らしいサントラを聴いて我慢するしかないのだろうな。

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